フィルム写真をプリントする

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フィルムカメラは、撮っている最中、どんな写真が撮れているかを確認することができません。
それは今の時代、不便だとマイナスに捉えられてしまうことなのかもしれません。けれど、この「見られない」ことこそが、写真を楽しませてくれているのだと思います。

 

36枚の記憶


一般的なフィルム1本で撮れる枚数は36枚。
少ないように思うかもしれませんが、36という数字を頭に思い浮かべながら撮ると人間結構慎重になるもので、1本撮り終わるまでに長い時で半年もかかることがあります。
 
半年前に撮った写真なんて実は覚えていないこともあったりします(笑)
 
まあ、半年はさすがに稀ですが、その日に撮った写真をその日のうちに見られることはほとんどありません。
 
ものすごく焦らされた状態で写真屋さんへフィルムを出して、プリントが出来上がるのを待つわけです。
 
再び写真屋さんへ向かうのが楽しみで楽しみで仕方ありません。
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いざ、プリントの仕上がり時間に写真屋さんへ。受けとった分厚い写真の束を握りしめて、家に帰るまで待ちきれなくて近くのカフェでプリントされた写真に一枚一枚目を通します。
 
うまく撮れてるものもあれば、失敗したショットもある。そして、撮ったその時の情景や自分の気持ち、その場の空気、そんなことが滲み出ている写真はずっと見ていても飽きないものです。
 
私は写真をやっていて、このときが一番好きな瞬間です。

 

プリンターさんとつくる写真


フィルムには、モノクロフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーネガフィルムとざっくり分けて3つの種類がありますが、そのなかでもカラーネガフィルムは、プリントの段階で明るさや色を多彩に調整することができるフィルムです。
 
同じネガから、プリントによって全く違った印象の写真が出来上がるのです。
だから、カラーネガフィルムで撮る時は、プリントしてくれる写真屋さんとのコミュニケーションがとても大事。

いつも素敵にプリントしてくれる写真屋「monogram」の店長 東 尚代さん
いつも素敵にプリントしてくれる写真屋「monogram」の店長 東 尚代さん

 
写真屋さんも様々なタイプがありますが、私はプリントのセミオーダーができる写真屋さんで、いつも同じプリンターさんにお願いするようにしています。
 
「あったかくて懐かしいかんじ」「透き通っていてスッキリした感じ」など感覚的な言葉でも、そのイメージから写真の色や明るさを調整してくれます。
わからなければいろいろなパターンでおまかせしてみて自分の好みを知って行くのも良いかもしれません。
 
そうやって何度か繰り返して、少しずつプリンターさんに自分の好みをわかってもらえると、当の本人が迷っていてもプリンターさんがアドバイスしてくれたりします。
 
私の場合、「沼プリント」なるプリンターさんと自分の間でしか通じないプリントの注文をするまでに至りました。こういうのは暗号みたいでちょっと楽しいです。
 
プリントは写真をモノにする大事な行程です。スマホでもデジカメの写真でもプリントすることはできます。
みなさんもぜひ一枚一枚の写真をたいせつに楽しんでみてください。
 
参考:写真屋 「monogram」