何ともクールな建築アート。オーロラも見えるスウェーデンのツリーホテル

via: archdaily.com © Johan Jansson

スウェーデン北部ラップランドの松林の中、Treehotelの7番目のツリーハウスが2017年1月にオープンしました。設計は世界的建築設計グループのスノヘッタ(Snøhetta)が担当。それはランドスケープ・アート作品のような、世界でもっともクールなツリーハウスの1つと言える完成度です。

地上10mの高さにある「7th Room」の真ん中を、1本の松の木が天空に貫いています。窓から望むラップランドの木々やルーレ川の息を呑むような景観。秋冬には、吹き抜けのパティオやベッドルームの天窓から、幻想的なオーロラを見ることができるかもしれません。

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7th Roomは、周囲の景色が外壁に映り込む「ミラーキューブ(Mirrorcube)」、その名の通りのユニークな形状の「鳥の巣(Bird’s nest)」、なぜか赤い外観の「ブルーコーン(Blue Cone)」、「Cabin」「UFO」「トンボ(Dragonfly)」に続くTreehotelの7つ目のツリーハウス。

建築設計はスノヘッタに所属する、ノルウェーの女性ランドスケープ・アーキテクトのジェニー・B.オスルドセンが担当しました。オスルドセンは人と自然を融合させるために、外と内の境界を曖昧にするデザインコンセプトを立てます。キャビンの底面には12 x 8mの建築前の実物大の白黒景観写真を貼り付けカモフラージュ、下から見上げるゲストの錯覚を誘います。

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キャビンは12本の細い支柱で支えられ、周囲の森への影響を低減しつつ無重力で浮いているような印象をあたえます。

2重のネットを使用した中央の吹き抜けパティオを、1本の松の木が串刺しされたように貫いています。蚊も飛んで来れない浮遊するパティオに寝転がって、星空やオーロラを観察するのはきっと宇宙的な体験でしょう。

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7th Roomの55平方メートルのリビングスペースには、南向きに天窓のある2つのベッドルーム、北向きにはノーザン・ライトが見れる大きな窓を持つソーシャルラウンジ、ソファベッド、トイレ・シャワー付きのバスルームを備え、最大5名まで宿泊可能。ラウンジからパティオへはスライドガラスのドアで出入り自由です。

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ベッドルームにも広い窓が備え付けてあり、ノルディックの森をゆっくりと流れるルーレ川の流れが目を楽しませてくれます。

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エクステリアのパイン材は黒く焼いて耐久性を高めてあり、内装にはアッシュ材のフローリングとバーチ材の合板が壁に使われています。明るく開放的な北欧調のインテリアと、黒くシックなエクステリアとのコントラストが絶妙です。

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Treehotelのオーナーはケントとブリッタの地元夫婦。奥さんのブリッタは、人口600人の村Haradsで長年見捨てられていた廃屋をリノベーションして、アットホームなゲストハウスを営んでいました。しかし、ラップランドの大自然しか観光資源のない村に訪れるツーリストはわずか。そんな中、ツリーハウスのドキュメンタリー・フィルム『The Tree Lover』の撮影クルーが、ひと夏の間ゲストハウスに滞在します。

完成フィルムを観たブリッタは、ゲストハウス近くの松林に宿泊できるツリーハウスを設置するアイデアを思いつきます。海外フィッシングツアーの仕事でロシアに旅行していたケントは、ツアーメンバーの中にいたスウェーデンを代表する3人の建築家にアイデアを話してみました。建築家たちは、お互いが競合する事務所の所属だったにも関わらず、ケントへの友情からそれぞれ1つずつのツリーハウスを設計することを約束。こうしてTreehotelのサクセスストーリーが始まりました。

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Treehotelでは最近、世界的なシェフを雇って、スウェーデンの地元食材を使った見た目も美しい料理に力を入れ始めたようです。TV番組や雑誌、各種のメディアで取り上げられ、デザイナーやセレブたちも訪れる人気となったからでしょう。ゲストハウスで家庭料理に腕をふるっていたブリッタさんのエプロン姿が見られなくなるのは、少しさびしい気もしますが。

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