世界の小さな住まい方

写真家は海を旅する「A Van in the Sea」

野原海明プロフィールアイコン | 2014.9.2
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満天の星空、ベールのようにたなびく雲。暗い海は静けさをはらんで横たわる。そんな光景の中、ぽつんと佇むキャンピングカーは、やわらかな明かりを窓からこぼして生き物のように海を見つめている。

これら写真は、多くの賞を受賞する写真家、Alessandro Puccinelli の作品だ。タイトルは「A Van in the Sea」。

2011年、写真家は「Hymer 1983」という中古のキャンピングカーを買った。レトロで愛嬌のあるこの車に乗って、彼はポルトガルの南海岸を旅している。商業的な活動からゆるやかに離れて、自分の好きなものを撮り続けるために。2013年、寝る前に日課のように撮る写真が「A Van in the Sea」というシリーズになった。

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海は、彼の人生に欠かせない存在だ。大いなる知識の源泉であり、人生を導いてくれる海を、写真家は生涯のモチーフとして撮り続けている。

大好きな海のそばで、旅をしながら生活をする。足であり寝床でもあるキャンピングカーは、そんな生活には欠かせない相棒だ。その姿を写真家は、遠く離れたところからレンズ越しに見つめる。カメラが夜の僅かな光をとらえるのを待つ間、潮騒の中で彼は何を思うのだろう。

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Hymer 1983 は大きな車だけれど、こうして広大な自然の中に置かれていると、とてもちっぽけなものに見える。けれど、けなげに明かりをともしてくれているから、なんだか安心する。どんな場所にいても、どこを旅していても、それは確かに帰る場所であり、ホームなのだ。

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via: http://www.ignant.de/

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野原海明プロフィールアイコン

Writer 野原海明

世界の小さな住まい方ライター担当。

のはらみあ。小説家。コンテンツライター、図書館司書、ときどき歌手。呑んべえ。

1984年群馬県生まれ。ちょっと変わった高校、尾瀬高校自然環境科の卒業生。利根村の農家にホームスティをして高校3年間を過ごす。お世話になったのは築100年にもなるという茅葺き屋根の家。かつての味噌蔵を勉強部屋と寝室に改築してもらった。

大学進学のため都内へ引っ越し、都市生活を5年間体験したが、海と山がある暮らしが恋しくなって2009年夏、鎌倉へ移住。小さいけど温かいコミュニティと、自然のある暮らしがやっぱりいい、と思う。

2012年、小説「コメリナ・コムニス」Kindle版を出版。文芸喫茶「まるくす」所属。同人に川村力、田村元、湯田陽子。

FB:mia.nohara
TW:@mianohara
HP:醒メテ猶ヲ彷徨フ海

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