世界の小さな住まい方

人生を冒険する女性の、セルフビルドツリーハウス「The Wee Treehouse」

田村千夏プロフィールアイコン | 2014.11.23
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「人生は終わりなき冒険である。」
自らのライフスタイルを冒険として楽しむLinda Aldredgeは、オーガニック化粧品などを扱うLuLu Organicsのオーナーであり、平日は都会で暮らし、週末は森の中のツリーハウスで過ごすアクティブな女性です。
彼女のツリーハウスは、ニューヨーク北部、ウッドストック近くの湖や池が点在する緑豊かな山間にあります。

三角窓が特徴的な可愛らしいこのツリーハウスは、なんと彼女のセルフビルドによるもの!
都会暮らしをしていた彼女は、ある時友人から勧められたのをきっかけに、思い立ってツリーハウスを建てることにしました。

最初は本当にシンプルに、防水のキャンバス地を屋根代わりに張ったテントのようなものを考えていましたが、ツリーハウスについて調べるうちに、彼女の創作意欲に火がつきました。
特に70年代に出版されたハンドメイドハウスの本に影響を受け、DIYで建築をつくっている友人たちにも感化されて、本格的に設計し始めたのでした。

いざツリーハウスを建てようとした時に大きな制約となったのは、やはりお金でした。彼女の予算は12,000ドル(約139万円 2014.11月現在)で、その中でつくれるサイズを考え、9㎡ほどの小さな家をつくることにしました。階段や家具のほとんどを伐採されて出た廃木でつくることでコストを抑えます。
ツリーハウスを建てる場所探しも難航し何度か予定を変更して、ようやく池の近くの大きな木に落ち着きました。

金銭面から暖房設備を導入する余裕もなく、ツリーハウスを建てても暮らしを維持していけるかどうか分かりませんでした。でも、彼女にはその心配はまったく無用でした。冒険に満ちた人生観に従って迷わずツリーハウスを建てた結果、彼女の思い通りのものができ上がり、見事に住みこなしています。

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ツリーハウスでの暮らしは、質素だけれど、自由で豊かなものです。週末にここへやってきたら、まず掃除と充電をして、音楽をかけます。ハンモックをかけ、食事をし、池で泳ぎます。ハーブやブラックベリーを摘みに出かけ、夜はキャンプファイヤーをして、たくさんの星を眺めます。
ロフトに上がると池が見え、ベッドまわりの低い窓からは夜に寝ながら外を眺めることができます。角にまたがるように設けたモザイク状の三角窓から入る光が、内部にさまざまな表情をつくってくれます。

エネルギーは、太陽光発電でDC-ACインバーターと充電式のバッテリーを使って確保しています。プロパンで料理のための鋳鉄ストーブを温め、寒い季節には暖房としても利用しています。冷蔵庫はないので、食料はセラミックの収納や木箱にしまっておけるもの以外は買わないようにして、冷やしたいものは、丈夫な袋に入れて池で冷やします。

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自分もツリーハウスをつくりたい!と思った人のために、彼女からのアドバイスです。

まず、木は生き物だと認識すること。
2つめに、敷地には、木の循環機構を促す水源のある場所を選ぶこと。
3つめに、ツリーハウスに上るための階段を取り付けたり補強をする際、木に負担をかけないこと。ロープを強く結ぶようなことをすれば、木を枯らしてしまいます。彼女のツリーハウスの足元は自立していて、木に寄り添うように建てられています。
そして最後に、大人の木を選ぶこと。

若い木ではツリーハウスを支えることができません。そして、たとえば24メートルの高さの木であれば、ツリーハウスは2.4メートルの高さにつくるのがベストだそうです。
つまり、木と共生する意識を持って、最適な条件の木を選ぶことが大切だと彼女は言います。木の成長に合わせて、ツリーハウスも少しずつ手を入れて成長させていくことで、木と共にずっと住み続けることができるのです。

ツリーハウスを建てる時には、ぜひこのアドバイスを思い出して、実践してみてくださいね。

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Via: tinyhouseswoon.com
inhabitat.com
luluorganics.com

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田村千夏プロフィールアイコン

Writer 田村千夏

たむらちなつ。東京在住、出版社勤務を経てフリー。

大学で建築設計を学び、建築をつくることだけでなく、建築や街ができるプロセスや、そこに関わる人々の手痕を伝える編集的な仕事に惹かれる。
もっと建築の可能性を探っていきたいという思いから「未来の住まい方会議」に参加。

近年中に地方へ移住を計画中。地方に軸足を置いた活動の広がりや、地方から発信していくことにも興味がある。

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