第17回:加計呂麻島での食事|女子的リアル離島暮らし

友人が来たときの車からの景色。真冬ですが晴れていればこんな風に海も青。
友人が来たときの車からの景色。真冬ですが晴れていればこんな風に海も青。

未来住まい方会議をご覧の皆様、こんにちは。小説家の三谷晶子です。
さて、本日は加計呂麻島でどのような食事をしているのかを書いていきたいと思います。

食料品の買い物も海を渡る

私が住む加計呂麻島には小さなタバコ屋兼雑貨店と郵便局、そして野菜の無人販売所がちらほらあるぐらい。島に住んでいる方々は食料品の買い出しにはフェリーで20分ほどの奄美大島に行くことが多いようです。

奄美大島に買出しに行く時はいつもこの景色を眺めながら船に乗ります。
奄美大島に買出しに行く時はいつもこの景色を眺めながら船に乗ります。

奄美大島も、加計呂麻島と同じく離島。そして、加計呂麻島は奄美大島の中心部から車で1時間半ほど離れた古仁屋という場所が一番近く、都市部と同じように世界各国の様々な品が揃うわけではありません。
しかし、スーパーやコンビニなどはあり、普通に暮らす分には困らない品が手に入ります。

野菜のおすそ分け、ご近所さんの飼っている鶏の卵を購入

ご家族で住んでいる方は週に一度ぐらいは買い出しに古仁屋に向かうようですが、私は二週間に一度行くか行かないかぐらいです。
それは、野菜などのおすそ分けを数多くもらうから。

以前いただいたパプリカや島にんにくなど。パプリカは軽く焼いただけでも甘くて最高でした。
以前いただいたパプリカや島にんにく、ご自宅で育てている鶏の有精卵など。パプリカは軽く焼いただけでも甘くて最高でした。

第16回:加計呂麻島での休日」でも書いたように飲食店があまりない場所ですと、友人と会うのは自然と誰かのお宅になります。
そうすると、「煮物作り過ぎたから持ってく?」「みかんがたくさんなったからあげるよ」ということになったり、釣りが趣味の方にお会いすると「今日、28キロの大物釣り上げたから切り身持って行って!」という風に言って頂いたり。また、ご自宅で鶏を飼っている方から有精卵を格安で購入することも。

友人宅の鶏。一個単位でその日に生まれた卵を購入したり。
友人宅の鶏。一個単位でその日に生まれた卵を購入したり。

また、本州に住む友人が「イタリアンやエスニック、たまに食べたいでしょ」と美味しいオリーブオイルやパスタソース、エスニック料理のための食材を送ってくれることもあります。

「家にピザ窯出来たから、今度ピザパーティね」

ガスを引かずにアウトドア用のコンロとキッチンストーブで暮らしている人がいたり、毎日薪で五右衛門風呂を沸かして入っている人もいる加計呂麻島。先日は、「最近、庭にピザ窯を作ったから。今度ピザを焼こう。」というお誘いがありました。

こちらは以前いらっしゃったパン屋さんでのピザパーティの様子。天然酵母を使った生地で最高においしかった!
こちらは以前いらっしゃったパン屋さんでのピザパーティの様子。天然酵母を使った生地で最高においしかった!

薪窯で焼いたピザは格別な美味しさで、こういうものが友人宅の庭ですぐに作れるのはなかなか得難い環境だな、と思います。

台風の時の飲み会、月食を見るバーベキュー

台風が来ると停電が起こるのは加計呂麻島では当たり前。ここに住んで二年が経過し、停電にはずいぶん慣れましたが、夏場は冷蔵庫の食材が心配です。そんな時は台風のあと、食材を一気に片付けるために料理を持ち寄ってパーティをすることも。

友人が来島した時に釣りをしたときの釣果。二人で40匹近く釣りました。
友人が来島した時に釣りをしたときの釣果。二人で40匹近く釣りました。

また先日の月食の際には友人宅に集まってバーベキューをし、月が欠け始めたと同時に開けた場所に出て空を眺めたり。自然が身近な場所ならではの楽しみ方が加計呂麻島には数多くあります。

月食の時のバーベキュー。あちこちから食材が持ち込まれました。
月食の時のバーベキュー。あちこちから食材が持ち込まれました。

他、加計呂麻島では民宿やペンションがいくつかあります。家族や友人が訪れた時には一緒に泊まり、地元の漁師の方がとった伊勢海老や島ならではの魚に舌鼓を打ちます。

ペンションHIRO ISKAND STYLEさんで食べた伊勢海老。オーナーさんが捕ってきたもの。
ペンションHIRO ISKAND STYLEさんで食べた伊勢海老。もちろん、オーナーさんが捕ってきたもの。

久しぶりに会う家族や友人と、他ではなかなか食べられない島の食材を使った料理を食べ、奄美群島でしか作れない黒糖焼酎を飲み交わすひと時は格別な時間です。

加計呂麻島に来て2年が過ぎ思うこと

私が加計呂麻島に来たのは2013年の1月。早くもここに住み始めて2年が経ちました。最初の頃は、部屋の電球が切れても買い置きがなく、船が出る翌日まで真っ暗な部屋の中で過ごすことになったり、断水や停電に戸惑ったりしたものですが、不思議とそれを嫌だと感じることなく暮らしています。

水筒にお茶を詰めて散歩に行けば、いつまで見ても見飽きない海。
水筒にお茶を詰めて散歩に行けば、いつまで見ても見飽きない海。

むしろ、加計呂麻島でごくごく当たり前に流れる日常に、「ここに来てよかったな」と改めて感じることも。

毎日眺めているのに、いつも見惚れてしまう夕陽。
毎日眺めているのに、いつも見惚れてしまう夕陽。

海に沈む夕陽を眺めながら、道端で会う友人や動物たちに手を振り、その日、頂いた食材を持って家に帰る。
この、なんてことのない毎日のちいさな喜びを素直に感じられる自分でいつもいたいな、と思います。