【前編】アラサー女子、ハワイのワケ有り土地に隠れ家コテージを建てる「Tiny House on the Big Island」

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タイニーハウスを一度建てるとその魅力にハマってしまい、二軒、三軒と建ててしまう人たちがいます。アイダホの約9㎡のトレーラーハウスに始まり、郊外の破格の土地にトレーラーハウスを増築した経験を持つKristie Wolfeさんもそのうちの一人。そんなKristieさんの次なるミッションは、実際に見たことも行ったこともないハワイの格安の土地に、DIYでわら葺きの小さなコテージを作ることでした。

トレーラーハウスに住むことで夢に一歩近づいた

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Kristieさんは数年前、試験的にDIYでアイダホに小さなトレーラーハウスを建てました。当初一年だけの住まいと考えていたトレーラーハウスでのシンプルな生活は、まさに彼女の理想の生活そのものでした。それまで抱えていた沢山のモノを処分し、その約一年後にはアイダホの郊外に格安の土地を購入、トレーラーを増築して本格的に暮らし始めます。

以前からデザインや家のことを考えるのが大好きだったというKristieさんの究極の夢、それはアメリカ各地に家を建て友達や家族を招いたり、使わない時は人に貸して収入を得ることでした。
でも物凄いお金持ちじゃないと無理よね、と半ばあきらめていた所、タイニーハウスに住み始めたことで「(タイニーハウスなら)できるかもしれない!」と次の瞬間にはインターネットで夢を実現する土地を探し始めたのです。

チェーンソーはDIY女子のたしなみ?家作りより大変だった木の伐採

ほどなくハワイのビッグ・アイランド(ハワイ島)に8,000ドルの土地を探しだしたKristieさん。驚くことに、行ったこともなければ、実際に見たこともないこの土地を本当に購入してしまいます。2013年の暮れには工具を携え初めて家族と現地を訪れ、工期は2カ月で予算は15,000ドルの小さなコテージプロジェクトがスタートしました。

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Kristieさんの購入したこの土地には、安いなりの理由がありました。
初めて現地で目にした夢の土地は背丈ほども伸びた草に覆われ、地面はぬかるんで歩くのも困難なほど。平らな場所を確保するためにはうっそうと茂る背の高い木々も伐採しなければなりません。さらに敷地内には捨て去られた古い車が二台も埋まっていました。

運悪く新年の一番人手が足りない時期に作業を始めてしまったこともあり、Kristieさんは少しでも仕事を進めたい一心で、自分でも扱えそうな一番小さいチェーンソーを購入します。普通ならこんな過酷な状況を前に泣きごとの一つも言いたくなるもの。しかしKristieさんと彼女の最大のサポーターであるお母さんは常に前向きで陽気、木の伐採中でさえ笑いが絶えません。

幸いインターネットで土地の整地を請け合う人が見つかり、そこから作業は一気に進展。しばしば雨で現場が水浸しになってしまった時は、側溝を掘ったりいらない布を敷きつめて解決しました。
ツリーハウスの雰囲気を味わいたいというKristieさんのこだわりのために、ホームセンターで調達できる材料から、重い角材を女性二人だけで吊り上げる方法も編み出しました。その場その場で母と娘が山積する難題を次々と解決していく様には目を見張るものがあります。

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母から教わった家作りの三つの極意

ここまで見てきた中で、「普通の女の子がどうやって家作りを学んだの?」という疑問がわいてきます。その質問の答えは彼女のDIYの師匠であるお母さんにありました。
Kristieさんのお母さんは、これまでにも家計の足しになればと将来の家の売却を見据えて資産価値を上げるためのDIYを施してきた達人だったのです。その様子を幼少時から見続けてきたKristieさんは、お母さんから家作りについて3つの大切な事を学びました。
一つは「まずやってみる」、二つ目は「解決できないことは何もない」、そして三つ目は「完璧を目指さない」。シンプルなようですが、これはKristieさんの人生のしるべとしても大きな意味を持っているようです。
後編では、Kristieさんの建てた家の具体的な機能をご紹介します。

(文=伊藤愛)
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Via: tinyhouseontheprairie.net