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「生きかたを、遊ぶまち」をコンセプトに掲げる、相鉄本線・星川駅〜天王町駅間の高架下施設「星天qlay」では、2026年2月21日(土)、「星天qlayの日」を開催しました。

今回は、Eゾーンでのライブ&マルシェ、さらに「ちょい飲みはしご酒」を実施。B〜Dゾーンでは、ワークショップや読み聞かせ、キッズパークなど、子どもから大人まで楽しめる多彩な企画が登場!

音楽に足を止める人、Eゾーンをはしごしながら楽しむ大人たち、芝生で遊ぶ子どもたち、新しい体験や物語に触れる機会。星天qlayのたくさんの場所に人が集い、そこでの時間を味わう一日となりました。

当日の様子をレポートします!

■ Eゾーン|ライブ&マルシェ 

Eゾーンでは、朝のお囃子からスタートし、一日を通して音楽ライブとマルシェを開催。通りすがりの人も自然と足を止め、にぎわいが途切れることのない空間が広がっていました。

⚫︎川島囃子

今回は、川島町を中心に活動する川島囃子のステージからスタート。

和太鼓や笛の音にあわせて、獅子舞や福の神が登場。無病息災を願いながら、獅子舞が来場者の頭を噛んでまわる姿に、自然と笑顔と人だかりが生まれていきます。

みなさまの健康や幸せを祈願しながら、イベントの幕が開きました。

川島囃子さん:「初めての場所でしたが、みなさんが笑顔で楽しんでくださって、とてもうれしかったです。

お囃子はもともと五穀豊穣や無病息災を願って、何百年も続いてきたもの。こうして通りすがりの方にも見てもらえる機会があるのは、とてもありがたいですね。

人に喜んでもらえることが、自分たちの喜びにもつながっています。」

⚫︎BAAB

続いては、昭和の懐かしい楽曲を中心に演奏を披露した、結成2年のユニットBAABさん。客席には、普段ライブハウスで一緒に時間を過ごしている仲間たちも集まり、演者と観客が一緒に場をつくっていくような、あたたかい時間が流れていました。

BAABさん:「屋外での演奏は今回が初めてでした。いつも演奏しているライブハウスとは、響きも雰囲気も異なる場所だったので新鮮でした。年を重ねてから新しいことを始めるのは、本当に楽しいですよ。

以前西谷のほうに住んでいたこともあり、相鉄線に乗ることはありましたが、天王町駅前がこんなに綺麗になっていて驚きました。そんな新しい場所で、私たちも初めてのことを体験できて、とてもよかったです!」

⚫︎Ather Gate MiMi

やさしいギターの音色とともに、聴き馴染みのあるバラードや懐かしの楽曲を披露。ポロンと響く音に、会場の空気がふっとやわらぎ、会場全体がしっとりと、あたたかい雰囲気に。

Ather Gate MiMiさん:「お天気にも恵まれ、とても気持ちよく歌わせていただきました!」

⚫︎Courage & 銀座 Jewel

続いて登場したのは、2025年12月22日に結成された4人バンドCourage & 銀座 Jewelさん。地元・天王町にゆかりのあるメンバーで結成されたバンドで、Eゾーンは日頃からよく訪れる場所なのだとか。

ステージでは、メンバー紹介やバンドに込めた思いが語られたあと、演奏へ。雰囲気は一気ににぎやかに変わり、最後には即興演奏も披露されました。

ビールを片手に、少し顔を赤めて盛り上がる皆さんの姿がとっても印象的。楽しそうな親御さんの姿をみて、子どもたちも嬉しそうに、一緒に音楽をたのしみます。アーティストと観客が一緒に音楽を作り上げ、まるでフェスのようでした。

Courage & 銀座 Jewelさん:
「自分たちの地元で、こうして音楽を届けられることがとてもうれしいです。こういうイベントがあるまちって素敵だな、ここに住んでいてよかったなと思いました。

即興も交えながら、誰でも参加できるようなスタイルを意識しました。通りがかりの方も足を止めてくださって、子どもたちも楽しんでくれていてよかったです!」

⚫︎はすみまき
ステージのトリは、広瀬香美氏のバックコーラスとして全国ツアーにも参加されたご経験を持つ、はすみまきさん。カバー曲からオリジナル曲まで、エネルギッシュな歌声を披露してくださいました。

お酒を飲みに、Eゾーンに人が集まる夕暮れ時。はすみさんの明るい歌声が、そんなみなさんの耳にも入り、ステージを覗く方や、身体を揺らして楽しむ方の姿も。みなさんの心をよりワクワクさせてくださる演奏でした。

はすみまきさん
「屋外での演奏でしたが、お天気にも恵まれて安心しました。今日初披露する曲もあり、緊張もありましたが、手拍子をしてくださる方や、演奏後声をかけに来てくださる方などがいて、とても嬉しかったです。はしご酒、とっても素敵なイベントですね。お酒を楽しみながら楽しんでくださる方の姿を見て、こちらも幸せな気持ちになりました。」

Eゾーンでは、ライブとともにマルシェも開催され、こだわりの詰まった出店が並びました。

⚫︎Carino(カリノ)

ネイティブアメリカンのファッションをモチーフにした、肩にかかるほどのロングピアスやビーズアクセサリーが並んだCarinoさんのブース。光にあたってきらきらと輝くのが素敵で、湘南など海沿いでの出店が多いCarinoさんのアクセサリーは、海に入るときにも外れにくい仕様になっているのも特徴です。

桜貝をくだいてつくったピアスなど、ひとつひとつが一点もの。星天で海を想う、ときめきの詰まったブースでした。

⚫︎HARU icing cookies 

かわいくて、食べてもおいしいアイシングクッキーを販売。お花やイチゴなど、細やかなデザインが施されたクッキーは、まるで食べ物とは思えないほど。

ほんのり甘くサクサクとした食感で、ライブの合間に足を止めて購入する方の姿も多く見られました。

⚫︎幸美(saibi) 

メイキャップアーティスト幸美によるフェイスペイントのブースにも、次々と子どもたちが集まっていました!

肌にやさしい顔用ペイントで、小さな顔に絵を描いていく時間は、とても穏やかでほっこりとするひとときに。他の出店者さんもやさしく見守る中、完成するとたくさんの大人たちから「かわいい!」という声が上がり、子どもたちも笑顔に。その場にいる人たちみんなが笑顔になる出店ブースでした。

■ Eゾーン|ちょい飲み はしご酒

Eゾーンでは、チケットを購入して各店舗のドリンクやフードをお得にちょっとずつ楽しめる「ちょい飲みはしご酒」第2弾を開催!

お店のこだわりのお酒とおつまみを少しずつ楽しめる設計になっており、店舗それぞれの個性を楽しみながら、Eゾーンを回遊できる特別な機会。チケットを片手に「次はどこにいこう?」と話し合う、地域のみなさんの姿がありました。

芝生広場では、兼田さんが代表を務めるfragrante tipicoより、ガレッドやドリンクなどを販売するキッチンカー「SANDS」の出店も。出来立てのあたたかいガレッドが美味しく、親子連れが集まる人気スポットでした。

Eゾーンのテナントの皆さんで企画・運営を行っているちょい飲みはしご酒。今回は、そのお一人であるfragrante tipico 兼田さんからお話を伺いました。

fragrante tipico  兼田さん:
「はしご酒企画は、Eゾーンの店舗みんなで、“何か人が集まることをやりたい”という思いから始まりました。

各店舗でコンセプトもターゲットも違うのですが、共通していたのが“お酒”だったんです。そこから、全店舗を回れるはしご酒イベントができたら面白いんじゃないか、という話になって。まずは地域の方に知ってもらうことが一番の目的で、利益は度外視でスタートしましたが、前回とても好評で、今回につながりました。今後もどんどん良い企画になるようブラッシュアップしていきたいです!」

■Bゾーン|バリスタ体験&紙芝居の読み聞かせ

● Bゾーン(qlaytion gallery)|バリスタ体験!ペアリングでもっと楽しむコーヒー (タリーズコーヒー)

タリーズコーヒーのスタッフによるハンドドリップのレクチャーと、コーヒーと焼き菓子のペアリング体験を開催しました。

スタッフのレクチャーのもと、ドリップパックに丁寧にお湯を注ぎます。自分で淹れたコーヒーを、タリーズで実際に販売されている焼き菓子とともに味わいながら、ペアリングのコツも学ぶことができます。

体験用とお土産用、2つのドリップパックが配られ、自宅でも美味しいコーヒーを楽しめるのも、今回の体験に含まれたうれしいポイント。子どもからご年配の方、そしてご予約いただいた方から当日ふらっと興味をもって足を運んでくださった方まで。たくさんの方に体験いただく機会となりました。

タリーズコーヒーさん:
「前回、11月の星天qlayフェスでは、子ども向けのイベントとして開催しましたが、今回はより多くの方に楽しんでいただけるよう、大人の方も参加できる内容で開催しました。

タリーズのコーヒーのおいしさや、お菓子とのペアリングの楽しさを知っていただくきっかけになれば嬉しいです。今日の体験を思い出しながら、ご自宅でもコーヒーの時間をより楽しんでいただけたらと思います。」

●Bゾーン(qlaytion gallery)|ほどがや えかたり~べのオリジナル紙芝居!

タリーズのバリスタ体験の隣では、読み聞かせボランティアによるオリジナル紙芝居の上演が行われていました。今日の上演を楽しみに訪れた方や、通りすがりに立ち寄った方など、徐々に観客が増え、会場は多くのお客さんで大にぎわい。ほどがや えかたり〜べの皆さんの声の響きや表現の豊かさから、聴いている皆さんも、明るい場面では笑顔に、悲しい場面では、一緒に悲しい顔に。物語に引き込まれていきます。

ほどがや えかたり~べさん
「初めての会場でしたが、たくさんの方に集まっていただいてうれしかったです。

qlaytion galleryは読み聞かせにぴったりな空間ですね。

室内の証明が、紙芝居をいい具合に照らすことができましたし、とっても良い会場で感動しました。皆さんが最後まで集中して聞いてくださったのも、とてもうれしかったです。」

■ Cゾーン(芝生広場)|キッズパーク

Cゾーンの芝生広場では、子どもから大人まで楽しめるキッズパークを開催!のびのび遊べる芝生の上で、体を動かしたり、段ボールで想像力を広げて楽しむことができるエリアです。

⚫︎ダンボールでお城づくり!|Moco-ya(モコヤ) 

ダンボールを使ったお城づくりで、子どもたちは夢中に!たくさんある段ボールから、好きなサイズを選んで、ならべて、くっつけて。気づくと芝生広場にはたくさんのお城でいっぱいに!

参加者のお子さんたちが自由に思い思いのお城を組み立てて、大人の方もお子さんと一緒に楽しんでいる姿に、見ているこちらもほっこり。

声をかけ合いながら、次々とお城が増え、最後のお片付けまでをみんなで楽しく行いました!

Moco-ya(モコヤ)代表 山田さん:
「星天qlayは、こんなに広い芝生の上で安心して遊ぶことができて、お子さまに優しい環境ですよね。とても素敵な場所だと感じました。

普段ワークショップを行っている空間よりも広く、子どもたちものびのびと楽しんでくれていて、よかったです!」

■ Dゾーン(YADORESI)|YADORESI リビングトーク

Dゾーンのシェアレジデンス「YADORESI」では、住民たちの暮らしをのぞくことができる特別な一日、「OPEN DAY」を開催。

OPENDAYに合わせて行っている「リビングトーク」では、星川・天王町、横浜エリアなどで活動するゲストをお迎えし、リビングでのトークセッションや語らいを通して、地域の方々がゆるやかにつながる時間をつくっています。

今回は、天王町にサロンを構える「ドッグサロンあや」さんをゲストにお迎えし、ワンちゃんとの暮らしやまちとの関わりをテーマにトークイベントを開催しました。

学生時代に天王町でアルバイトをしていたことをきっかけに、大家さんが所有する場所でドッグサロンを構えて30年。犬とまちに寄り添う暮らしを大切にされているあやさん。

「好きな場所で好きな仕事ができることは幸せ。本当に夢がかなったような感覚です」と語ります。

「ワンちゃんとお友達のように過ごしたい。」
「一匹として同じ子はいない。ワンちゃんと向き合い、教わりながら自分の人生を積み重ねていくのだと思う。」
「このまちで暮らすワンちゃんに寄り添えていることが嬉しい。1代目、2代目、3代目と、何十年も通い続けてくれるお客さまもいらっしゃるんです。」

そう話すあやさんは、ワンちゃんやお客さまとの数々のエピソードとともに、お店への想いを共有してくださいました。

会場には、普段からあやさんのお店に通う方から、これからワンちゃんを飼ってみたいという子どもたちまで、地域のさまざまな方が参加。

あやさんのお話を通して、ワンちゃんとの時間の過ごし方だけでなく、まちや仕事との向き合い方についても、改めて考えるきっかけとなった方が多かったのではないでしょうか。

愛情をもって仕事と向き合うあやさんの言葉に、気づきとともに自然と心があたたまる、そんなトークセッションとなりました。

ドッグサロン あやさん:
「普段はあまり若い方と関わる機会がないので、こうしてお話を聞いていただき、終わったあとに“面白かった”と言っていただけて、私自身とても楽しかったです。

やっぱりまずは自分が楽しむことが大事ですし、それが周りにも伝わっていくといいなと思っています。トークも初めてで、行き当たりばったりな部分もありましたが、コミュニティビルダーさんが司会として進行してくださったので、それにお任せしてリラックスして参加することができました。」

終わりに

音楽に耳を傾け、ふと足を止める人、はしご酒を楽しむ人、芝生で遊ぶ子どもたち、初めての体験や物語に没頭する人。この日、星天qlayのあちこちで、小さな出会いや会話が生まれていました。

何かを目的に訪れた人も、たまたま通りかかった人も、それぞれの過ごし方で、この場所ならではの時間を楽しむことができた1日。

「生きかたを、遊ぶまち」というコンセプトのもと、人と人がゆるやかに交わり、思い思いに時間を過ごす風景が、またひとつ積み重なりました。

ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

三菱地所株式会社は、兼松株式会社、株式会社SkyDriveと連携し、東京都の「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」を推進しました。

その一環として、2026年2月24日から2月28日までの5日間、東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場にて、実運用を想定した空飛ぶクルマの飛行実証が行われました。

本実証は、空飛ぶクルマの社会実装を見据え、運用上の課題を抽出することを目的に、空飛ぶクルマの飛行と、Vertiport Automation System(VAS)を活用した旅客ターミナルのオペレーションを検証した、国内初の取り組みです。

そして今回、この旅客ターミナルとして、YADOKARIのトレーラーハウスをご活用いただいています。

この記事ではその実証実験の会場を訪問し、私たちのトレーラーハウスがどのように活用されていたのか、そして空飛ぶクルマの現在地について、レポートします!

※ Vertiport Automation System(VAS):空飛ぶクルマの離着陸場の運用を自動化・最適化するシステム。

まずは、空飛ぶクルマの機体を見学!

会場に着いて最初に案内していただいたのは、空飛ぶクルマの機体が置かれているエリア。

訪問した2月26日は強風のため、残念ながらデモフライトの見学はできなかったものの、会場には多くの方が集まりました。

デモフライトの際は、50mほど離れた場所からの見学になるそうで、これほど近くで機体を見られるのは特別な機会。至近距離で見学できる時間に、会場全体の期待感の高さを感じました。

会場では、空飛ぶクルマの開発や運航実証を担う株式会社SkyDriveの方々から、機体の特徴や今後の展望についてもお話がありました。

SkyDrive プロジェクトマネジメント部長 福原さん:
「機体の重さは約1.4トンで、中型の自動車と同じくらいか、それより軽いくらいです。巡航速度は時速100キロを超える想定で、2028年の商用化を目指しています。最初は15km程度の距離からですが、今後バッテリー性能が向上することで、都市内移動により使いやすいものになっていくと考えています。」

株式会社SkyDrive 代表取締役 Founder / CEO 福澤さん:

「人が乗れるサイズで実際に飛行していて、なおかつ認証プロセスを進めている企業は、世界でもまだ5社ほどしかありません。その中でも、私たちの機体はとてもコンパクトなのが特徴です。

例えば東京都内には、すでにビルの屋上などに約70か所ほどヘリポートがあります。私たちの機体はそういった既存のインフラにも着陸できるサイズなので、都市の中での移動手段として活用できる可能性があります。」

現在SkyDriveが想定している活用シーンは、大きく3つあるそうです。

1つ目は、都市部の渋滞を解決する移動手段として。

「たとえば東南アジアの都市部では、5km〜10kmの距離を移動するのに、渋滞で1〜2時間かかってしまうことも珍しくありません。バンコクやジャカルタのような都市では、地上交通が限界に近い状態なんです。

そういう場所で、タクシーの2〜3倍くらいの料金でも、空を使って10分で移動できるなら、多くの人にとって価値のある移動手段になると思っています。

また都市部では、大きなヘリポートを新しく作るのが難しい場合も多いので、小さなスペースでも離着陸できる機体サイズは大きな強みになります。」

2つ目は、観光地と観光地をつなぐ移動。

「例えば駅の近くから飛んで、そのまま観光地の近くに着陸できるような移動です。観光地は景色の良い場所が多いので、空からの景色そのものも価値になります。

今は、駅からバスや車で1時間かけて行くような場所でも、空を使えば10分〜15分で移動できる。そうすると、観光の楽しみ方自体が変わっていくと思います。」

3つ目は、防災や医療の分野。

「道路状況に左右されない移動手段として、防災や医療の現場でも活用できると考えています。

例えば臓器移植などでは、臓器を空港まで運んだあと、そこから病院までの最後の数キロで渋滞してしまうことがあるんです。その最後の5〜10kmを、空飛ぶクルマで直接病院まで運べるようになれば、救える命が増える可能性があります。

まずは、確実に必要とされる場所から。都市部の移動、観光、医療など、これは絶対に必要だよねというユースケースからスタートして、生産量を増やしていく。

そうすると機体の価格も下がっていく可能性があります。車や自転車に乗るような感覚で、空にアクセスできる。そんなふうに、空の移動が日常の選択肢のひとつになる時代をつくっていきたいと思っています。

まずはこの機体が、東京や郊外、そして世界中で使われるようになって、少しずつ日常の移動手段になっていく。その瞬間を、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。」

“空を移動する”というと、まだ遠い未来のように感じるかもしれません。しかし実際に機体を目の前にし、こうした具体的な利用シーンを聞くと、その未来はすでに現実に近づいているのだということを実感します。

YADOKARIのトレーラーハウスを活用した旅客ターミナルへ

続いて見学したのは、今回の実証実験における旅客ターミナル。ここで活用されていたのが、YADOKARIの2台のトレーラーハウスです。2台の車両をデッキで繋ぐことで、複数の役割をもつ空間が構成されていました。

会場内は、ギャラリーエリア、デッキエリア、保安検査エリア、ラウンジエリア、オペレーションルームなどの機能に分かれており、一般の方も入れる非制限エリアと、搭乗者のみが入れる制限エリアに分かれて運用されていました。

今回は、ギャラリーエリア、保安検査エリア、ラウンジエリアの空間を見学させていただきました。

未来の移動を知る入り口、ギャラリーエリアへ

まずは、ギャラリーエリアへ。

ここは、空飛ぶクルマに関する映像や模型などが展示された空間で、来場者が自由に立ち寄ることのできるエリアです。今回の実証においては、単なる待合スペースではなく、空飛ぶクルマについて知り、理解を深めるための場として設計されていました。また、ギャラリー前にはテラスデッキも用意されています。テラスのチェアーに腰掛けながら、空飛ぶクルマの離着陸を見る等、出発前に少しくつろぐことができるスペースになっていました。

ギャラリーエリアは、空港でいうと搭乗前のオープンスペースのような場所。見送りの方や見学に訪れた方も入ることができる開かれた快適な空間として、空飛ぶクルマという新しいモビリティを、より身近に感じられる空間になっていました。

顔認証でチェックイン。保安検査エリアも体験

続いては、保安検査エリアへ。

ここは、空港でいうチェックインや保安検査にあたる場所。搭乗する人のみが入ることのできる「制限エリア」として、事前にアプリで搭乗予約を行い、顔写真を登録しておくことで、現地では顔認証によるチェックインができる仕組みになっていました。

室内には顔認証端末とその前には体重計が設置されており、顔認証によるチェックインと同時に体重測定も行います。空飛ぶクルマは航空機なので、重量バランスはフライトに影響するため、申告されている体重と大きな相違がないか確認する必要があります。

未来の乗り物という印象が強い一方で、搭乗までの体験はとても具体的。実際に運用することを見据えたリアルな検証が行われていることが伝わってきます。

搭乗前の待ち時間を過ごす、ラウンジエリア

ラウンジエリアは、チェックインを終えた方が搭乗前に過ごす待合スペース。

まずは、安全説明動画を確認したうえで、搭乗までの僅かな待ち時間にも、ディスプレイを通じて空飛ぶクルマの運航状況や近隣の交通機関の運航情報、ニュースなど各種情報が提供され、落ち着いて搭乗を待つことができる空間になっています。実際に空飛ぶクルマが離着陸する風景もご覧いただけるようエアサイドに向いた大きな窓も特徴です。

限られたスペースのなかでも、必要な機能をきちんと備えながら、圧迫感なく過ごせるように整えられていました。トレーラーハウスという可動性のある空間を使いながらも、単なる仮設ではなく、ターミナルとしての役割をしっかりと担った空間になっていました。

旅客ターミナルにトレーラーハウスを採用した理由とは?

ターミナル整備とプロジェクトマネジメントを担当した三菱地所の土山さん、川村さん(写真左から)

見学の後には、ターミナル整備とプロジェクトマネジメントを担当した三菱地所の土山さんにお話を伺いました。トレーラーハウスを選んだ背景や、実証実験を実現するまでのエピソードをご紹介します。

ーー今回、旅客ターミナルとしてトレーラーハウスを選んでくださったのには、どんな背景があったのでしょうか?

土山さん(以下敬称略):
「当社はビルなどの建築多く手がけておりますが、建築物として整備しようとすると、建築確認申請などの法的手続きや長期の施工期間を要します。今回のように、様々な法令上の制限があり、すでに多くの人が訪れている場所では、建築物でターミナルを整備することは難しいという制約がありました。

一方で、空飛ぶクルマは“目的地のすぐ近くまで直接行ける可能性が高いこと”が特徴の空の移動手段だと考えています。ヘリのように目的地から離れた場所に到着するのでは意味がない。だからこそ、最終目的地になりうる、人が多く集まる場所の中心にポートやターミナルを設置する必要がありました。

その点でトレーラーハウスは、車両扱いになるため建築確認申請が不要で、別の場所で施工してから現地に設置することもできます。今回の場所の制約を鑑みた時に、建築では難しかった条件をほぼすべてクリアできる選択肢だったので、『これでチャレンジしてみたい』と思いました。

もともとは基礎を伴うコンテナ型のターミナルも検討していましたが、設計を含めると2年単位の計画になり、費用面の負担も大きくなります。また法令制限で建築物が設置できる場所は非常に限定される。そのような多くの制約のなかで、実証実験の実現可能性を大きく高めたのがトレーラーハウスという選択肢でした。

ただ、コンソ内関係者からは当初『トレーラーハウスでは三菱地所のブランドイメージが損なわれないか』『シャビーな印象にならないか』『航空機の搭乗に必要な各機能や導線を確保できる空間を作れるか』という懸念の声もありましたが、YADOKARIの事例を紹介し、設計支援に三菱地所設計が入ることで、『そういうものにはならない』とお伝えし、納得していただいたうえで導入することになりました。」

ーーそうだったのですね、当初から何か具体的なビジョンのようなものがあったのでしょうか?

土山:
「制限エリアと非制限エリアの区分や動線計画など、航空分野ならではの要件を満たす必要がありました。そのうえで、未来の乗り物のターミナルにふさわしい洗練された見た目も大切にしたかった。既製品を組み合わせながらも、必要なデザイン性と機能性を両立できたと思っています。

実は御殿場でも一度デモフライトを行っており、その際にもトレーラーハウスを活用したターミナルを制作しました。その経験から、デザインに振り切りすぎると、実際の運用時に機能面で課題が生じる可能性があることも分かりました。

そこで今回は、プロジェクトの初期段階から三菱地所設計やYADOKARIと議論を重ね、どこまでがデザインとして成立するのか、どの機能を担保すべきかを整理しながらブラッシュアップしていきました。

※三菱地所株式会社と三菱地所・サイモン株式会社が2025年5月27日に竣工した「御殿場プレミアム・アウトレット バーティポート」内の旅客施設および運航管理施設として、YADOKARIのオリジナルトレーラーハウスをご活用いただきました。

ーーYADOKARIを選んでくださった理由を教えていただけますか?

土山:
「最初にYADOKARIを知ったきっかけは、丸の内でトレーラーハウスの展示会を見に行ったことでした。

その後、三菱地所設計のメンバーと共に候補と考えていた各社と打ち合わせをさせていただいた際に、YADOKARIの遠藤さんと話をさせていただいたのですが、そのときに他社と比べ、“こちらの意図がきちんと伝わっている”という感覚があったことが大きかったです。

僕たちがやりたいことを理解したうえで、どうしたらできるかというスタンスを前提に、『これはできる』『これは難しい』と率直に言ってもらえた。その意味で、YADOKARIは“ちゃんと理解してくれている”と感じました。」

YADOKARI 遠藤:
「1回目のプロジェクトのときは、私たちも初めての取り組みだったので、“期待にすべて応えなければ”という気持ちが強く、こちらからの提案が十分にできていなかった部分もありました。ただ、そのスタンスではお互いにとって良い結果にならないとも感じていて。

今回は特に、『誰も困らず使えること』を強く意識しました。現場で働くスタッフの方や、チェックイン体験をする方など、実際にこの空間を利用する人の目線を大切にしました。

設計者は空間の意図を理解しているため、自然と使えるように感じてしまいますが、初めて訪れた人でも“ここがどんな施設で、どんな流れで利用する場所なのか”がすぐに分かることが重要ですよね。例えば、臨時スタッフの方でも迷わず鍵を開けられるか、といった部分まで含めて重要な検討事項でした。

三菱地所さんや三菱地所設計さんと対話を重ねながら、前回の経験を活かして一緒に設計を進めることができましたよね。」

ーー実際に完成した空間を初めて見たとき、また実際に運用してみての印象はいかがでしたか?

土山:
「非常に良い仕上がりだと思っています。おしゃれですし、既製品を組み合わせながらも、こだわりたいデザインをうまく取り入れていただきました。大雨や強風でも問題なく使用できています。

航空分野では、守らなければならない動線や、安全確保のための侵入防止措置など、さまざまな条件があります。制限エリアと非制限エリアを明確に分ける必要もあります。

そうした航空法上の要件を満たしながら、三菱地所設計が求めるデザイン性、そして三菱地所として担保したいクオリティを確保する。その3つを成立させたターミナルが実現できたと思っており、お客様の反応も非常によく、とても満足しています。」

おわりに

今回の旅客ターミナルを見学して感じたのは、トレーラーハウスが短期的な住まいや、宿泊、出店などといった分野にとどまらず、新しいサービスやインフラの検証を支える、柔軟な空間の選択肢になっているということでした。

空飛ぶクルマの社会実装という大きな挑戦のなかで、機体だけでなく、チェックインや待合、保安検査といった地上での体験まで含めて具体的に立ち上げていく必要があります。そのとき、必要な機能を、必要な場所に、スピーディに立ち上げられるトレーラーハウスの価値はとても大きいのだと感じました。

今回は、可動性や柔軟性だけでなく、デザイン性や運用性まで含めてしっかり成立していたことも印象的でした。未来の移動を支える「空の玄関口」として、YADOKARIのトレーラーハウスが新しいモビリティ社会の実証の現場で活用されている。その場に立ち会えたことを、とても嬉しく感じた訪問となりました。

春の気配が近づき、新しい生活へと気持ちが動き出す3月。広々とした敷地や多様な人が行き交う町田山崎団地を舞台に、学びと余暇をテーマにした実証実験イベント「まちやま まるごと スコーレvol.6」が開催されました。

UR都市機構×YADOKARIが連携し、2024年夏より始動した「まちやま プロジェクト」は、多様なつながりの中で、これからの団地のありたい姿を描くことをコンセプトとした取り組みです。これまでに、地域の町内会、商店会、学校などと協力し、季節ごとのイベントやワークショップなどを開催してきました。

毎日の暮らしのなかでちょっと楽しい体験ができる、そんな「まちのにぎわい」を団地から広げていくことを目指しています。

今回のまちやままるごとスコーレは、防災イベント「DANCHI Caravan」との同日開催!ヨガやもみほぐし、手仕事のワークショップなどが開かれました。当日の様子についてレポートしていきます!

今回は「DANCHI Caravan」との同日開催!

今回は2015年から町田山崎団地にて行われている防災イベント、「DANCHI Caravan」と同日開催されました。毎年大盛況のイベントで、今年も多くの人々で賑わいました。

DANCHI Caravan とは?

2015年から町田山崎団地でスタートした、「防災」をメインテーマとした地域参加型のイベントです。”もしも”に備える知識や心構えについて、食べて・動いて・楽しく学ぶ機会を地元のみなさまと共創しています。

DANCHI Caravan公式HPよりhttps://danchicaravan.jimdosite.com/

山崎団地の広い屋外空間を活かせば「もしもの時の備えにつなげていけるのでは?」という発想から生まれた、防災について考えることのできるイベントです。いつもの広場がキャンプサイトに変身して、ワークショップや防災グッズ販売を通して楽しみながら学びを得られます。

暮らしの空間で毎年集まることで、地域に顔見知りが増えていくことも防災にとっては重要なポイントです。

今回で11周年を迎えたDANCHI Caravanについてもっと知りたい方は、ぜひアーカイブ記事も合わせてご覧ください。

【インタビュー】集うことが、強さになる。団地の防災イベント「DANCHI Caravan」に込めた思いとは | 良品計画 石川さん

ヨガやもみほぐしで、自分の状態に気がつく時間

今回のまちやままるごとスコーレは、「未来団地会議」のみなさんが”やってみたい”にトライする「チャレンジテント」が並びました!

未来団地会議とは?

団地に住んでいる方もそうでない方も、山崎団地を舞台に好きなことに挑戦できる機会としても、地域に開かれているまちやままるごとスコーレ。多くの方の”やってみたい”を実現し、まちのにぎわいを広げるために生まれたのが、「未来団地会議」というコミュニティです。イベントでの出店に向けたアイデアを共有しながら育てていく場として、2025年の夏からスタートしました。


前回好評だった、年齢も経験も関係なく楽しめるヨガ体験「DANCHI YOGA」が今回もやってきてくれました。笑顔を導く顔ヨガ、呼吸とからだを整えるやさしいヨガ、今のからだでできることを楽しむヨガ。今回は椅子に座ってできるヨガを軸に、三名のコーチが各々のテーマでレクチャーしてくれました。

椅子に座ったまま始められるので、家でも自分の状態に気づいてあげられるきっかけになります。

このDANCHI YOGAを企画した田村さんは、普段介護の仕事をされていて、自身もご家族の介護経験者です。当時ご自身が助けられたケアにまつわる本の展示や、彼女自身が作成したZINEの販売スペースとして「ケアの本棚」も用意されました。

DANCHI YOGAの田村さんは、「今回は地域での活動に興味がある知人も遊びにきてくれて、さらに今後の活動イメージが膨らみました。”なんとなく調子が悪い”など、気軽な相談ができる機会を地域に作れたらいいなと思っています。”ケアをする人のケア”は個人的にも大事なテーマで、これからも続けていきたいです。」と、今後の広がりについてお話してくれました。

もみほぐしで参加してくださったのは、鶴川を拠点とする「aroma & craft greeen」の伊藤さんです。家族みんなが受けられるケアとして、普段は子どもやペットに向けた施術もされています。

「身体が動かなくて遠出ができないという住民の方も、団地での出店なら歩いて行けるからと施術を受けにいらしてくれました。以前の出店に来てくださった方もいて、そういった再会は嬉しいですね。」と感想をお話してくれました。

ケアの入口となるテントを通して、自分の暮らしや身体の状態を見つめ直す時間がゆったりと流れていました。

ものづくりを入り口に、何気ない会話に花が咲く

今回はケアに触れられるエリアの他に、ものづくりを楽しめるテントが並びました。

今回初めての出店となる別生さんによる企画、「風船スライム」のワークショップは子どもたちに大人気!作り方はとってもシンプル、カラフルな風船の中に片栗粉を測って入れたら、手触りの楽しいおもちゃが完成です。

その場で簡単に遊べるゲームも用意され、子どもも大人も一緒に全力で遊ぶ姿が印象的でした。

初参加の別生さんは、「前回のまちやままるごとスコーレで参加したトークセッションがきっかけで、出店させていただきました。町田の地域で自分が関われることについて対話をして、子どもたちとおもちゃ作りやゲームを一緒にできたらいいな、とお話をしたんです。普段保育士をやっているので、その経験を活かしながら次回も親子で楽しめるような時間を作れたらと思います。」と笑顔でお話してくれました。

桜美林大学の学生が運営する「ぼくらのサークル」は、毛糸でつくるミニタペストリーのワークショップを用意してくれました。

編み物をしたことがなくても、台紙を使えば誰でもタペストリーをつくれます。作り始めるとスマホのことや考え事を一旦忘れて作業に集中できるので、ちょっとしたリフレッシュにも。

手を動かしながら、自然に会話が生まれます。

「ものづくりをしているとおしゃべりが弾むので楽しいですよね。次回は大学生の私たちだからこそできる企画を考えたいなと思っています!」と今後への意気込みを教えてくれました。

手芸カフェのみなさんは、それぞれが手作りしたグッズ販売と、手芸のワークショップを開いてくれました。

普段は商店街にある駄菓子屋さん「ぐりーんハウス」で開かれている手芸カフェ。各々が自由に好きなものを作りながら、分からないことはお互いに教え合います。

「もう少し暖かい時期になったら、ピクニックしながら外で手芸カフェを開きたいですね。今年は木々を飾るヤンボーミングを、もっと敷地を広げてできたらと思っています。」と今後の楽しみについてお話してくれました。

町田市役所のみなさんは、モノレールをつくるペーパークラフト体験を用意してくれました。2026年3月に改定される「町田市木曽山崎団地地区まちづくり構想」や、町田に開通予定であるモノレールについての説明も一緒に聞くことができます。

にぎやかな街の風景が描かれた絵は、桜美林大学の学生によって制作されたもの。モノレールが通った頃の木曽山崎団地がテーマになっていて、未来へのイメージが膨らみます。

日常の豊かさの、ヒントが見つかる一日に

いつもの場所で、ちょっと違った過ごし方をしてみると、思わぬ気づきや感情と出会えます。自分や他者にやさしい眼差しを持てたり、新しいことを学びたくなったり。少しの工夫で余白が生まれ、日常はもっと豊かになる。そんなことを感じた、7回目のまちやままるごとスコーレでした。

出店者のみなさんの中で芽生えた「次はこれをやってみたい」というアイデアもたくさんお聞きでき、今後もにぎわいが増していきそうな町田山崎団地。また次回お会いできる日まで、ぜひお楽しみに!

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日本でつくられるのは、機能性や繊細さを重んじた住まい。
ヨーロッパで暮らすなら、石や歴史とともにある重厚な住まいの中で。

こうして、住まいは特定の土地の気候や文化に根ざすものだった。しかしいま、その前提は静かに揺らぎはじめている。その動きを体現しているのが、タイの住宅ブランドMOOD Livingによる「HAKO」だ。

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HAKOは、日本語の「箱」を意味する名の通り、シンプルな直方体の構造をしている。外観だけを見れば、とてもミニマルで均質だ。

けれど一歩中に入ると、その印象は大きく変わる。

例えば、リビングと寝室の境界は固定されておらず、可動式の家具や間仕切りによって、その日の使い方に応じて空間の役割を変えることができる。日中は広々としたワンルームとして使い、夜には寝室を立ち上げる。そんな暮らし方も可能だ。

このプロジェクトの興味深さは、その思想と生産の関係にある。

設計の根底にあるのは、限られた空間を無駄なく使い、可変的に暮らすという日本的な住まいの感覚だ。一方で、それを実際の住まいとしてかたちにし、供給しているのはタイの企業である。

日本の空間思想が、別の土地で具体化され、世界へと広がっていく。その流れ自体が、いまの住まいのあり方を象徴しているようにも思える。

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さらに、HAKOは東南アジアの気候にも適応し、高温多湿な環境でも快適に暮らせるよう、外装や内装には高品質な合成素材が採用されている。

木のような温かみを持ちながらも、耐久性に優れ、日々の手入れの負担を抑える設計。自然環境と共存しながら、現代的な快適さも両立。プレハブ住宅ならではのスピード感や移動性に加え、思想と技術、そして地域性が交差することで、HAKOは単なる「簡易な住宅」を超えた存在となっている。

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どこでつくられ、どんな考えが込められているのか。
その背景までも含めて、場所にとらわれず、お気に入りの住まいを選べる時代へ。

住まいのつくり方や概念が変わることで、日本の風土を感じさせる空間が、遠く離れた土地でも立ち上がるようになっている。

その温度感や暮らし方を、まったく異なる国で体験することも、もはや特別なことではない。場所にとらわれない、新しい暮らしの多様性が、静かに広がりはじめている。

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「生きかたを、遊ぶまち」をコンセプトに掲げる、相鉄本線・星川駅〜天王町駅間の高架下施設「星天qlay(ホシテンクレイ)」では、2026年1月17日(土)、2026年初となる「星天qlayの日」を開催しました。

今回は、音楽ライブをはじめ、エアロビクスや楽器の体験会、リトミック、まち歩き、ワンちゃん向けの企画まで。このまちで暮らし、活動する人たちが、それぞれのかたちで場をひらき、訪れた人たちと時間を共有した1日。

まちの福があつまり、幸せな瞬間にあふれた当日の様子をレポートします!

■ Cゾーン(芝生広場)|星天音楽会

Cゾーンの芝生広場では親子で楽しめる星天音楽会を開催!この日は、エアロビクスやリトミックなど、保土ケ谷区内で親しまれている団体をはじめ、楽器演奏や演奏体験会など、さまざまな活動を行う方々が集い、会場をにぎやかに彩ってくれました。

⚫︎特定非営利活動法人FRIEND

最初のステージは、特定非営利活動法人FRIENDの本間さんによるエアロビクス。イベント開始前から、芝生広場にはお子さま連れの方やシニアの方など、幅広い世代の人たちが集まります。

ポップな音楽に合わせて、本間さんのガイドのもと、みんなでダンス!

「足をとめずに~!」という本間さんのエネルギッシュな声かけに応えるように、ステップを踏み、手足を大きく動かす参加者のみなさん。だんだんと表情もほぐれ、会場全体がひとつになっていくようでした。

30分間しっかり身体を動かしたあとは、お互いをねぎらうように拍手が起こり、芝生広場には気持ちのいい笑顔が広がっていました。

本間さん:「普段は保土ケ谷のスポーツセンターなどで活動していますが、屋外でやるのは今回が初めてでした。星天qlayができた当初から、この芝生広場でやってみたいと思っていたので、お声がけいただいたときは、夢が叶ったような気持ちでした。

昔、教室に通ってくれていた子が大きくなって会いに来てくれたり、久しぶりに参加してくれる方がいたり、通りすがりの方がふらっと加わってくれたり。車で様子を見に来て、そのまま立ち寄ってくれた方もいました。普段よりも気軽に立ち寄れる場所だからこそ、いろんな出会いがありましたね。これまでやってきたことが、今日形になったように思っています。」

⚫︎パンノウタ楽団

トリニダード・トバゴ発祥の「ドラム缶」から作られた、音階を持つアコースティック打楽器「スティールパン」。この日は、音域の異なる大小さまざまなスティールパンを使った演奏を披露してくださいました。

いくつもの音が重なり合う演奏は、明るく軽やかで、思わず身体を揺らしたくなります。楽しい音楽に引き寄せられるように、芝生広場へ、子どもたちが駆け寄ってくる姿も見られました。

音楽に合わせて身体を動かす楽団のみなさんの姿や、自然とこぼれる笑顔も印象的。会場全体が、まるでテーマパークのような、しあわせな空気に包まれていくようでした。

演奏のあとは、スティールパンの体験会も開催。たくさんの子どもたちが集まり、最後にはみんなできらきら星を演奏しました。

参加した子どもたちからは、「音がきれい!」「難しそうだったけど、思ったよりできた!」といった声も。親御さんと一緒に、初めてスティールパンに触れたこの時間は、きっと心に残る体験になったはずです。

パンノウタ楽団 スティールパン奏者 比嘉さん

「今日集まった楽団のメンバーは、生徒というより、趣味で楽しみながら続けている仲間たちです。今回は初めての会場だったので、選曲や曲順も普段とは少し変えてみました。お客さんの意外な反応もあって、新しいことに挑戦するいい機会になりました!」

●ママ音楽ユニット♪ショコラッティ♪

続いて登場したのは、子育て中のママを中心に、保土ケ谷区周辺で活動する音楽ボランティアグループ 「ショコラッティ」 のみなさん。今回は、ママ・パパ・お子さん合わせて9名で、にぎやかなステージを届けてくださいました。

演奏されたのは、お子さん向けの音楽から、しっとりとしたバラードまで。ピアノやギター、打楽器の音に、ママたちの素敵な歌声と元気なダンスが加わり、曲が変わるたびに会場の雰囲気もがらりと変わっていきます。

曲間のMCでは、子育て中のママやパパへ向けた、あたたかいメッセージも。ステージを見守るママ・パパたちの表情が、自然とほころんでいくのも印象的でした。

ステージ終盤に披露されたのは「ジャンボリミッキー」!ステージで踊るママたちにつられて、子どもたちも一緒にダンスし、大盛況でした。

ママ音楽ユニット♪ショコラッティ♪ さゆりさん

「いつも通りかかるこの広場で演奏できるのが本当にうれしくて、今日を楽しみにしていました。たくさんの方が足を止めて、ステージを楽しんでいただけてよかったです。

『こんなことをしてみたいな』と思い立ち、2人で始めた活動でしたが、応援してくれる方や仲間と出会い、これまでに約300公演を行うことができました。このまちは、たくさんの愛がある場所だと思っています。これからも、みなさんを笑顔にできるよう活動していきたいです。」

⚫︎ほしのこリトミック

さて最後は、会場の雰囲気ががらりと変わり、芝生広場が音楽ステージから子どもたちが主役のあそび場に。

0歳〜幼稚園年長さんまでを対象としたリトミック教室「ほしのこリトミック」さんによるリトミックがスタート!

動物になりきって大きく身体を動かしたり、飛行機に乗ったつもりで芝生を走り回ったりと、子どもたちも元気いっぱい。

ピアノ演奏や紙芝居などを取り入れながら、2人の先生がつくる世界感に、子供たちもぐっと引き込まれていました。

ほしのこリトミックさん

「リトミックを屋外で行うのは初めてだったので、少し不安もありましたが、子どもたちがノリノリで参加してくれて、ママさんたちもニコニコしながら、見守ってくださっていて、私たちもたくさん元気をもらいました。

すぐ近くに住んでいるのですが、こんなに素敵な広場があることを今回初めて知りました。これからもここで新しいことに挑戦できたらうれしいです。」

■ Cゾーン(芝生広場)|一箱古本市

「星天音楽会」のすぐそばでは、星天qlayでは初となる一箱古本市が開かれました。

出店したのは、星天qlayのシェアレジデンス「YADORESI」の住人をはじめ、住民とつながりのある大学生、Dゾーンの協働制作スタジオ『PILE』の会員さんなど、星天qlayにゆかりのある3組のみなさんです。

地域で顔なじみの関係でも、どんな本を読んでいるのかを知る機会は、意外と少ないもの。会場では、「こんな本がお好きなんですね!」「この本、面白いですよね」といった、あたたかなやりとりがあちこちで生まれます。

本をきっかけに会話が生まれ、人と人とが自然につながっていく。

芝生広場の一角には、そんな時間が流れていました。

■ Dゾーン(YADORESI)|OPEN DAY

Dゾーンのシェアレジデンス「YADORESI」では、住民たちの暮らしをのぞくことができる特別な一日、「OPEN DAY」を開催。

OPENDAYに合わせて行っている「リビングトーク」では、星川・天王町、横浜エリアなどで活動するゲストをお迎えし、リビングでのトークセッションや語らいを通して、地域の方々がゆるやかにつながる時間をつくっています。

今回はゲストに、モンテッソーリ教育をベースに、乳幼児の行動を“観る”まなざしを伝え続けている「ちいさいおへや」主宰・かないさやかさんをお迎えし、トークセッションを行いました。

リビングには、近隣にお住まいのお母さん・お父さん、そして4か月〜小学生の子どもたちが集まり、会場は大にぎわい。

一部エリアはお子さん向けのブースとなり、住民たちが子どもたちと交流し、様子を見守る中、親御さんたちはかないさんの言葉にじっくりと耳を傾けていました。

■ Eゾーン|WAN WAN FESTA(ワンワンフェスタ)

Eゾーンでは、音楽LIVEと、ワンちゃん向けのポップアップを楽しめるWAN WAN FESTA(ワンワンフェスタ)を開催しました。

当日はぽかぽかとした陽気に恵まれ、Eゾーンに並ぶ飲食店は、お昼どきからファミリーや友人同士など、ランチを愉しむ方で大盛況。

テラス席での飲食もここちよく、音楽LIVEを楽しみながらの食事やお酒、生演奏をBGMに、団らんの時間を過ごす、とっても贅沢な光景がありました。

出演してくださったのは、全5組。ゆったりとしたボサノバや、大人なバラード、懐かしい音楽など、様々なジャンルを演奏し、Eゾーンでの滞在の時間をアーティストさんのそれぞれの色で彩ってくださいました。

HALLELUJAHさん

「とても気持ちの良い場所で演奏ができ、メンバー全員また是非参加したいと思っています!」

村山 小百合さん

「11月の星天qlayフェスに続いて、2度目の出演でしたが、ソロでの参加は今回が初めて。緊張もありましたが、一度参加したステージということもあり、落ち着いた気持ちでのぞめました。天候にも恵まれ、音響もよく、気持ちよく演奏できました。」

RISACOさん

「これから子ども向けのコンテンツが増えたり、ニーズに合わせてエリアごとの楽しみ方が生まれたりしたら、さらに多くの方が自然と足を運びたくなる場所になるのではないかと想像しながらパフォーマンスしていました。まだまだ楽しいことができる可能性を秘めている場所ですよね。」

ずん🎶チャカさん

「地域の方など、声をかけていた方が、たくさん応援にきてくださって、うれしかったです。私たちと、見に来てくださった方が、みんなで協力しあって、ステージをつくることができたなあと思います。

いつもは、デイサービスでの演奏などが多く、うんと昔の曲を演奏することが多いのですが、今回は客層が違うこともあり、いつもと違う選曲にも挑戦できて、よかったです。」

そしてEゾーンには、人でも安心して食べることのできるドッグフード「One table」さんによる出店や、「嗅ぐ屋(ノーズ)」さんによる、ワンちゃんの嗅覚を使ったおやつ探しゲームの企画出展もありました。

お出かけやお散歩の途中など、ワンちゃん連れの方が多く行き交う星天qlay。「人でもおいしく食べられるドッグフードですよ!」という声かけに足を止め、試食を楽しむ来場者の姿も多く見られました。「お菓子みたい!」「おいしい!」などと、人でも犬でも安心して楽しめるドッグフードに、みなさん興味津々の様子。

星天qlayでは初めてとなるワンちゃん向け企画「WAN WAN FESTA」。音楽や食、遊びを通して、人とワンちゃんがともに過ごす時間を、多くの方に楽しんでいただく機会となりました。

■ B〜Eゾーン|生きかたを、遊ぶまち 星天のヒト・モノ・コトに触れる 星川・天王町さんぽ

11月の「星天qlayフェス」に引き続き、今回で2回目の開催となった人気企画、一般社団法人あるっこさんによる「星川・天王町さんぽ」。

今回は、星川・天王町エリアの歴史や、近年生まれた新しい地域の魅力など、“今と昔の両方を味わうこと”をテーマに、参加者は3つのチームに分かれてまち歩きを行いました。決められたエリアを歩きながら、星天qlayのお店の店長さんや、地域の方へのインタビューにも挑戦します。

約3時間のまち歩きのあとは、1時間の振り返りタイム。それぞれが散策中に印象に残った写真1枚とともに、そのとき感じたことや、聞いたエピソードを共有しました。

以下に、当日の参加者の声をご紹介します!

「ビジネスパークの上のビール坂には、昔この町の地ビールをつくるビール屋さんがあったそうです。EゾーンのTDM 1874 Breweryさんは、そんな歴史を知った上で、次は自分たちがまちに根付いたビール屋さんになりたいと考えていると知って、とても素敵だなと思いました。」

「このエリア全体として、コミュニティビルダーやテナント、YADORESIの住民たちが、自分たちだけでまちのために頑張るのではなく、地域の方々と、どう良い影響を与え合えるかを考えながら活動していることが伝わってきました。」

星川・天王町に昔から続く営みと、今まさに生まれつつある新しい動き。まちの人の声や暮らしに触れながら、そのつながりを感じ、楽しんでいただけた時間となったようです。

一般社団法人あるっこ 並木さん
「今回は、まちの方とコミュニケーションをとりながらまちを歩くスタイルに挑戦しました。インタビューに快く応じてもらえるのか、参加者のみなさんがこのまちに馴染んでいけるかなど、正直少し不安もありましたが、実際には、想像以上にまちの方が私たちに興味を持ってくださいました。

『なんだろう?』とみんなで何かを観察していると、通りがかった方が『それは〇〇だよ』と、さらっと声をかけて教えてくれるんです。

このまちには、“外の人・中の人”という垣根が低く、分け隔てなく接してくれる空気がある。そんな雰囲気を、参加者のみなさんも自然と感じ取っていたように思います。」

終わりに

2026年初の星天qlayの日は、子ども連れはもちろん、エアロビクスではシニアの方、音楽会では地域のママさんなど、お客さまとしても、出演者としても、これまで以上に幅広い方にご参加いただきました。

「いつかやってみたい」
「いつか行ってみたい」

そんな「いつか」が、「今年こそは!」に変わる1月。

まちの人が楽しそうに、いきいきと輝く姿を目にして、そっと背中を押された方も多かったのではないでしょうか。

みなさんの大切な一年のはじまりに、星天qlayで過ごした時間が、ほんの少しでも何かを添えられていたらうれしいです。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!
2026年も、ぜひ星天qlayにお越しください。お待ちしています!

取材・文:鈴木 佐榮

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オーストラリアのビルダー、Black Clayが手がけたタイニーハウス「Harper」は、いま世界で注目される“タイニーハウスの質的進化”をやさしく体現する一棟だ。

彼らが掲げるのは、「美しい環境の中で、人々が心から楽しめる、思慮深くデザインされたタイニーハウス」という理念。限られた面積の中に機能を詰め込むのではなく、風景や光、そこで過ごす時間そのものまでを含めて住まいを考える姿勢が、この家には息づいている。

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小さな家に込められた、大きな評価と誠実さ

Black Clayは、オーストラリアのタイニーハウス業界ではまだ新しい存在だが、その丁寧なものづくりは早くも評価を集めている。

2025年の「Tiny House Industry Australia」によるRising Star Awardの最終候補に選ばれたことも、その証のひとつ。

Harperは、全長8メートル、幅2.5メートル、居住面積約20㎡というコンパクトなサイズ感。それでも窮屈さを感じさせないのは、寸法以上に「どう暮らむか」が考え抜かれているからだろう。小ささは制限ではなく、選び抜かれた豊かさとして立ち上がっている。

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風景にひらく、軽やかな外観

Harperの外観は、ColorbondスチールとDecobattenアルミニウムを組み合わせた仕様。

木のような温もりを感じさせながらも、重量やメンテナンスの負担を抑えている。やわらかな曲線を描くフォルムと、大きく取られたガラス面が、家全体に軽やかさとモダンな表情を与えているのも印象的。

日光がガラス越しに差し込めば、室内の壁や床に、ライトや小物のやわらかな影が。

丸みを帯びた壁のそばにあたたかなランプを灯せば、夕暮れにはほっと息が抜けるような静けさに包まれる。

都市の片隅でも、自然の奥深くでも、そこに流れる時間までもやわらかく包み込み、住む人の呼吸にそっと寄り添っていく。

内と外が溶け合う、静かな居場所

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室内に足を踏み入れると、まず感じるのは、空間に満ちるやわらかな包容感。

緩やかにカーブした壁が視線と身体をやさしく受け止め、床から天井まで広がる大きな窓が、外の景色をそのまま暮らしの中へと引き込む。内と外を隔てる境界は、ここではほとんど意味を持たない。

自然のそばで暮らすというより、自然の一部として過ごす感覚に近いだろう。Harperは、タイニーハウスが「小さいから我慢する家」ではなく、「少ないからこそ、深く味わえる暮らし」であることを、そっと教えてくれる。

それは、四季の移ろいを愉しみながら、限られた空間を丁寧に使いこなしてきた日本人の営みとも、どこか重なる感覚だ。

via: blackclay.com

via: blackclay.com

via: blackclay.com

via;
https://www.blackclay.com.au/harper
https://www.autoevolution.com/news/this-stunning-single-story-tiny-home-is-the-definition-of-simple-sophistication-258252.html#agal_0

町田山崎団地を舞台に、団地に住まう人とまちの人とが入りまじり、団地ならではの豊かな暮らしや心地いい日常の景色を共に創り・発信していく取り組み、「まちやまプロジェクト」。

そのプロジェクトの一環として、団地や町田にまつわる取り組みをしている方のインタビューを発信しています。今回は、2025年にスタートした「未来団地会議」という、山崎団地のにぎわいを育てるコミュニティで活動中の3名にお話を伺いました。

「未来団地会議」とは?

UR都市機構とYADOKARIが手を取り合い、2024年の夏からスタートした「まちやまプロジェクト」。緑があふれ、遊歩道や公園が点在する、のびやかな暮らしの広がる町田山崎団地。この場所を舞台に、団地に暮らす人とまちの人、大人と子どもが一緒になって心地よい日常をつくり出していく取り組みです。

そして、このプロジェクトのビジョンを可視化し、実践していくためのイベントとして「まちやままるごとスコーレ」を開催してきました。忙しない日々の中で少し立ち止まり、人生の”学び”や”余暇”をテーマに、大人も子どもも入りまじりながら、団地でのこれからの過ごし方を実験していく場です。

団地に住んでいる方もそうでない方も、山崎団地を舞台に好きなことに挑戦できる機会としても、地域に開かれています。2024年の夏から回数を重ね、次回は6回目を迎えます。(2026年3月8日予定)

今後も多くの方の”やってみたい”を実現し、まちのにぎわいを広げるために生まれたのが、今回取り上げる「未来団地会議」というコミュニティです。出店に向けたアイデアを共有しながら育てていく場として、2025年の夏からスタートしました。

人の数だけ物語あり、それぞれの関心を持ち寄りトライする

ここからは、未来団地会議の参加者である八塚さん・田村さん・首藤さんに、まちやままるごとスコーレでの出店内容や企画の経緯、山崎団地の好きなところをお聞きしていきます。

同じ場所に集い活動をされているみなさんですが、これまでのバックグラウンドや関心領域は様々。八塚さんは暮らしに工夫をプラスできるDIY、田村さんはヨガをはじめ持ち帰れるセルフケア、首藤さんは世代や性別を越えて楽しめるアートのワークショップと、三者三様の分野で活動中です。

ーまずはみなさんの普段のご活動と、未来団地会議に参加されたきっかけを教えてください!

八塚さん:
普段は参加型のオフィス作りをしていて、社員さんと一緒に企画を考えながら空間づくりをするファシリテーターなどを担当しています。それ以外のお休みの日に、商店街で屋台作りをしたり、誰かの「こういうの作りたいんだよね」というアイデアをワークショップ化してみんなでDIYしたり、そういう”作る遊び”をしています。

元々は町田の賃貸マンションに住んでいるだけで、地域のつながりは全然ありませんでした。近所の知り合いは大家さんくらいだったんですけど、町田のシバヒロという場所で「一箱古本市(古本のフリーマーケット)」が開催されることを知って。本もあるし面白そうだから出店してみようと思って参加したのが、地域と関わるきっかけでした。

最初は古本だったのが、出店時に使っていた手作りの本棚に興味を持ってくれる人がいて、そこからちゃぶ台やベンチ作りなど一緒にものを作るようになったんです。そしたら、近所の山崎団地でも新しい取り組みが始まるということで参加しました。

田村さん:
私はずっと町田で暮らしていて、山崎団地は子ども時代の遊び場でした。

現在は、デイサービスと呼ばれる高齢者の通所介護を行う施設で勤務しています。

暮らしの中でサポートが必要な方と関わり、その方らしいペースを大切にしながら、日々現場で過ごしています。

また、長年母の介護もしてきて、それが一旦落ち着いた時に「私ってなんだろう、何ができるかな」って思ったんです。自分の専門性を考えた時に、身近な人の介護をしてきた当事者であること、そして仕事として介護に関わってきたこと。

その二つの目線を持っているからこそ、何かできるんじゃないかと感じています。

もともと、KAIGO LEADERS の「SPACE」という、介護に関心のある人たちが集まるオンラインコミュニティに参加していました。学び合い、助け合い、挑戦できる場所があり、つらい時には相談し、支え合える関係があったことで、家族介護を続ける中でも、自分自身が孤立せずに過ごせたのだと思います。そんな中で、セルフケアの大切さを強く感じるようになり、家族介護者の方に向けたお話の場に、参加する機会をいただきました。みなさんそれぞれに悩みを抱えていて、その気持ちもとてもよく分かるので、その時間が少しでも心が軽くなり、感じたことや知識を持ち帰ってもらえる場になればと思い仲間と参加しました。

自分の生活の土台が整って、やりたいことも見えてきたところで、ちょうど山崎団地の「まちやままるごとスコーレ」のお知らせが目に止まったので参加してみようと思いました。

首藤さん:
私は大学進学で上京して、キャンパスが近いという理由で山崎団地に暮らし始めました。高校生の時から美術作品を作っていて、展覧会などをつくる中でイベントの企画・運営する側にも興味が出ていたので、大学では教職と学芸員の授業を取っています。

教育の提示と受け取りっていうコミュニケーションが、すごく心地いいなって感じることが多かったんです。学芸員は社会教育の側面がありますし、学校教育に限らず学びを得られる場として、イベントや展覧会を企画・運営する過程に魅力を感じていました。

大学1年生の頃、綾野さん(町田山崎団地名店街 会長)のお店「もつ鍋処 さくら」でバイトしていて、ある時私が「イベントとかやりたいんですよ」ってポロっとこぼしたんです。そしたら綾野さんが「今週の土曜日に”冒険遊び場”があるから遊びにおいで」と誘ってくれて。冒険遊び場は毎月第四土曜日に開かれている、子どもや大人が集まって自由に遊ぶ会で、他にも防災イベントの「DANCHI CARAVAN」など、団地の様々な催しに行かせていただきました。そこからURやYADOKARIの方とお話するようになって、「まちやままるごとスコーレなら私もイベント企画ができる」と思って参加することになったんです。

ーお三方のお話だけでも、まちやまを舞台に色々な人が集まっているのだなと感じました。まちやままるごとスコーレでの出店の内容と、企画の背景を教えていただきたいです!

八塚さん:
やっぱり「みんなで何かを作る」ことをやりたいと思って。団地の中でやるイベントなので、せっかくなら暮らしの工夫にもつながって、一緒に作る体験ができるようなものがいいなと考えていました。なるべくハードルが上がらないように手軽にできて、通りすがりの人でも参加できるものとして、小さなちゃぶ台作りを思いついて。普段端材を活用することが多いのと、自分が作れるものや持っている工具が家具寄りなのでぴったりでしたね。

田村さん:
介護のオンラインコミュニティ内で行われている「自由研究」の中で、家族介護者向けのコミュニティについて学び合う機会がありました。そこで、シェアハウスのリビングみたいな感覚でいつでも相談ができて、ただそこに居るだけでもいいし離れてもいい、自由に出入りして尊重し合えるものがあったら気が楽だよねっていうアイデアが出て。

最初はオンラインで考えていたんですけど、やっぱりリアルでつながる場所も必要なんじゃないかって感じていて。未来団地会議で自分がやりたいこと、できることを話す時に「町のリビング」があったらいいなと思ったんです。

これまでセルフケアとしてヨガを取り入れてきて、人に伝えるための勉強もしていたので、まずは持ち帰れるセルフケアをテーマに、心地いい場作りから挑戦しました。

首藤さん:
イベントで出店するにあたって、まず大学生のグループが欲しいと思って、同じ専修の子たちとサークルを作りました。それぞれのやりたいことをやろうというコンセプトで、名前は「ぼくらのサークル」です。

出店内容をどうしようか考える時に、同じ大学の先輩が自治会事務所で子ども向けのお絵描き教室を開いていることを知ったんです。冒険遊び場などで子どもたちが団地に集まる様子を見ていたし、私も学芸員や教職で学んだことを活かせるのではと、そこからヒントを得ました。サークルのメンバーも同じアート系の専修なので、一緒に企画ができることとして、まずは子ども向けのアートワークショップを考えていきました。

一歩踏み出すと見えてくる、ワクワクする未来像

ー実際に出店してみていかがでしたか?また、今後やってみたいことについてもお聞きしたいです。

八塚さん:
前回の出店で保育園の男の子が作っているところに、通りがかりのおじいさんがつきっきりでコーチを始めるっていう場面があって。これまでは体験を提供する人と、受け取る人がその場にいる感じだったけど、第三の関わりが生まれたのは面白いと思って。

これだけ広い団地だから、色々な仕事をしてきた人がいるだろうし、実はちょっと知識があって教えられるとか、そういう人の出番にもなったら、それはそれで楽しいと思います。この地域にどんな人がいるのか、もっと掘りたいですよね。

初回から継続して参加をしていますが、出店をしているところに「作ったちゃぶ台こうやって使ってるよ」って報告をしてくれる人もいて。一回でさよならじゃない、関わりがつながっていくのは、団地の中でやっている面白さだと感じました。普段の買い物のルートの横でやっているので、おばあちゃんたちが色々話した挙句、作らないで帰るとか(笑)タクシーの運転手をやっている方が仕事の大変さを語るとか、そういうのもいい場面だなって思います。

今後やってみたいことは、団地の中にみんなでシェアできる作業スペースが欲しいなと考えています。体験でものづくりに興味を持った人や、近所で何か作りたい人が気軽に集まって使える場所。”みんなの図工室”を作りたいです!

田村さん:
出店してみて、人とのつながりが戻ってくる感覚がありました。やってみるから良かったらどう?と声をかけたら、何十年ぶりに会えた人とかもいて。きっかけがあるってすごく大事だし、思ったことを行動に移せる環境があるのは本当に大きなことだなっていうのを身をもって体験しました。

前回は広場でのヨガとセルフケアにまつわる本の展示をしましたが、社会とのつながりの側面も大きな視点として重要だと考えていて。こういった集まれるきっかけが緩やかに続いていくことで、孤独を防いでいけるかもしれないと思いました。

だから、これからも、セルフケアと、社会とのつながりをつくるケアの両方を大切にしていきたいと思っています。一度立ち寄って、またそれぞれの旅に戻っていくような、人生のトランジットスペースのような感じ。私がやっているヨガは椅子に座ってできるなど、性別や年齢も関係なく、どなたでも参加いただけるものです。みんなで呼吸をして、余白を作るきっかけができて、自分らしく好きなことに向かえる土台となるような場づくりを続けていきたいと思っています。

首藤さん:
子ども向けのワークショップをしようと方向性が決まった後に、子どもの発達段階に合わせた内容がいいかなと思いました。教職や学芸員の授業で学んだことや、メンバーの意見も合わせていって、まずは誰でも挑戦できるフィンガーペインティングをやってみることにしました。

「絵を描こう」と言われるより参加しやすいし、指で直接絵の具や紙に触れることで、より色々な感覚に意識が向きやすくなるそうです。当日は大きな模造紙にペイントするコーナーが大人気で、みんな大胆かつのびのびと好きな色をのせてくれました。

ただ、ワークショップで何をするのかは大袈裟に言うと何でも良くて、これをやることで人が集まれて、おしゃべりできるのがいいなと思いました。

前回は毛糸を使った簡単な編み物ワークショップをしましたが、その時はおばあちゃんたちも懐かしいと言って参加してくれたんです。少しずつ交われる世代が増えてきて、自分のできる範囲が広がっている感覚があります。次はおじいちゃんたちも参加してくれるもの、誰でも楽しめるようなものを企画したいです。

「あったらいいな」を受けとめてくれる場所

ー最後に、山崎団地やまちやままるごとスコーレの好きなところを教えてください!

八塚さん:
大学で建築の勉強をしていたので、団地といえば”建設当時の最先端”の住まいと認識していました。部屋の間取りから商店街などの機能まで、白紙から理想の暮らしを描いて計画的に作られたものですから。でも実際にはそう計画通りに上手くはいかないよねって斜めに捉えていた時期もありました。学生の頃は粗を探しちゃうというか。

でも、社会に出て色々な経験を重ねていく内に、作った人の意図を感じられるようになって、スコーレで久しぶりに団地に来た時に、一周回って「団地、超いいじゃん!』って思ったんです。無理してたくさん住棟を建てるのではなく、地形に合わせながら建物同士の距離をしっかり取っているから、日当たりは抜群。広場もたくさんあるし。70年代に描いていたキラキラな暮らしの要素が、今でもちゃんと生きているなって。

これはマンションに住んでいるだけでは分からなかったことで、スコーレのように団地に住むだけでなく、関われる余地、やってみる余白があるところも団地の面白さだと感じています。

田村さん:
人生の場面の切り抜きというか、そういう感覚が続いているんですよね。隣の木曽団地のお肉屋さんは、私がちっちゃい頃からあそこで焼き鳥を焼いていて、大人になってから夫と一緒に顔を出してみたりして。そういえば子どもの頃、駄菓子屋さんのぐりーんハウスでミサンガ作ったなとか。

それぞれの思い出がこの場所に積み重なっていると思います。伝統って、こうしてつながっていくのかなって。

だから、私みたいに距離や気持ちが離れていた人も、まちやままるごとスコーレが戻ってくるきっかけになるんじゃないかな。「いい場所にしよう」「こんなことやってみよう」という思いを受け止めてくれる環境があるから、私も戻ってこれたので。単純にこの団地や、集まる人の作る空気が好きですね。

首藤さん:
一人暮らしだけど寂しくないのは団地のおかげだと思っています。夕方に歩いていれば、誰かのお家の夜ご飯の匂いがするし、実家みたいな安心感があります。私が育ってきた環境からしても、都会より田舎の方が好きなんです。山崎団地は田舎まではいかずとも自然が豊かなので、散歩やランニングをしていると季節特有の匂いを感じられるところも好きです。

まちやままるごとスコーレで特に印象に残っているのが、6月のナイトシネマです。初夏の団地って、葉っぱも青空もすごく鮮やかなんですよね。その中で子どもたちの笑い声が聞こえて、夕焼けの中みんなで映画を見ている風景が心に残ってます。出店の準備で忙しくなる瞬間もありますが、ゆったりと過ごす団地での時間の中で、一生これをやっていたいなって思えるんです。

あと、スコーレっていう言葉も元々知っていて、いいなと思っていました。

八塚さん:
介護などのケアから、ものづくりやアートも全部暮らしにつなげていけるから、色々な人が絡む余地がありますよね。

田村さん:
色々な視点や価値観を持っている人たちが、この場所に集まって生きてるんだなって、今でも感じるし。なんか、団地ってすごくない?

一同:

まとめ

同じ場所で挑戦する同士である皆さん。終始、和気藹々とした雰囲気でお話が進んでいきました。お互いの「やってみたい」が出てくると、「それいいね!」とワクワクが広がっていく様子が印象的でした。一人ひとりの新たな一歩が、近くの人へ少しずつ伝播することで、町のにぎわいが広がっていくのだと実感できるような時間でした。

団地を舞台に、「やってみたい」を実験してみたい方、日常のにぎわいを一緒に作ってくれる方、いつでも町田山崎団地にてお待ちしてます!

町田山崎団地を舞台に、団地に住まう人とまちの人とが入りまじり、団地ならではの豊かな暮らしや心地いい日常の景色を共に創り・発信していく取り組み、「まちやまプロジェクト」。

そのプロジェクトの一環として、団地や町田にまつわる取り組みをしている方のインタビューを発信しています。

今回は2024年にスタートした、このまちやまプロジェクトの現在地について。2年間で改めて見えてきた町田山崎団地の魅力や、新たな可能性についてUR都市機構のみなさんと一緒にお話していきます。

団地から”まちのにぎわい”をつくる「まちやまプロジェクト」

「まちやまプロジェクト」はUR都市機構とYADOKARIが手を取り合い、2024年の夏からスタートしました。

緑があふれ、遊歩道や公園が点在する、のびやかな暮らしの広がる町田山崎団地。

この場所を舞台に、団地に暮らす人とまちの人、大人と子どもが一緒になって心地よい日常をつくり出していく取り組みです。

町内会や商店会、学校など地域のみなさまと力を合わせながら 「まちやままるごとスコーレ」をはじめ、季節ごとのイベントやワークショップなどを開催してきました。

毎日の暮らしのなかでちょっと楽しい体験ができる、そんな”まちのにぎわい”を団地から広げていくのが、このプロジェクトの目指すかたちです。 

団地のこれからの姿をみんなで想像しながら、様々な実験的な取り組みを通じて、“まちやま“の未来を育てています。

豊かな屋外空間が広がる、町田山崎団地の魅力について

今回はUR都市機構(以下、UR)から坂田辰男さん、三輪聡さん、佐藤圭太さん、花枝卓哉さんにご参加いただきました。YADOKARIからは木村勇樹さん、姜美宇さん、遠藤実咲さんが参加し、対談形式でまちやまプロジェクトの2年目を振り返りました。

ーまずはURのみなさんの簡単な自己紹介と、改めて町田山崎団地(UR)以下、山崎団地)に感じている魅力をお聞かせください!

写真左から:三輪聡さん、佐藤圭太さん、坂田辰男さん、花枝卓哉さん

三輪さん(UR):
町田エリアの6つの団地を担当しており、皆さんの力を借りながら「団地に関わる人たちとのパイプをいかに作るか」に主眼を置いて業務に取り組んでいます。

この団地は屋外空間が圧倒的に広く、自然も豊かな点が特徴です。先日初めて山崎団地にいらっしゃった方も、第一声が「屋外空間がすごい!」という感想でした。この環境の良さをどう伝えるかが重要だと思っています。

坂田さん(UR):
山崎団地とは、かれこれ10年前から関わりがあります。団地の中だけでなく、近隣の「薬師池公園」や、医療・介護・福祉施設が集積する「グランハート町田」など、昔よりも周辺地域の方々と連携して色々なことができるようになりました。

今後も新しい取り組みが生まれるであろう土壌が育っている点は、未来に向けた魅力でもありますよね。

佐藤さん(UR):
このプロジェクトには今年度から参加して、入居促進などを中心に担当しています。この特徴的な屋外環境やコミュニティ、様々な資源を活かして、団地をもっとよくしたいと考えながら仕事をしています。

山崎団地は設立から50年以上になりますが、当時から子育て世代が多かったそうです。そのため、団地の中に保育園と幼稚園だけでも5つの施設があるんです。団地敷地内は歩車分離されているので、車の心配をせず安心して遊べる点など、環境の良さが改めて評価されています。今でも町田市内の広い範囲から子どもが集まっていて、安全面もこの団地の強みです。

花枝さん(UR):
エリア計画課という部署で、多摩エリアの将来を構想しながら、入居促進や未来に向けた動きに取り組んでいます。

居住空間の中にのびのびと歩けて、ふと立ち止まれる場所があるのは、団地ならではの魅力だと思います。道すがらの樹木や公園、ベンチが点在するだけでも場所の使われ方が変わると感じていて。ただ通過するだけでは賑わいは生まれづらいので、人が自然と溜まれることが重要なのかなと。

ーYADOKARIの3名も自己紹介をお願いします!

写真左から:姜美宇さん、木村勇樹さん、遠藤実咲さん

姜さん(YADOKARI):
私は2年目からの参加だったので、最初は手探りの状態でご一緒させていただきました。ここに住んでいなくても「やってみたい」を持ち寄って、人が集まる受け皿があるのがすごくいいなと思っています。

木村さん(YADOKARI):
まちやまプロジェクトを担当して2年目になるのですが、その間に自分の息子ができて、改めて山崎団地の環境の良さを実感しています。来るたびにホッとしますし、息子と遊びに来たら楽しいだろうなっていつも思っています。

僕たちのような団地の外から来た人のことも受け入れていただき、空間や人の関係性にも「風通しの良さ」はずっと感じていて。本当に色々な物事が気持ちよく流れているので、そこに惹かれている人は多いと思います。

遠藤さん(YADOKARI):
私もまちやまを担当して2年目になりました。企画作りを中心に、地域プレーヤーの方の出店や、アーティストの方の出演をつなげる役割を担当しています。この連載インタビューに加え、今年度は「まちやま通信」という広報誌も制作して発信を行っています。

それぞれの「やってみたい」が集まって、日常のにぎわいが育つ場へ

ーまちやまプロジェクトの1年目と2年目で、どのような変化がありましたか?

遠藤さん(YADOKARI):
初年度は「まちやままるごとスコーレ」を大きく2回行いました。非日常感も出しつつ、しっかりと企画を組むイメージでした。

今年度はもっと日常に落としていきたかったので、大きなイベントを1回、コンパクトなイベントを3回行うスケジュールにしたんです。「チャレンジテント」という名前で、ワークショップや販売の出店など、やってみたいことに挑戦できる場を増やして公募しました。団地の外の方々が参加しやすい仕掛け作りをしたことは、違いとして大きいです。外から見た時に、団地との関わり方にグラデーションが出てきたかなと思います。

木村さん(YADOKARI):
やっぱり2年目の方が、山崎団地に関わる方々との関係性が色濃くなったと感じます。商店街のお店と協働してスタンプラリーを行ったり、その景品としてお店で使えるとして割引券を作ったり。コミュニケーションの取り方一つをとっても、お互いに理解が深まってきて、実現できることも広がってきたと思います。

坂田さん(UR):
団地に関わってくれる人が増えてきた実感はありますね。このプロジェクトを始めなければ関わりが持てなかったであろう方々も、イベントに参加してくれたり、遊びにきてくれたり、単年度じゃなく継続していくことで見えてきた兆しがあると思います。

まちやまプロジェクトの目標は集客数よりも、山崎団地という大きなステージをいかに使ってもらうかに主軸を置いています。今は年に数回のイベントですが、色々な取り組みが日常的に行われるようになったらいいですよね。昔はあちこちのプレイロット*でお母さんたちが集まっていたように、自然と人が集まれる機会を可視化していきたいです。
プレイロット=団地の敷地内に設けられた子ども向けの遊び場

姜さん(YADOKARI):
今年度から「未来団地会議」という、団地で挑戦したいことを持つ方々が集まって、アイデアの共有や実際の出店につなげていくコミュニティができたのですが、その参加者のみなさんも同じご意見でした。

サーカスのように色々な人が関わって楽しくいられる雰囲気がすごく好きで、これからもイベントが続いてほしいとお話をしてくださって。それぞれで関心のある分野は違っていても、同じ場所に集まる仲間のような感覚が生まれているのがすごくいいなと思います。

花枝さん(UR):
日常をテーマに置いていたので、広場で映画を鑑賞する「ナイトシネマ」のイベントでは、芝生に座れるスペースと、少し離れたところに休憩スペースを設けて、通りがかりでも足を止めやすい工夫をしたのは大きな違いですね。色々な距離感でその場にいられる形に近づけたのかなと。

遠藤さん(YADOKARI):
「次はどんなことをするのー?」と気にかけてくれる近所の子がいたり、「高齢で遠出が難しいから、団地の中で映画や音楽に触れられることが嬉しい」と涙ながらに伝えてくださる方がいらっしゃったり。イベントを楽しみにしてくださっている声を聞けたことも印象的でした。

広い敷地に眠る可能性を、もっと集めていけるように

ー今後のまちやまプロジェクトで実現させたいことや、描いていきたい未来についてお聞かせください!

三輪さん(UR):
11月のまちやままるごとスコーレで設置していただいたヤーンボミング*、通りがかりで見る度にいいなって思うんですけど。最初にアイデアを聞いた時は、管理する立場からすると難しそうだなと考えていたのが正直なところです。でも、実際にやってみると他の団地でもやってみたいと思うほど素敵でした。

せっかく団地で何かやりたいと思っている人がいても、建物を管理する我々が積極的に関わっていかないと、実現までたどり着けないことも多いです。だからこそ、様々な意見を吸い上げて、ここにいる人たちが描く将来像へ近づけていく役割を担っていきたいですね。

※ヤーンボミング=街路樹やベンチなどまちの公共物を、カラフルに編まれた毛糸で包むストリートアートが11月のまちやままるごとスコーレにて行われました

坂田さん(UR):
農のある暮らしを作る「エディブルまちやまガーデン」をスタートできたり、「未来団地会議」のように参加者が主体になってやりたいことに挑戦できる場所を作れたり、URだけではできなかったことをこの2年間で実現できたと思っています。今はまだ種が芽生えた段階なので、この風景が日常になるように育てていけるといいのかなと。

また、将来的に活動が定着していくためには、経済の循環も必要になってくると思います。我々の利益を上げるということではなく、ここに関わる人たちが豊かになる状態を目指さなければ回らなくなってしまうので。お互いがwin-winになるような、小さな循環を作っていけることが最終的な理想ですね。

花枝さん(UR):
ここに関わる人たち同士で価値の交換が回っていけば、みんなでまちやまを作っている感覚を持てますし、新しいことに挑戦するハードルも下がると思います。そこから我々だけでは想像できないような取り組みがたくさん生まれていくことに期待していますね。

佐藤さん(UR):
これだけ広い団地なので、どこで何が起きているのか伝わりづらい部分があると感じています。
「エディブルまちやまガーデン」も位置としては団地の端の方なので、畑づくりに関心のある方は多いはずですが、まだあまり気づかれていないと思うんです。

商店街にある国産ビール専門店「Danch! Brew Works」店主のサカモトさんが、団地内のクラインガルデンにてホップ作りを始めたというお話も聞きました。夏には手持ち花火をする会を企画してくださって、日常の中で小さな変化も起こっています。

我々が出会えていないプレイヤーの方や取り組みもまだまだたくさんあると思いますし、そういったことを拾っていけたら面白いですよね。

花枝さん(UR):
この団地に関わった人が、いい思い出としてちゃんと記憶に残る場所にしていけたら。離れた後も故郷のように思い出せて、イベントや集まれる機会が続いていれば戻ってこれるようにできるといいですよね。

坂田さん(UR):
たしかに、賃貸住宅は退去したら戻ってこれる場所がないっていう点が、少し寂しくも感じます。住んでいなくても顔を出せる、サードプレイスのような関わり方を作れたら、世代を超えた長期的なつながりが生まれるかもしれないですね。

三輪さん(UR):
東京都だけど里山みたいな暮らしができる、”とかいなか”としての魅力も高めていきたいです。”まちやま”と平仮名表記を選んだのも、町と山の両方の魅力を持つ場所の愛称としてぴったりだと思っています。近くの小野路町にも竹林があって、小野路竹倶楽部という竹を使って様々なものづくりをしているコミュニティがあります。そういった方々ともお話しながら、里山の活動も増やせたらと想像しているところです。

遠藤さん(YADOKARI):
このエリアにいる方々って、この場所をあえて選んでいると思うんです。駅から離れているので、利便性や効率を優先させたらここは選ばないかなって。だから、住んでいる方やお店を開いている方など、そのこだわりをもっとお聞きしていきたいです。

また、近くの山崎高校では定期的に地域の大人が集まる機会が設けられているのですが、各々で育まれている思想や多様性も大事にしていけたら、さらに豊かな場所になるんじゃないかと思っています。

この2年の間にも、新しい取り組みがどんどん動き出している町田山崎団地。最大の特徴とも言える広大で自然豊かな屋外環境に、まだ見ぬ可能性がたくさん眠っています。このエリアの今後がさらに楽しみになるような対談でした。お近くの方もそうでない方も、何かピンときた方は、ぜひ一度まちやまの空気を感じに遊びにいらしてください。

2025年12月20日(土)、町田市の鶴川団地にて「空き地に集まる、団地暮らしの”あったらいいな”」をテーマに開催している、鶴川ダンチホリデイvol.5が行われました。

鶴川団地の広い敷地を、どうしたら楽しく活用できるのか?空き地となっている場所に「鶴川なかにわBASE」という名前をつけて、マルシェやワークショップなど地域の人と人を繋げるイベントを実験的に開催しています。

5回目となる今回は、前回好評だった「たのしくそなえる、防災デイキャンプ」がパワーアップして帰ってきました!

防災にまつわるワークショップや紙芝居に加え、自分のテントを張ってキャンプ気分を味わえるエリアや、ダンボールで作る秘密基地ゾーンも出現!生きる学びが盛りだくさんの、鶴川ダンチホリデイvol.5の様子をお伝えしていきます。

キャンプで遊んだ経験が、非常時にも生きてくる

今回は、鶴川ダンチホリデイの会場となる「なかにわBASE」の半分が、その日限りのキャンプ場に大変身!テントなどの道具を持ち込んで、区画内でデイキャンプを楽しむことができます。

キャンプや防災のノウハウや、初心者の方も質問ができるように、町田市防災アンバサダーのコウダミキさんがアドバイザーを担当してくれました。コウダさんは防災士のかたわら、キャンプ歴15年以上、年間50泊以上のキャンパーとしても活躍されています。

「道具は揃えたんですけど、まだ上手く使いこなせていないので、こういう機会に学べたらいいなと思って参加しました。」とお話をしてくれたのは、お子さまを連れてデイキャンプに遊びに来てくれたお父さん。

それぞれの知識に合わせ、学びを共有できる機会となりました。

【キャンプと防災① 火おこしワークショップ】

今回キャンプエリアでは、キャンプと防災に役立つワークショップが開催されました!

一つ目は、焚き火の火を起こす体験です。焚き火は火を安定させるまでが難しいイメージがありますが、コツや原理が分かれば誰でもマスターできます。非常時にはガスや電気が止まってしまう場合もあるので、火の知識が少しでもあると安心ですよね。

コウダさんのレクチャーのもと、基本的な火の起こし方を学んでいきます。

まずは着火剤やその代用となるものを、焚き火台にセットします。今回使用したのは牛乳パック!内側に塗られたパラフィンがいい仕事をしてくれます。外で調達する場合は、松ぼっくりや杉の葉が燃えやすいそうです。

牛乳パックを小さく丸めて、焚き火台にセットします。

次に、薪の準備です。ここでのポイントは木の種類!まずは燃えやすい針葉樹から火をつけていき、安定してきたところで燃焼がゆっくりな広葉樹に移すと上手に焚き火ができます。

使いやすいサイズにするために、みんなで薪割りをしていきます。果敢に挑戦して上達していく子どもたちの姿がたくましいです。

着火剤の牛乳パックの上に針葉樹の薪を組み、火を着けたら様子を見ながら薪をくべていきます。

「トングってけっこう重たいね」
「こっち側に立つと燃えちゃう!」

新しい発見の言葉が行き交い、火の扱い方や気をつけるべきことが自然と身についていくワークショップでした。

【キャンプと防災② もしもの時のおやつ作りワークショップ】

ワークショップ二つ目は、”防災おやつ”作りです!最小限の材料で、おいしい蒸しパンを作っていきます。

なぜ防災でおやつ作りをするのか。食糧不足時のエネルギー補給としての役割もありますが、災害時の「心を落ち着かせる時間」を作り出せることは、気持ちを保つためにも重要です。

不安を和らげる”心の防災食”として、キャンプでも役立つ「おいしい備え」を体験していきます!

今回使った材料はこちら。ホットケーキミックスは小麦粉や米粉などでも代用できます。

「おいし〜!!」と目を輝かせながら、出来上がった蒸しパンをみんなで頬張ります。

もちろん、災害時に使える材料は限られていますが、息抜きの大切さを知っているだけでも、きっと”もしもの時”の心の支えにつながります。

紙芝居にダンボール秘密基地づくり、たのしくそなえる工夫がたくさん!

キャンプエリア以外でも、防災を学べる企画が用意されました。キーワードは「たのしくそなえる」こと!

【防災にまつわる紙芝居】

鶴川団地で活動するコミュニティビルダーの二人による紙芝居。防災と関連するお話を読み聞かせてくれました。

紙芝居が始まると、興味津々で集まる子どもたち。集中してお話を聞いている様子が、背中からも伝わってきます。

【どうする??防災クイズ】

災害が起きた時、取るべき行動を2択クイズに!“こんな時、どうする?!”という、実際の場面を想像しながら答えを出していきます。

正解すると「イェーイ!」とみんなで喜ぶ様子に、観戦する大人たちの顔もほころびます。

参加者の方々には、非常食として「アルファ化米」がプレゼントされました。アルファ化米は、一度炊いたお米を乾燥させたもので、水やお湯を入れるだけでふっくらご飯が食べられます。

非常食も一度食べてみて、自分の好みの味や、実際に使う時の調理方法などを知っておくことが大切。「どのくらいストックしておくべきか?」「弱っている時に食べられるか」という想像にも発展していきます。

【ダンボールで秘密基地づくり】

今回特に盛り上がりを見せたのが、ダンボールや廃材を使った秘密基地づくり!

避難所での生活では、どうしても人との距離を取りづらく、精神的な負担がかかりやすいです。自分のパーソナルエリアを楽しく作れたら、少し心が軽くなるのでは…そんな想いも込めて企画されました。

みんなで協力して、仕切りや屋根を作っていきます。

子どもと一緒に夢中になっている大人の姿もちらほら。それぞれのこだわりが詰まった秘密基地が次々と誕生し、なんだかお祭りようです。

【いざとなった時の「どうぐ」体験会 】

非常時にどんな防災どうぐがあるといいのか、実際の使い方を体験できるワークショップも用意されました。

非常用トイレのセットや、雨水などを濾過できる道具、エアーマットなどが並びました。

意外と知られていなかったのは、アルミシートの保温力の高さ。冬本番の気温でしたが、エアーマットの上で寝転んでみたところ、アルミシートの有無で体温の奪われ方が全然違います。1.2時間くらいはそのまま寝ていても耐えられそうでした。

定番グッズも実際に使用してみると、活躍シーンがより具体的に浮かぶようになります。

【防災バンダナをつくろう!】

町田市防災アンバサダーの三木佳代さんによる、「防災バンダナ」を作るワークショップも用意されました。

「防災バンダナ」は避難所生活や、迷子対策に使われることの多いアイテムです。名前やアレルギーなどの医療情報、緊急連絡先などを記載して、避難バックへ入れておけば、代わりに必要な情報を相手へ伝えることができます。幼い子や、非常時に話すことが難しい場合などに役立ちます。

また、好きな絵や色が散りばめられたバンダナは、気持ちが落ち込みそうな時のお守りになります。

【町田の起震車「ぐらり号」がやってくる!】

今回も町田の起震車「ぐらり号」が出動してくれました。最大で震度7の揺れを体験をしながら、地震が起きた瞬間にとるべき行動を学ぶことができます。

大きな揺れを初めて体験する子も多く、驚いた表情の子や笑っている子など反応は様々。怖がって乗らずに見学する子もいましたが、親子で話して考えるきっかけになれば100点です。

アイテムから知る、日頃の備え!マーケットエリア

日頃から暮らしに取り入れられるもの、いざという時に便利なものと出会えるマーケットエリアも登場しました。

“自助共助アイテム”を紹介しているのは「YouYouLiving」。前回の鶴川ダンチホリデイvol.4にて、能登の復興状況や活動についてお話してくださった丹羽昭尋さんが運営されているショップです。

こちらの物販の売り上げも、能登の復興支援金として活用されます。

災害時に気持ちがふさいでしまう時に、少しでも元気が出るようにとカラフルなもの、デザインが素敵なものを中心にセレクトされています。

能登支援のために作られたステンレスの真空二重タンブラーは、冷たいものや温かいものの温度を保ってくれます。普段使いにも、アウトドアでも重宝するアイテムです。

他にもベトナムの女性や障害者施設の職業支援と、サッカーチームのグッズを結び合わせた商品も。お気に入りを見つけつつ、誰かのサポートにつながるアイテムが様々に並んでいました。アイテム一つ一つから、様々な学びが得られるショップです。

環境と人に優しい”エシカルアイテム”との出会いの場となったのは「HONOTOKIKIブースです。みつろうラップや竹歯ブラシなど、自然素材で環境に優しい日用品がずらり。実用性やデザイン面にもこだわったセレクトで、暮らしへの取り入れやすさを大切にされています。

店主の小林貴子さんがお店を始めた背景には、コロナ禍での内面と向き合う時間や、居住されていた熊本での度重なる水害などがありました。環境問題や自分たちの暮らし方の影響について振り返り、「まずは家で始められることから」と環境にいい日用品を調べていったそうです。

「こういうものって完璧主義になりがちですが、できる範囲でいいんです。私も体調が悪い時は便利なものに頼っています。」と小林さん。

エシカルなものに関心はありつつ、”高くて続けるのが難しそう”というイメージがありましたが、小林さんのやわらかな言葉で身近に感じることができます。

ちょうど歯ブラシが広がってきていたことを思い出し、私も竹歯ブラシを使ってみることにしました!

後日実際に自宅で使ってみると、木のヘッドが口内に優しく、一方でしっかり磨けて感動。レギュラーで使うことになりそうです。

防災グッズも同様に、いつも使っている物の代用から少しずつ取り入れると、負荷なく試していけますね。

また、マーケットエリアにはこだわりのフードやスイーツを提供してくれる、3台のキッチンカーも登場!学びの合間にホッと一息、休憩できるスペースも設けられました。

▶︎POR-BONM

オリジナルの浸し液を使用した創作フレンチトースト!しっとりもちもち食感で、満足感たっぷりスイーツです。

▶︎空とぶからあげ

塩ダレ秘伝みそにしっかりと漬け込まれたからあげ。熱々でジューシーな唐揚げをほおばると幸せな気持ちになります…。

▶︎Farmars’ Kitchen .D.

農家直送の野菜やお肉を使ったフードやデザートは、ソースも全て手作り!旬の果物を使用したジェラートも大人気でした。 

終わりに

最後は段ボールの秘密基地を、「よーい、ドン!」で片付け大会!どんどん段ボールを運んでくれた子どもたちのおかげで、あっという間に片付いてしました。

今回も各々が楽しみながら、防災の知識を持ち帰ることのできる1日となりました。ここで学んだ備えが、もしもの時のお守りになりますように。また次回も、この場所で再会できることを心待ちにしています!

例年多くの人でにぎわう「鶴川団地 秋祭り」の開催地であり、地域住民の方々の暮らしに寄り添うお店が集まる「鶴川団地センター名店街」。誕生から60年を迎えようとしているこの商店街は、地域の交流拠点として愛されてきました。

その文化をつないでいきたいという思いで始まったイベント、鶴川ラクガキオンガク祭vol.6が2025年12月13日(土)に開催されました。

鶴川ラクガキオンガク祭は、音楽とアートを通して、様々な世代が集まれるイベント。お買い物ついでに立ち寄る方、一日たっぷり楽しまれる方など、商店街ならではのボーダーレスな雰囲気が魅力です。

鶴川に所縁のあるアーティストの音楽ライブや読み聞かせ、アートのワークショップに加え、今回は本や物語と出会える新しい企画も。

団地の広場がカラフルな音や色で彩られる、鶴川ラクガキオンガク祭の様子をお伝えしていきます!

今日だけはラクガキし放題!団地の広場が自由帳に

ラクガキオンガク祭の名物の一つが、「ひろばにラクガキエリアですこの日だけは特別に、広場の地面にチョークで落書きし放題!迷いなく絵を描き始める子どもたちのそばで、ひざを汚しながら絵を描く大人たちの姿も。

1日を通して、足元がカラフルに彩られていく様子を楽しめます。

クリスマスが近づいていたので、ツリーもたくさん飾られました。

そして今回も、アートにまつわるワークショップを受けることができました。テーマはクリスマスカードづくり!オリジナルのハンコを作って、世界に一つだけのカードに仕上げていきます。

担当してくださったのは、作家の鈴木晴絵さん。版画やドローイング、コラージュ・植物やコットンを素材にした紙すきなどの様々な手法を用いて創作活動をされています。

ワークショップは終日たくさんの子どもたちで賑わいました。サンタさんを描く子もいれば、サッカーチーム・FC町田ゼルビアのマークを描く町田っ子も。

グッと集中して、それぞれのこだわりをカードに表現していきます。

アート以外にも、音楽教室「和音の木」による駄菓子屋さん、鶴川中央公園冒険あそび場『つるぼう』によるポップコーンやお菓子釣りを楽しめるコーナーも。

そして、ラクガキオンガク祭の定番フードとなっている”団地ウィッチ”。センター名店街の「ベーカリーフジヤ」のパン&「佐藤商店」のお惣菜のコラボレーションから生まれた、この場所でしか味わえないグルメです。

つるかわ図書コミュニティ施設「つるぼん」にて、お話と出会う

今回は新しい取り組みとして、2025年春にセンター名店街にオープンした「つるかわ図書コミュニティ施設 つるぼん」ともコラボレーションが実現!本やお話に出会える企画が登場しました。

「つるぼん」はセンター名店街内にあった町田市立鶴川図書館を引き継ぎ、”図書コミュニティ施設”として運営を再開した場所です。

旧図書館で利用の多かった本を厳選した約1万3000冊の蔵書に加えて、新たな視点での選書や空間づくり、本にまつわるイベントも積極的に開催しています。

▶︎本棚の案内サインには「まずははじめの一歩から」「お金はたいせつ」など、親近感の湧くワードが並びます。目的が決まっていなくても、本棚とおしゃべりしているような感覚で、手に取りたい一冊が見つかりそう。

元々鶴川団地周辺は、地域の人たちと本との出会いの場を提供する、”文庫活動”が根付いている土地なのだそう。この日も定期開催されている「おはなしに出会う会」に子どもたちが集まり、つるぼんを通じて、地域文化が受け継がれている様子も印象的でした。

つるぼんの入口前では、この日限定で”一箱古本市”がオープン!つるぼん館長の金城さん、「朝田文庫」、「七生Books」の3店舗による古本の出店がされました。※朝田文庫は午前中のみの出店

「七生Books」では、島や山を旅するのが大好きなご主人が集めた”旅本”がずらりと並びます。写真集や旅行記、民話の本など、ご主人のマニアっぷりが伝わる選書が評判でした。

物語の世界を楽しむパフォーマンス&音楽ライブで寒さも吹き飛ぶ!

音楽ライブや紙芝居など、パフォーマンスで会場を彩ってくれたアーティストは、過去最多の8組!

最初に登場したのは、センター名店街の音楽教室「和音の木」にて結成された、おやじバンドです。一曲目からパワー全開な演奏で、会場のテンションは一気に上がっていきます!

次に登場してくれたのは、シンガーソングライターのNamicoさんです。力強さと優しさが混ざり合う歌声に、会場全体が暖かい空気に包まれていきます。

3組目は「まちだ語り手の会」の増田佳恵さんによる”語り”の時間。日本や世界各国で伝承されてきたお話の世界を、肉声で届ける活動をされています。 

この日の演目は『牛方とやまんば(日本の昔話より)』と、『かしこいグレーテル(グリム童話より)』の二本立て。

気がつけば物語の世界に引き込まれていて、ドキドキしたり、クスッと笑いが溢れたり。声の表情によって、お話の世界が鮮やかに目の前に広がっていく感覚は、不思議で面白い体験でした。

4組目に登場したHAMは、東京・神奈川を中心に活動中のアイルランド伝統音楽ユニットです。どこか懐かしいメロディと心が踊るリズムに、自然と身体が動きます。

会場に用意されたタンバリンやトライアングルで、お客さんも一緒に演奏を楽しむ場面も!心がほぐれていく演奏会でした。

5組目はコミュニティビルダーの鈴木さんと石橋さんによる、紙芝居の読み聞かせです。今回はクリスマスにちなんだお話を、二本立てで用意してくれました。

駆け回って遊んでいた子たちも、導入の手遊びが始まると二人の周りに集まってきます。二人の臨場感あふれる読み聞かせに、子どもたちも釘付けの様子です。

紙芝居が終わると、今度はお囃子が聞こえてきます。獅子舞と共に登場したのは、6組目の町田出港バンドです。

子どもたちも、おそるおそる頭を差し出して獅子に邪気を食べてもらいます。

町田愛に溢れるメンバーによる”お祭り系バンド”は、血湧き肉躍る演奏で会場を踊らせてくれました。

ライブもいよいよ終盤、7組目はセンター名店街の音楽教室「和音の木」にて結成されたガールズバンドです。

「和音の木」は年齢や経験不問、誰でもウェルカムな音楽教室で、現在は2歳〜82歳の方が通っており、自分のペースで音楽を始めることができます。

今回のガールズバンドも各々のペースで練習を重ね、全員が揃ったのはこの日が初めてだったそうです!しっかりと息の合った演奏と、楽しんでやり切る姿にパワーをいただきました。

最後に登場したのは、第1回目のラクガキオンガク祭から出演してくれているハ〜モニ〜ズです。

クリスマスソングやディズニーソングなど、ホリデー気分をばっちり盛り上げてくれます。大人の魅力たっぷりな演奏を広場で聴けるなんて、贅沢な時間です。

フィナーレにはNamicoさんも再び登場!鶴川で出会ったアーティストたちによる、スペシャルステージとなりました。

暮らしのそばで人と人がつながる場所が、この先も続いていきますように。そんなことを思いながら、2025年最後のラクガキオンガク祭の幕は閉じました。

終わりに

アートと音楽、そして本の企画も加わり、さらにパワーアップした6回目の鶴川ラクガキオンガク祭!今回のイベントを通して、この土地で大切に守られてきた文化や、新たに紡がれている人のつながりを感じることができました。

この場所で、またみなさんと会える日を楽しみにしています!

町田山崎団地を舞台に、団地に住まう人とまちの人とが入り混じり、団地ならではの豊かな暮らしや心地いい日常の景色を共に創り・発信していく取り組み、「まちやまプロジェクト」。

そのプロジェクトの一環として、団地や町田にまつわる取り組みをしている方のインタビューを発信していきます。

7回目となる今回のテーマは、団地でつくる「みのり“農”のある暮らし」について。

働き手不足や気候変動など、様々な課題を抱える日本の農業。一方で、近年は個人で野菜を作ることへの関心も高まっています。地域農園、ひいては団地の中にある農場は、私たちの暮らしの中でどのような役割を果たすのでしょうか?

今回お話を伺うのは、町田山崎団地の新たな農空間「エディブルまちやまガーデン」の発起人であり、世話人を務める森田亜貴(もりたあき)さん。”サステイナー”として活動する彼女に、暮らしと自然の営みに寄り添った農についてお聞きしました。

生活と自然の営みに寄り添う農で、食について考える

ー森田さんは貸し農園など、家庭菜園におけるアドバイザーとしてご活躍されています。活動の中で大切にしていることは何ですか?

一般的な家庭菜園の指南書は、近代農業技術をベースにしているので、ある程度以上の品質と収量を得るための方法が書かれています。ただ、家庭菜園では売り物を作るわけではないので、農家と同じレベルを目指す必要はありません。自分や家族がおいしいと思えるものを作れたらいいので。

家庭料理とレストランの料理が違うように、家庭菜園と農家の栽培は違っていいんです。そう考えた時に、害虫や雑草を含む、様々な生物が共存するような、自然の営みに寄り添う農を伝えていきたいと思いました。

ー”サステイナー”というオリジナルの肩書きには、どのような思いが込められているのでしょうか?

循環と多様性が生まれて、未来につながることが私の農の目指すところであり、それが私の思うサステナブルです。一般的な農家のやり方は、畑の外から肥料を持ちこんで投入し、収穫物を持ち出しては、また肥料を投入するサイクルで収量を保ちます。

一方で、家庭菜園では台所で出た野菜くずを土に還すなど、自分の生活の中で循環を作れます。暮らしの一部に農があることで、生活圏内に循環と多様性が生まれるのです。

「自分の口に入る食べ物を、少しでもいいから自分で作る暮らし」に対する思いも、常に活動の根底にあります。現代の生活は、”生産者”と”消費者”で線引きされていて、消費者は食の安全を生産者に委ねる形になっています。

そういう中でも、自分が食べる物をほんの少しでもいいから自分の手で作ってみる。そこから、「食べるとはどういうことなのか」、「食の安全とはなにか」、食について考える糸口が掴めると思うのです。

都心部だと難しいですが、町田周辺はやろうと思えば叶う環境です。やってみようって人を少しずつ増やせたらと思っています。

ーたしかに、自分の食べる物に対して意識を向ける瞬間って、あまりない気がします。現在のご活動はいつから始められたのですか?

民間企業の貸し農園で、パートのアドバイザーになったのが10年前です。

貸し農園の利用者には、農家みたいに綺麗な野菜を作りたい人もいれば、自然の営みや生き物に寄り添いながら野菜を作りたい人もいらっしゃいます。

利用者のニーズに応じて適切なアドバイスができるよう、アドバイザー向けの講習会をさせていただくようになり、その頃に「サステイナー」の屋号を名乗るようになりました。

だんだんと、地元町田を拠点に自然の営みに寄り添った野菜づくりを伝えたいと思うようになり、2023年からは町田市小野路町の「あした農場」にて、体験農園のアドバイザーをしています。

ー町田での暮らしは長いのですか?

もうすぐ20年になります。都心に住んでいたこともありましたが、今の落ち着いた暮らしが気に入っています。

ー町田の特徴を挙げるとしたら、どんな点がありますか?

町田市は市民を主体とした、生活に密着した取り組みに積極的ですよね。市民の生活を豊かにするための新しい試みに、挑戦しやすい風土があると感じます。例えば、2007年に100名を越える市民によって組織された「ごみゼロ市民会議」により、ごみの減量や資源化の提言がされた取り組みなどは特に印象に残っています。今後は農の文脈も盛り上げていきたいですね。

また、里山が残されているので、農業をはじめ生物の多様性など、自然の営みに関心を寄せて活動されている方も多いです。地元の豊かな土地をきちんと継承していこうっていう想いが、市民の方々の中に感じられます。

居場所や防災、さまざまな価値となり得る団地の農空間

ー「みのり“農”のある暮らし」のプロジェクトが生まれたのは、どのような経緯だったのですか?

“自分の育てた食べ物を口にできる暮らし”をまちに増やすためには、徒歩・自転車の移動圏内に市民の使える農空間がたくさんあるという状態が、まちづくりの計画に組み込まれることが理想です。

自治体に働きかけるのはハードルが高かったのですが、近所にあるURの団地を歩いていた時に「敷地内に農空間があれば、団地自体の価値にもなるのでは」と考えて、話を持ちかけました。

暮らしのそばに食べ物を育てる場所があって、自然の営みと寄り添いながら、生き物の多様性を大事にできる。それは環境に対する学習、保全にもつながります。また、居住者の方々の居場所づくりの選択肢にもなりますよね。多世代が交流できて、顔見知りが増えれば災害時にも心強いです。

さらに、非常時に物流がストップした時、徒歩圏で食糧を確保できることも、危機管理としての大きな価値になります。

多岐にわたって団地の価値になるというお話をして、この山崎団地にて実現できることになりました。

ーそこから、今年(2025年)9月にスタートしたのが「エディブルまちやまガーデン」ですね。

当初は4月にスタートするつもりでした。ただ、そこから気温が上昇して梅雨に入ると、雑草が繁繁しますし、近年の猛暑で熱中症のリスクもあるので、せっかく始めたのに「家庭菜園って大変…」と感じて挫折しやすいんです。そこで、暑さのピークが過ぎてからのスタートにしました。

9月スタートのメリットは他にもあります。春から夏に育てる野菜は、実を食べるものが多いんです。つまり、赤ちゃんから大人になるまで育てる期間が長いので、失敗のリスクが大きくなります。一方で秋冬の野菜は葉っぱを食べるものが多く、収穫までの期間が短いので、初心者の方にもおすすめなんです。

ー現在はどのようなメンバーで活動されていますか?

今は団地住民の方々が参加してくださっていますが、周辺地域の方もご参加いただけます。現役でお仕事している方もいますし、主婦の方、定年退職された方など様々です。これから少しずつ、多くの方に知っていただけたらと思います。

初年度に参加する方々は、「一から畑を作る」ことを経験できます。 今は固定の活動日は決めておらず、メンバー内で週一回ほどのペースで日程調整をしています。見学や体験もできますよ。

ー最近はどのような活動をされましたか?

エディブルまちやまガーデンのエリアは、一面にチガヤという長い地下茎を持つ在来の雑草と、メリケンカルカヤという外来雑草に覆われていて、まずこれらの雑草を取り除かないといけないんです。

それを一気にやろうと思うと気が遠くなるじゃないですか。なので、9 月から 10 月にかけてはちょうど葉物野菜のタネまき時期だったこともあり、「私の一平米プラン」と名付けて、自分の持ち分と決めた約1m×1m のエリアの草を抜いて、肥料を入れて、各自がコマツナや青梗菜などの葉物野菜のタネを播きました。1㎡程度の広さであれば、2時間程度でタネまきまで終わらせることができます。

今月(11 月)に入ってからは、育ってきた葉物野菜の手入れや収穫をしながら、さらに広い面積の雑草を取り除いたり低木を掘り起こしたりしながら、ムギやエンドウ類など越冬するもののタネを播きました。一般的には除草剤をまくなどして草を枯らして一度植生をリセットしてから畑にするのが一般的ですが、私の思う「自然の営みに寄り添う農」とは、いろいろな生物が共存できるように植生を完全にリセットすることなく、そこの植生を生かしつつ野菜が採れる場所に変えていくことです。子供たちが虫捕りを楽しめるような空間にもなればいいなって。

規格にとらわれない、自分好みの育て方を探せる

ー他の植物や生物と共存しながら育った野菜は、生命力が強そうですね。

他の生き物とも関わり合いながら大きくなるので、生育はゆっくりでも強いと思います。味の好みは主観的なものになりますけど、私は化学肥料を使わない方が美味しく感じるんですよね。

あとは、どの段階で収穫するかっていう点もあるんですよ。農家の場合は出荷時に規格サイズから外れると、等級が下がって安くなっちゃうんですよね。 でも私は、小松菜は小さい方が柔らかくて好みだったり、逆にきゅうりは少し太くしても美味しいなと思ったり。

だから、家庭菜園の楽しみの一つとして、自分好みのサイズや成熟の度合いを見つけられる点がありますね。

育ち過ぎちゃったから捨てるという方もいますが、「スーパーのサイズだけが正解じゃないから食べてみて」と伝えると、それを気に入る人も多いです。

ー今後はどのような活動を予定されていますか?

先週はエンドウ類の種まきをして、この後はソラマメの苗を植えます。土が肥え始めるであろう来年度には、玉ねぎなどもやりたいですね。

冬の間に低木は抜こうと目標を立てていて、その作業を進めたいです。冬は野菜を育てる農作業があまりないんですけど、畑を育てるための大切な期間です。

少し話が飛んじゃいますが、昔の畳の中には稲藁(いなわら)が詰まっていることを知っていますか?この稲藁が、畑ではいい資材になるんです。産業廃棄物として処分すると、費用もかかるし燃やされて二酸化炭素を放出するだけですが。

ーそれは知らなかったです!もったいないですね。

古畳の稲藁をばらして土の上に置いておくと、分解されて土に還るしミミズが増える。だから、畳のリサイクル業者さんがもったいないからって、畑に持ってきてくれることがあります。この山崎団地でも畳が手に入れば、みんなで畳ほぐしをしたいですね。

定期的に栽培についての講習会もあるので、お気軽にご参加いただければと思います。

そこにあるものを生かして、循環をつくるモデルケースへ

ー今後やってみたいことや、目標を教えてください!

今はまだ立ち上がりの段階なので、私が中心となって参加者のみなさんと相談しながら活動しています。ゆくゆくは、それぞれがやりたいことに自由に挑戦いただけたら嬉しいです。

山崎団地では刈り取った草を他の場所で処分していますが、団地の中で循環させる仕組みも作れるといいなと。刈った草がその場所で土に還っていけば、そこで育つ植物の栄養となって、循環していくはずなので。

もう一つは、この山崎団地をモデルに、他の団地でもやりたいって声が出てくれたらいいですね。

「敷地内の農空間は団地の価値となる」という話をしましたが、草刈りの管理においても重要です。

そこに住んでいる人たちが自発的に管理できれば、食物という形で返ってきて、緊急事態の備えにもなる。日本は空き地を管理しなければ、植生がどんどん進んでいく風土ですが、その草も生えなくなってしまえば、日本の環境は終わりなんです。自国の持つ豊かさを、ちゃんと生かして付き合っていける場所としても、団地の価値を育てたいです。

今後人手不足の問題が表面化してくる前に、団地における畑のモデルを確立していけば、一つの解決策になっていくと思います。

ー最後に、エディブルまちやまガーデンに興味を持たれる方へメッセージをお願いします!

多様な生き物と関わりながら、一緒にエディブルまちやまガーデンを育てませんか?見学や体験、いつでもお待ちしています!

秋も深まり始めた11月。気持ちのいい秋晴れのなか、広々とした敷地や多様な人が行き交う町田山崎団地を舞台に、学びと余暇をテーマにした実証実験イベント「まちやま まるごと スコーレvol.5」が開催されました。

UR都市機構×YADOKARIが連携し、2024年夏より始動した「まちやま プロジェクト」は、多様なつながりの中で、これからの団地のありたい姿を描くことをコンセプトとした取り組みです。これまでに、地域の町内会、商店会、学校などと協力し、季節ごとのイベントやワークショップなどを開催してきました。

毎日の暮らしのなかでちょっと楽しい体験ができる、そんな「まちのにぎわい」を団地から広げていくことを目指しています。

今回のまちやままるごとスコーレは11/15(土)・11/16(日)の二日間にわたる開催でした!広場でのヨガや音楽ライブ、様々なワークショップや美味しいグルメを楽しみながら、団地暮らしの魅力を再発見できる機会となりました。当日の様子について、前後編のレポートにてお伝えしていきます。

前編となる今回は、センター広場で行われた15日のお話です。広場でのヨガや体験マルシェを通じて、自分の心身と対話できるような、ゆったりとした時間の流れる1日となりました。

青空の下、風を感じて自分と対話「DANCHI yoga」

センター広場で行われた「DANCHI yoga」は、3名のインストラクターによる青空ヨガ!

最初はインストラクターのyama-U(やまゆう)さんによるヨガからスタートです。団地や近くにお住まいの方々が集まってくれました。yama-Uさんが大切にしているのは、”自分に還るヨガ”。

「SNSをはじめ、日常では外からの情報をたくさん浴びるので、自分の欲しているものが見えづらくなりがち。ヨガを通して自分と向き合うことで、軸を取り戻す時間になれば幸いです。」

参加者同士で手を合わせ、体幹を支え合う場面も。「仕事とかも同じで、一人でやるより楽になりますよね」と、yama-Uさんの柔らかな語りかけに心も身体もリラックスしていきます。

第二部は田村尚子さんによるチェアヨガです。田村さんはデイサービスにて介護福祉士をしながら、ご家族の在宅介護をされています。

「ケアする人の、ケアができたら。自宅で介護をしていると、息つく暇もないという方もいらっしゃると思います。気軽に取り入れられるセルフケアとして、椅子のヨガを中心にお伝えしています。」

ご自身の介護経験から始めた、セルフケアの大切さを伝える活動。今回は田村さんが介護をする中で救いとなった書籍や雑誌、オリジナルzineの展示も行われました。

筆者の私は、まだ介護経験がありませんでしたが、いつか自分が当事者になる時のことや、身近な人がケアを必要としている可能性など、思いを巡らせるきっかけになりました。

通りがかりの方、ヨガを終えた方々が立ち寄り、各々がピンときたタイトルの本を手に取られていました。

最後は、ミナミナさんによる”やさしいヨガ”。普段から自然を感じられる場所でのヨガ時間を大切にされています。

初めてヨガをするという方、様々な年代の方も集まり、それぞれのペースで身体を伸ばしていきます。

「今回は団地が舞台ということで、ご参加いただく方の年齢層が幅広く、とても新鮮で私自身の学びにもなりました。青空ヨガで自然や風を感じながら、身体を動かすことの楽しさを伝えられたら嬉しいです。焚き火を囲んだヨガも、すごく心地いいのでおすすめですよ。」

お散歩ついでに、“これ、やってみたかった” にトライ!体験マルシェ

青空ヨガの会場の周りでは、ものづくりや身体ほぐしなどの体験マルシェが行われました。

「まるはち一箱古本店」では、ミニちゃぶ台作りのワークショップを開催。子どもたちも興味津々でしたが、親御さんやシニアの方、若い女性も和気あいあいとDIYに挑戦されている姿が印象的でした。

「ものを作ることと、使うこと。既製品を買うよりも、二度おいしい感じがして好きです。ワークショップでは、居合わせた人たちでドラマが生まれるので面白いですね。端材を使うことが多いので、どうしたら活かせるのか色々試して作っています。」

人とのコミュニケーションを楽しみながら、ものづくりをされている八塚さん。今回は広場の憩いの場として、実験的にベンチも設置してくれました。

土台に使われている鉄パイプは、工事現場の足場に使われていたものだそう。端材の組み合わせで、こんなにカッコよく生まれ変わるとは驚きです!

本を読んだり、おやつを食べつつおしゃべりしたり。ギャラリーなどにも似合いそうなルックスですが、座ってみると遊具のようなワクワク感と木の温もりが心地よく、ぜひ常設していただきたいくらい。

山崎団地のご近所にある桜美林大学。アートを専攻する学生が立ち上げた「ぼくらのサークル」は、アートにまつわるワークショップ企画を中心に活動しています。

今回でまちやままるごとスコーレへの参加は3回目!季節は秋ということで、毛糸を使ったワークショップを考えてくれました。みんなで小さなタペストリーを作って、最後はガーランドにして繋げていきます。

毛糸の組み合わせ方で一つ一つ表情の異なるタペストリー。「その組み合わせもかわいいですね」と、感想を伝え合う声が聞こえてきました。

「今回はゆったりと手仕事をするような雰囲気で、子どもだけじゃなく大人の参加も多くて新鮮でした。地域の方々とたくさんおしゃべりができて楽しかったです。」

いつも新しいワークショップの企画で彩りを与えてくれる桜美林大学のみなさん、嬉しそうに話してくれました。

町田市鶴川にサロンを持つ「aroma&craft greeen」のテントでは、身体ほぐしとアロマ販売の出店がされました。お昼寝したくなるような広場の一角で、マッサージが受けられる至福な空間です。アスリート向けのマッサージに必要な筋肉をほぐす技術と、アロマオイルでリンパを流すマッサージ。その2つを掛け合わせた施術、”スポーツアロマ”が体験できました。

自分だけではケアできていない部分に気づき、ほぐしてもらうことで、心もスッと軽くなります。

「大人だけじゃなく、スポーツをしている子どもたちもやっぱり身体のケアは大切です。長く続けていけるように、運動後のケアについてお伝えしています。ペット用の施術もあるので、ご家族のお悩みに合わせてお応えできれば。」

持ち歩くことのできるアロマミストは、シュッとひとかけで気分が落ち着きます。疲れが溜まった時や、リラックスしたい時のお守りになってくれそうです。

みんなで描く、町田にモノレールが通る未来

広場の一角では、町田市による木曽山崎団地地区のまちづくり広報&モノレールペーパークラフト作成が行われました。

現在町田市が作成中の「木曽山崎団地地区のまちづくり構想」改定素案について、職員の方々が図を用いながら説明してくれます。

どのようなまちづくり案があるのか、もっと住民の方々に知っていただき、多様な意見を反映していくための第一歩です。

「まちづくりは、そこに住んでいる方々が一番納得いく形であるべきだと思うので、まずは計画について知っていただく活動を増やしていきたいです。どんなことが求められているのか、様々なご意見を集めていけたらと思います。」

ブースでは ”モノレールが通ったら行ってみたい場所は?” “団地にあったら嬉しい施設” などのアンケートも行われ、未来の町田の話に花が咲きました。

二つのイベントが同時開催!団地内に活気が溢れました

11月15日(土)は、他にも二つのイベントが同時に行われ、たくさんの人で賑わいました。

【第2回 まちやま祭 ~地域の学び場フェス!: 山崎団地名店街】

山崎団地名店街エリアで行われたのは、東京都立山崎高等学校が主体となる「第2回 まちやま祭 ~地域の学び場フェス!」です。

2回目の開催となる今回は、高校生と地域企業が協力して準備してきた研究発表や展示、物販など盛りだくさんの内容!広々とした敷地に幼稚園から大学までの教育機関が集まる、山崎団地エリアならではの特徴を活かした、多世代交流の機会となりました。

【ぼくらのカーブーツ :さんのはし仮設広場】

名店街を抜けて少し歩いた場所では「ぼくらのカーブーツ」が開催されました!プロもアマチュアも一堂に会し、個性あふれる見どころたっぷりなフリーマーケットです。

いつもは空き地になっている広場が、大型のマーケットに大変身する光景は圧巻です。どんなお宝と出会えるのか、入り口に入る前からワクワクします。マニアから通りがかりの人まで、たくさんのお客さんで賑わっていました。

多世代が集まり、まちやまエリアのパワーを感じる一日に

まちやままるごとスコーレvol.5、一日目は青空ヨガや体験マルシェを中心に、ゆっくりと自分の癒しを探せる時間となりました。

日々を生きていると色々なことがありますが、ケアの選択肢や、自分の心が喜ぶことを知ってると、「つまづいても大丈夫」と信じていける気がします。穏やかに流れる時間の中で、人が交わり、知恵を分け合えることの幸福を感じつつ、1日目は幕を閉じました。

2日目は敷地を広げて、音楽ライブや団地の探検やピクニックなど、さらに楽しい企画が目白押し!後編のレポートもぜひお楽しみに。

▶後編はこちら

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