サステナビリティの体験学習。ボーイスカウトのためのツリーハウス

via: archdaily.com © Joe Fletcher

ツリーハウスの長い階段を登りながら、サステナビリティについて学ぶ。自転車を漕いで小屋の電気を発電させる。雨水を浄化した水を飲みながら環境について考える。
ウェストバージニア州の広大な森にそびえ立つ、その名も「サステナビリティ・ツリーハウス」は、アメリカのボーイスカウトの体験学習のためのツリーハウスです。

 

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「サステナビリティ・ツリーハウス」は、「サミット・ベクテル・リザーブ(SBR)」の57平方kmの広大な敷地の中にあります。ボーイスカウト・オブ・アメリカ(BSA)は、総額1億ドルもの寄付によって、石炭の露天掘り採掘場だったこのエリアを再開発。SBRは2013年に、全米ボーイスカウトのジャンボリー会場としてオープンしました。

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「サステナビリティ・ツリーハウス」の設計は、サステナビリティ建築の専門集団Mithunが担当、Trinity Worksほか多分野の専門チームが参加して、38mの高さを誇る巨大なツリーハウスを完成させました。2014年には、アメリカ建築家協会(AIA)のトップ・グリーン・プロジェクト10に選定されています。

ツリーハウスのフレームには、自然の木の幹の代わりに、表面の錆で内部腐食を防ぐ無塗装のコルテン鋼を116トン使用してメンテンスフリーを実現。壁と床には、FSC認証を受けた地元産の再生オークとブラックローカスト材が使われています。

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「サステナビリティ・ツリーハウス」は、オフグリッドな自給施設として設計されています。ルーフトップには、6,450ワットを出力する太陽光パネルと4,000ワットの2台の風力タービンを設置。 雨水を利用した4,500リットルの貯水槽と浄水システムを装備し、トイレはコンポスト式で水資源の節約と再利用を行っています。

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スチールの階段が4つのメインフロアを通り、ボーイスカウトたちは新鮮な空気と森の緑を味わいながら、展示やパネルを通してサステナビリティについて考えてみます。

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タイポグラフィやアイコンをうまく使ったグラフィックデザインのメッセージも秀逸です。

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「リサイクロトロン」のコーナーでは、三輪自転車のペダルを漕いで電気を発電。家の模型の照明を点けたりディスプレイを点灯させることで、電力やエネルギーのありがたみを実感させています。

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階段のステップにはポエムのような環境メッセージも。

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廃材で組み立てられた部屋に入ってリサイクルについて考えます。

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ジャンボリー会場でキャンプやアウトドアスポーツを楽しみながら、ある日ツリーハウスに惹かれて訪れてみる。「サステナビリティ・ツリーハウス」は森の自然をたくみに活かして、ボーイスカウトたちに自ら環境資源やサステナビリティについて考える機会を提供しています。建築、環境、照明やグラフィックデザインのプロフェッショナルな大人が結集して、次世代を担う子どもたちに向けて、本気で考えたツリーハウスの教室と言えるでしょう。

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