バックパッカーワーキング

第8回:シェアハウスとシェアリングエコノミーを活用して、旅するように暮らす|バックパッカーワーキング

スズキガクプロフィールアイコン | 2014.8.9
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ドイツのハンブルグで見たシェアサイクル。この仕組みはヨーロッパでは一般的です。


昨今、シェアハウスが若者文化の象徴のひとつのようになっています。
テレビ番組「テラスハウス」や、「ひつじ不動産」のようなシェアハウス専門の不動産サイトの増加など、その人気はじわじわと高まってきていると感じます。
かく言う私もシェア愛好者のひとり。現在の住まいも東京のシェアハウスですし、以前、京都に住んでいた時もシェアハウスに住んでいました。

シェアに住み続ける理由はたくさんあるのですが、バックパックワーキングとの相性の良さもそのひとつ。今回は、長らくシェアハウスに住んできた経験から、その実態についてお話ししていこうと思います。

ソーシャル型と長屋型シェアハウスの違い

まずシェアハウスは住む人に応じて大きく2つの種類があると考えています。
・ひとつが、中産層がお互いに刺激を得るために、共に住む「ソーシャル型」
・もうひとつは、低所得者が、節約のために共に住む「長屋型」
私が住んでいるのは後者で、ワーキングホリデーで日本に来ている外国人や、20代前半のフリーター、学生が住んでおり、年齢は比較的若めです。

現在、メディアで話題になっているのは「ソーシャルアパートメント型」がほとんどです。一方の、長屋型は国を問わず時代を問わず、存在してきたように思います。
現代の中国都市部で問題となっている中国の鼠族や、椎名誠氏の著書「哀愁の町に霧が降るのだ」などに書かれた貧乏共同生活は、「お金がないからみんなで住む。」という理由が大きいような気がします。

シェア生活の収支

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格安シェアハウスの寝床、住めば都。


家賃に話を移すと、私の住んでいるシェアハウスの家賃は月4万円で、光熱費と消耗品込み。全て相部屋で、部屋には二段ベッドが並び、ひとりにひとつベッドのスペースがあてがわれています。女子もいますが、男女別に部屋が分かれているだけで、トイレや風呂は共同です。この値段は東京のシェアハウスの中では安い方で、高いものだと10万円を超える物件も、ままあります。
地方にいけば、もっと安い物件も見つかるようです、ちなみに、私が京都で住んでいた物件は月の家賃が2万円(光熱費別)でした。

バックパックワーキングとシェアは高相性

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ちなみにリビングはこんな感じ。常に数人の住人が気ままに過ごしています。

こんな事を言ってしまうのはあれかもしれませんが、正直に言ってしまうと私の収入は多く有りません。
2014年の5月からwebライターとして独立したので、色々な仕事を掛け持ちし、月収12万円いけば良い方でしょうか。良く言えばノマドですが、その中でも下層のノマドです。
こんな状態なので、洗濯機も食器もテレビも、あらかじめ備え付けの物があるのは大変便利です。かつ、敷金、礼金なしで、カバンひとつで入居も可能なので、経済的にも気持ち的にも大変利便性があります。
そして、この利便性がバックパックワーキングと相性がいいのです。現在、私は後述するAirbnbのメールのやりとりの代行や、ライター業、webサイトのディレクション業など、パソコンとネット環境さえあればできる仕事をして生活しています。まだ駆け出しなので、仕事の単価は低いのですが、生活の固定費が安いため、生活にはあまり困っていません。

最近の流行で地方都市にもシェアハウスは増え続けていますから、わりと気軽に住む場所を変えることができるようになってきました。誰もが私のような生活をしたいかと言われれば、それは違うと胸を張って言えますが、私が選びたい「色々な場所に移動する」生活と「シェア」という経済はとても相性がいいのです。

シェアリングエコノミーという経済

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こちらはパリで見かけたシェアカー、毎月一定料金で使用できるそうです。


経済という単語が出ましたが、近年、「シェアリングエコノミー」という経済の形が世の中に広まりつつあります。
Airbnbに見られる部屋のシェアリングや、2009年にサービスが開始されたドライバー代行サービスUberなど、持つ物をシェアして代金を得るサービスは増殖を続けています。調べてみると、他にも個人間をつなげる荷物の配送代行や、買い物の代行など、サービス内容は多岐に渡るようです。

人口が増え続け、リソースが減り、誰もが持つ者になれない世の中で「物が買えなければ(買う必要がなければ)、必要なときだけシェアすればいいじゃない。」という考えは真っ当な理屈です。
実際、私がヨーロッパを旅していた時に見かけたカーシェアリングサービス(同じ目的地に向かう車をシェアし、ガソリン代を分け合う)は利用者もかなり多いと聞きました。
行政主体の自転車や乗用車のシェアサービスも、ヨーロッパではかなり一般的です。

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ウィーンで見かけたシェアサイクルはさらに進化しており、カゴなどに広告がついています。


物は分け合う時代へ

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中国のネットカフェ「网吧」wi-fiの無い宿に泊まるときは、仕事のために、よく利用していました。パソコンが普及していない国では、このような形でネット環境を確保するのが一般的です。これもある意味シェアと言えるかも。

歯磨き粉、シャンプー、衣服、食事などなど、必要な物はたいてい旅先で手に入ります。
しかし、車や自転車などの移動手段、宿など、持ち運びづらい、もしくは手に入れづらいものがあるのも確かです。そんな時、他言語が使えれば、割安に手軽に利用できるシェアリングエコノミーのサービスは大変便利なものです。

今後、シェアの波はどこまで広がるのでしょうか?個人的には旅の最中、重荷になるパソコンなどがシェアできたらとも思うのですが、セキュリティ上問題があるかもしれません。いずれにせよ、その可能性はまだ未知数。もう十年もしたら手ぶらに近い状態で長旅ができる時代も来るかもしれません。
その時には”バックパッカー”という単語はもはや過去の物になっているかもしれませんね。

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Writer スズキガク

1986年生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、自転車日本一周やユーラシア大陸輪行旅行に出かける。帰国後はライター・編集者として活動中。元・自転車屋、元・BBQインストラクターの経歴があり、興味を持ったものには何でも首をつっこむ性分です。おいしい料理とビールをこよなく愛しています。

FB:gaku.suzuki.12
TW:@haresoratabiya1

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