月1で日常とおさらば。オーストラリアの完璧な隠れ家が大人気

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忙しく時間に追いまくられる都会での生活のなか、日々、自分の中の大切な何かが削られていく気がする。デスクワークやインターネットのくびき(yoke)を解き放って、日常と断絶した時間を自然の中で過ごしたい。

オーストラリアのスタートアップ Unyokedは、こうした現代人の世界共通の状況に対して、シンプルで明快なコンセプトで応えている。お金を貯めて毎年1回海外旅行するより、都心から2時間以内のドライブで行ける大自然のオフグリッド・タイニーハウスで、月に1度、あるいは週に1度の短期間の避難旅行でリフレッシュしよう、というものだ。そのアイデアは驚くほどの人気を集めることになった。

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オーストラリアの広大な自然の中には、膨大な未使用の土地がある。Unyokedのクリスとキャメロンの双子の兄弟は、この遊休地に目を付けた。オーナーから土地の一画を借り受け、ソーラーパワーのオフグリッド・タイニーハウスを設置して、都会人が日常から解放される小旅行の避難場所として提供したのだ。Unyokedは施設の運営と管理で利益を上げ、土地の所有者は遊休地をマネタイズできるという、双方にとって理想的なビジネスモデルというわけ。

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Unyokedのタイニーハウスは、フリーWiFiならぬ、WiFiフリー。つまりWiFiがない。その代わりに室内には何冊かの本とボードゲームが置いてある。ロケーションは、周りに人家のない隔絶した場所。そこに1棟だけをポツリと設置。詳しい場所は伏せられ、チェックインの2日前に予約者のみに知らされる。取材お断りの店、看板のないレストランのようだ。

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Unyokedの場所は厳しい基準で選定されている。人工的な建造物や騒音から隔絶した場所で、野生動物だけが棲んでいること。
エコフレンドリー、サステナブル、オフグリッド、WiFiなし、大自然の中で完璧に孤立したロケーション、そして都心から2時間以内の距離。確かに都会人には魅力的な誘い文句だ。

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シドニーの住民をターゲットとして、2棟のタイニーハウスから始まったUnyokedはたちまち人気となり、すぐに2棟を追加。そして現在、メルボルン地域にも2つのサイトを展開するに至っている。殺到するブッキングを効率的にさばくため、サイトには予約待ちリストが設けられた。

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Unyokedのタイニーハウスは、シドニーの建築デザイン会社Fresh Princeによってデザインされている。15㎡の広さと3.2mの高さの空間には、3方が広いガラス窓に囲まれたオープンビューの中にダブルベッドが置かれ、寝室とラウンジを兼ねている。少し離れてシングルベッドがあり、大人3人が寝泊まり可能だ。

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室内には、冷蔵庫付きキッチン、ガスストーブ、ホットシャワーの出るバスルーム、コンポストトイレが完備されているので、居住に不便はないだろう。外にある石炉やピクニックテーブルで、落ちてきそうな満天の星空を眺めながら、無料の薪でキャンプファイヤーやBBQを楽しめる。

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Unyokedの建築素材には地産のマテリアルが主に使われている。外壁に、シロアリと腐食に強い耐性を持つオーストラリア産のサイプレスパイン材を、インテリアにFSC(森林管理協議会)認証の合板を使い、プラスチックをほとんど使用しないサステナブルな建築となっている。

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Unyokedは、なぜこんなに現代人に受けたのだろう。
一つはWebサイトのできの良さ。デザイン、予約待ちリストを含むユーザーインターフェイス、そして以下のようなシンプルに心に響くキャッチフレーズの効果も大きいだろう。

「スペースは最小、くつろぎは最大」
「日常から解き放たれたいけど、時間の都合がつかない?」
「ホテルではありません。ベッドのチョコレートのおもてなしはなし。オフグリッドを体験しよう」
「スプレッドシートから離れてみる。パワーポイントと9時から5時までの仕事を置いて、荒野の呼び声に耳を傾けよう」

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Airbnbと不動産業をうまくミックスさせたようなUnyokedのビジネスモデル。ホストの出迎えなしの自力チェックインで手間がかからず、オフグリッドでランニングコストも抑えられるのがいい。場所を詳らかにしないのは、ゲストのセキュリティを考慮してのことだろう。

2時間以内の大自然への避難場所、Unyokedの宿泊料は、現在1泊199AUD(豪ドル)となっている。

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