世界初の女性建築家にインスパイアされたパビリオン「Southern Highlands House」

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「小さな家は小さな神聖なる祠とも言える。そこは芸術を楽しむのに最適な場所といえよう。」
この言葉は女性として世界で最初に建築家となったマリオン・マホニー・グリフィンのものだ。これにインスパイアされ、デザインされたのが今回の建物。
デザインをしたのは、オーストラリアの建築事務所Benn and Penna Architectureで、セカンドハウス、またパビリオン(展示館)として建てられた。
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建築家にとって、もともと建っている建物のデザインを壊さず、模倣ではなく、かつ自らのデザインを表現するということは難しいことではないだろうか?

メインビルディングは2棟からなる双子の建物。ウイスキーの酒樽をイメージしデザインされた屋根がとても個性的だ。
そこで彼らはこの屋根に調和するデザインとして曲線を使った。さらに屋根つきの渡り廊下はアクセスを容易にする利便性と3つの建物のデザインをつなぐ役目も担っている。

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建物の色はオフホワイトとグレーなので、シンプルで建物のデザインそのものを引き立たせる。内装の色も同様にすっきりとナチュラルだ。

大きくせり出した屋根はポーチの屋根としての機能も兼ねていて、暖かい時期にはドアを開け放って思う存分読書をし、時にはポーチに出て足を延ばし目の前に広がる渓谷を愛でることができる。何とも贅沢な時間の過ごし方だ。
また彼らはこの建物に住むことも視野に入れてデザインをした。これによってこの建物は単なるパビリオンとは異なり、仕事部屋や図書室として使用したり、週末のゲストルームとして貸し出すなど様々な使い方ができる。

クライアントは地元のビルダーたちと連携し、施工工事にも深くかかわって、とてもスムーズにこのプロジェクトを進めたという。
建築家にとってはクライアントの喜びこそがやりがいであると言えないだろうか?
喜びにあふれたこの小さな祠は、双子のビルディングと共にオーストラリアの大地に調和している。

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文=加藤聖子

Via:
tinyhousetalk.com
architectureau.com