世界の小さな住まい方

呼吸する外壁をもつエコなスモールハウス「LEGOLOGICA」

石井敦子プロフィールアイコン | 2014.9.25
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2012年5月20日、イタリアのエミリア・ロマーニャ州(イタリア半島の根元部分)で地震が発生した。この地方は何世紀も前の文献を遡らないと記録がないほど、地震があまり起きない地域だったという。さらにこの地震で多くの歴史的建物が倒壊したことで、人々に大きな衝撃を与えた。

この地震発生から一年経つ、2013年5月27日から6月9日の間に開催されたECODAYSは、この地震で被災した地域の近隣にあるミラベロで行われた。ECODAYSは多くの企業がリサイクル、省エネルギー、再利用と資源管理に自社のソリューションを提示し、サステナビリティー(持続可能性)に関連した展示会だ。今回は、地震発生から一年後と言うこともあり、地震を視野に入れた展示を企画した。ここで出展されたのが、今回取り上げる「LEGOLOGICA」だ。

建築家のFrancesco BombardiやSA Workshop+BBstudioらが手掛けた「LEGOLOGICA」はあるプロジェクトの一環で、震災の年にはじまり、すでに数々の建築関連の賞を受賞している。「LEGOLOGICA」は、モジュールタイプの持続可能でかつ基礎のない可搬式で、耐震性もある家だ。それにとどまらず、「LEGOLOGICA」の屋根は煙突型に設計されており、ソーラーパネルを設置することでエネルギークラス”A”の家に変貌できる。

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さまざまな特徴のある家だが、この家を最もユニークにしているのが外壁だろう。ECONYL®という再生ナイロン糸で作られた大きなネットを使って作られた煉瓦で、中に入れるものはその土地のどこにでもあるようなもの。今回の展示で用いられた土、砂、石、小枝、木材や樹皮などで満たされたネットは大きな煉瓦上の形状になり、家の外壁を埋める。まさに呼吸する外壁だ。

この外壁が持続可能な建築の象徴となり、「LEGOLOGICA」もエミリア大震災のような悲劇の場合には大きな助けになるだろう。

外壁とは異なり、室内は白木の内装で、小ぶりなキッチンとリビングスペース、ベッド、収納などが機能的に配置されている。

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「LEGOLOGICA」の特徴から、農村のホテル、地域の行事施設、仮設住宅や避難所として面白い選択肢になりうるだろう。すでにミラベロでは「LEGOLOGICA」が寄付され、パブリックスペースとして建設されたそうなので、ご興味のある方はイタリア旅行の際訪れてみるのも良いだろう。

Legologica04
Via:
http://tinyhouseswoon.com/
http://www.aquafil.com/
http://www.rinnovabili.it/
http://blog.livedoor.jp/
http://video.repubblica.it/
http://www.detail.de/

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石井敦子プロフィールアイコン

Writer 石井敦子

世界の小さな住まい方ライター担当。

1970年東京生まれ、鎌倉育ち。幼少から未知の世界を求めて三輪車で近所を徘徊。米国への留学をきっかけに徘徊の規模が世界へと広がる。好奇心旺盛で、異文化への興味は特に強い。お呼びがかかれば、インドの結婚式にも馳せ参じるフットワークの軽さと、虫以外はなんでも食べる食欲がウリ。異国の住民目線の生活を好むため、旅の手段も現地人の家に転がり込む居候型。世界中で家族を増やす計画を実行中。鎌倉在住。好きな言葉「Nothing is useless(人生に無駄な経験なし)」

TW:@azkoishii
HP:Nomad Azko的世界放浪

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