世界の小さな住まい方

手動ウインチで開閉する秘密基地のような家「Caja Oscura」

野原海明プロフィールアイコン | 2014.10.24
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サンダー、バードー♪ と口ずさみたくなってしまうこの家。驚くべきことに、窓はひとつもありません。手動(!)のウインチによって家全体が大きく傾き、光と風を取り込む画期的なシステムが採用されています。

閉じている間は、シンプルな倉庫のように見えますが、中は2階建ての造りになっています。近くの採石場から集められた石で壁を築いた地上階に、ベッドルームとバスルームが隠されています。

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開閉する箱部分は金属製。冗談のような造りをしていますが、これには深いワケがあります。

設計を依頼したクライアントは海外へ出掛けていることが多く、めったにこの家を管理できません。パラグアイの豊かな自然に囲まれたこの土地は、人の手が入らなければ小さな家などすぐに、野生動物や植物に侵食されてしまいます。治安もあまり良くないため、留守中に家をしっかりと守るには、丈夫な金属で覆い込んでしまう必要がありました。

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開閉する角度は25度。この角度は、外の景色を見渡せながらも、ほどよい日陰を家の中につくってくれます。気温は40度にも達し、年間の晴れの日はなんと285日。この土地での生活に日陰は欠かせません。

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テラスであるような、室内であるような。開放的であるような、安心感があるような。遊び心満載に見える設計は、この土地では理にかなったものなのです。

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ギギ、ギギギ……と音をたてて、ゆっくり開閉する金属の箱。手動で操作するその様子はとてもユーモラス。高温多湿の日本ではすぐに蒸し暑くなってしまいそうですが、ちょっとうらやましい住まいです。

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via:
domusweb.it
urdesign.it

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野原海明プロフィールアイコン

Writer 野原海明

世界の小さな住まい方ライター担当。

のはらみあ。小説家。コンテンツライター、図書館司書、ときどき歌手。呑んべえ。

1984年群馬県生まれ。ちょっと変わった高校、尾瀬高校自然環境科の卒業生。利根村の農家にホームスティをして高校3年間を過ごす。お世話になったのは築100年にもなるという茅葺き屋根の家。かつての味噌蔵を勉強部屋と寝室に改築してもらった。

大学進学のため都内へ引っ越し、都市生活を5年間体験したが、海と山がある暮らしが恋しくなって2009年夏、鎌倉へ移住。小さいけど温かいコミュニティと、自然のある暮らしがやっぱりいい、と思う。

2012年、小説「コメリナ・コムニス」Kindle版を出版。文芸喫茶「まるくす」所属。同人に川村力、田村元、湯田陽子。

FB:mia.nohara
TW:@mianohara
HP:醒メテ猶ヲ彷徨フ海

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