世界の小さな住まい方

みんなが思い描く家のカタチ「Hamra House」

野原海明プロフィールアイコン | 2014.9.26
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「家のイラストを描いて」って言ったら、まずはこう描くよねと思う。その形はまさに「ザ・家」。

中世には海賊・ヴァイキングが支配していたというスウェーデンのゴットランド島。豊かな自然に囲まれたこの家の名は「Hamra House」という。設計したのはDinellJohanssonだ。
三角屋根の下に、部屋はなんとひとつしかない。巨大な本棚のような、家具のひとつのように見える大きな箱が、ベッドルームの代わりになっている。

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眠るための空間があまりにも広いのは落ち着かない。カーテンをひいてしまえば個室のようになるから、安心してゆっくりと眠れるだろう。カーテンレールはL字型になっている。お気に入りのカーテンの柄は、日中はふつう見られないものだけど、これだと開けているときも壁紙のように楽しめるから嬉しい。

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ベッドルームの上部は、子どもたちが遊ぶためのロフトになっている。ハシゴみたいな階段を昇るなんて、なんだか秘密基地みたいでワクワクする。転落防止のネットが四角い箱の上に三角に貼られていている様子も、これまた「ザ・家」。家の中に家がもうひとつあるみたいだ。

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大きな天窓が2つ。4方には巨大な窓。北側以外はみなガラス扉になっているから3方向すべてが玄関みたいなもの。狭いながらも、ものすごい開放感である。

オープンスペースの真ん中には、これまたオープンな造りのキッチンとストーブ。「食」が中心となって、この家を支えている。

こんなシンプルでユニークな構造になったのは、実は予算が限られていたから。さらにもともと、ゴットランド島には木材が少ない。地域に元からある家は、単純な漆喰の石造りだという。伝統を引き継いでシンプルな形にしたら、ついでに材料を抑えられた。

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経済的な事情からシンプルな小さな家になったとはいえ、この家で過ごす毎日はとても楽しそうだ。なんとなくいつでも家族を感じていられること。あえて言葉をかわさなくても、ここに住む家族の気持ちは、ちゃんと繋がっているのだと思う。

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via: http://www.ignant.de/

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野原海明プロフィールアイコン

Writer 野原海明

世界の小さな住まい方ライター担当。

のはらみあ。小説家。コンテンツライター、図書館司書、ときどき歌手。呑んべえ。

1984年群馬県生まれ。ちょっと変わった高校、尾瀬高校自然環境科の卒業生。利根村の農家にホームスティをして高校3年間を過ごす。お世話になったのは築100年にもなるという茅葺き屋根の家。かつての味噌蔵を勉強部屋と寝室に改築してもらった。

大学進学のため都内へ引っ越し、都市生活を5年間体験したが、海と山がある暮らしが恋しくなって2009年夏、鎌倉へ移住。小さいけど温かいコミュニティと、自然のある暮らしがやっぱりいい、と思う。

2012年、小説「コメリナ・コムニス」Kindle版を出版。文芸喫茶「まるくす」所属。同人に川村力、田村元、湯田陽子。

FB:mia.nohara
TW:@mianohara
HP:醒メテ猶ヲ彷徨フ海

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