世界の小さな住まい方

家族の時間は有限、みんなで旅する家「The Big Blue Bus」

野原海明プロフィールアイコン | 2014.10.14
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家族の時間は、思っているよりもずっと短い。子どもたちは成長して、いずれは両親のもとから旅立ってしまう。あたりまえの日常は、ほんとうはとても貴重なものです。
そんな限られた家族の時間を最大限に楽しむために、この一家が選んだのは「The Big Blue Bus Tour」という、家族の生活をそのまま旅にしてしまう発想でした。

夫の転勤を前にして半年の休暇を取り、8300ドルで買ったのは中古のスクールバス。家族みんなで内装を改造しました。基本の色はもちろんブルー! 並んでいた座席を取り外し、その代わりに狭いながらもこだわりのつまったリビング、6人分のベッドルーム、ささやかなキッチンなどがつくられました。

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小さな本棚はお気に入りの本でいっぱい。子どもたちにとって、このバスは学校でもあります。勉強机も、小さいながらきちんと用意されています。

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家族はこのスクールバスの家で、フロリダからアラスカまで5000マイルを旅しています。トイレは無く、緊急時や夜間にはポータブルの簡易トイレを使います。シャワールームも無いので、キャンプ場などの公衆の施設を使わなくてはなりません。冷蔵庫はありますが、靴箱ほどの小さなもの。電気ポットや簡易グリルなど、多少の調理器具はあるけれど、本格的な料理をするのは難しい。旅の間は仕事を休んでいて収入が無いため、食費も節約しなくてはなりません。プライバシーもほとんど無し。

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それはとても不便な生活かもしれません。でも不便であるからこそ、ゲームのような楽しさがあります。そして、シャワーが安心して浴びられることや、コインランドリーが使えることなど、ほんのささいなことがとても有り難く感じられるのです。

バスでの生活を維持していくために、「システム」と呼ぶ日々のルーティンが決められています。朝起きたらベッドを整えて、快適に過ごせるように部屋を片付ける。子どもたちも自分で洗濯する。お祈りの時間や勉強の時間も、システムのなかに組み込まれています。

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狭いながらも工夫がたくさん。小さな隙間を利用した収納はまるでおもちゃ箱。メイクをするための鏡は、壁からマジックハンドのように伸びてきます。
さて、人生は有限です。家族で過ごす時間はもっと限られています。貴重な時を見過ごしてしまわないために、こんな人生の選択をしてみるのはいかがでしょうか。

Via:
tinyhouseswoon.com
simplybphotos.com

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野原海明プロフィールアイコン

Writer 野原海明

世界の小さな住まい方ライター担当。

のはらみあ。小説家。コンテンツライター、図書館司書、ときどき歌手。呑んべえ。

1984年群馬県生まれ。ちょっと変わった高校、尾瀬高校自然環境科の卒業生。利根村の農家にホームスティをして高校3年間を過ごす。お世話になったのは築100年にもなるという茅葺き屋根の家。かつての味噌蔵を勉強部屋と寝室に改築してもらった。

大学進学のため都内へ引っ越し、都市生活を5年間体験したが、海と山がある暮らしが恋しくなって2009年夏、鎌倉へ移住。小さいけど温かいコミュニティと、自然のある暮らしがやっぱりいい、と思う。

2012年、小説「コメリナ・コムニス」Kindle版を出版。文芸喫茶「まるくす」所属。同人に川村力、田村元、湯田陽子。

FB:mia.nohara
TW:@mianohara
HP:醒メテ猶ヲ彷徨フ海

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