ストレスを抱える現代人のための癒やしの小屋。オーストリアの田舎に佇むスモールハウス

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都会に住む現代人の生活はストレスに満ちている。その人口の多さに比例して発生する人間関係のもつれだけでなく、テクノロジーの発達によって仕事のスピードや日常生活のスピードまで高速化してしまい、人間はそのスピードに付いていくのがやっとだ。私たちは細かいストレスを常に受け続けていると言っても過言ではない。

多忙を極め、精神的にタフな仕事を請け負っている人間は、どこかでその心と体を休ませる必要がある。心身を休ませる方法として、いろいろな方法が考えられるが、自然の中に身を置き、住んでみることもひとつの解決策としておすすめだ。自然そのものに癒しの効果があるからだ。

この小屋の住人はライフコンサルタント兼作曲家だ。2つの職業を同時にこなすのは非常に充実しているとはいえ、そこからくるストレスも計り知れない。その忙しい都会の毎日から逃れるために、この場所は最適のようだ。

彼がその疲れを癒すために依頼したのが、オーストリアの野生の中にポツリとある、こじんまりとした木の小屋だ。オーストリアの建築スタジオRaumhochrosenがデザインしたこの小屋は、周りの木々や土の色に同化して、違和感なく周囲の景色に完璧に溶け込んでいる。

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内装は非常にシンプルでガランとしている。その分、良質な木で貼られた床、天井、壁にフォーカスが行き、その「何もなさ」から温かみを見つけることができる。

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この小屋が他の小屋と比べて一番ユニークと言えるのが、入り口から入った際に明るく横に広がるこの大きな窓かもしれない。まるで美しい写術的な絵画が飾られているかのような感覚になる。しかし、この絵は中で風に揺られて葉々が揺らめいたり、鳥が上下左右から登場したりと、そして季節によってその内容が変わり、鑑賞者を全く飽きさせることがない。

四方を木に囲まれながら、自分が今大自然の中にいるのだということを理解できる極上のシアターを鑑賞すれば、日頃の小さな悩みなど吹き飛んでしまうだろう。

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外側の壁は縦長の木の板で貼られており、屋根は鉄でできた平らな素材が使われている。側面には小さな窓も施されており、いつの時間帯でも部屋の中が暗くなることはない。

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この小屋は2階建て。ロフトが付いており、1階からハシゴを伝ってアクセスできる。そしてこのロフトを上がりきった先にも同じような横に広がる大きな窓が出迎えてくれる。この小さなスモールハウスにシアターを2つも抱えていると考えると、非常に贅沢な気分にさえなれる。

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この2階のロフト部分の窓の一つは扉となっており、そのままその扉から自然にアクセスできる。今まで自分が見ていた世界に実際に自分自身が飛び込むことができるという、夢のような設計になっているところも、この小屋のポイントだろう。

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このように野生の中に繰り出して、本当の自然と楽しむこともできる。

人間が動物である以上、自然の中に身を置く時間は必要だ。しかし日本の住宅事情を考えると、誰もがそのような時間を作れる別荘を持つのは大変かもしれない。だからこそ、この今回のようなスモールハウスを自然の中に作り楽しむという発想が、今後我々にも必要になってくるのかもしれない。

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