1 「方丈」とは「四畳半」のような意味。しかも、その家は折り畳み式の「モバイルハウス」。そこで書かれた方丈記も「小さな暮らし」をすすめるエッセイだったことを僕は知らなかった。

※ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

変わらないように見える川の景色も、その流れは絶えることなく、一度として同じ水が止まることはない。これは方丈記の有名な書き出しだが、このあとに続く一文を覚えているだろうか。

※世の中にある人と栖(住みか)と、又かくのごとし。

「人の住まいも同じである。」この一文こそが、作者である鴨長明が最も伝えたかったこと。つまり、方丈記とは「住まいの文学」なのである。