世界の小さな住まい方

休暇のために作られた、高い天井の小ぶりな別荘「Woody35」

石井敦子プロフィールアイコン | 2015.2.8
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ワークライフバランスが徹底しており、一般的に休暇が取りやすい北欧諸国では、別荘を持つ人が多い。前の世代により建てられた小さく質素な造りの別荘とは対照的に近年に建築された別荘はその多くが広く豊かな造りとなっている。

「より大きいものが良い」が主流だが、本当にそうだろうか?オスロを拠点に活躍する建築家マリアンヌ・ボルゲ。2004年にあるクライアントから第二の家ではなく小ぶりなキャビンが欲しいと問い合わせがあった際、彼女は小さな別荘に新しい可能性を感じた。

「土地の大きさと予算に限度があったから逆に私の想像力が刺激されたわ。私のクライアントはまるで大きな別荘を建てる際に求めるような要求を持っていたの。たとえば、リビングルームにオープンな暖炉を作るとか、キッチンや、独立したベッドルームやシャワーやトイレなどね。」とボルゲは回想する。たったの35㎡内にこれらすべての要望を収めるという挑戦。

通常の二倍の高さに作られた天井と大きな窓のおかげで、部屋には広がりが生まれ、35㎡という狭苦しさは感じさせない。また、暖炉の入ったロフトはコンクリートの打ちっぱなしでウッディ―なぬくもりのある部屋にクールでモダンな雰囲気を加えている。

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この家の建築をきっかけに建築家のボルゲのスモールハウスの建築への情熱に火がついた。彼女は現在の「より大きなものが良い」という風潮に風穴を開けるべく活動している。ボルゲはオプションで彼女の建築図面をクライアントに販売し、クライアント自身の手で家を建てるというサービスを提供していたが後にノルウェイ産の材料で建築したプレハブのキャビンの販売を開始した。

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「Woody35」と名付けられたのは、この家の大きさと木造という構造によるものだ。メインのキャビンには6人までの人が寝ることができる。また、リビングルーム、キッチンやバスルームも装備。これらすべてがベニヤ板のインテリアの中に綺麗に収まり、細部も美しくデザインされている。
リビングルームの一壁面に設けられた暖炉が組み込まれているのはコンクリート打ちっぱなしのロフトだ。ここの壁面にはメタルのハシゴが備え付けられて、ロフトの上に上る階段として使われるが、同時に部屋のアクセントにもなっている。

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また、もう少しスペースが欲しいというクライアントのためには15㎡の、ひと回り小さいWoodyも用意されている。
このWoodyファミリーはノルウェイで徐々にその数を増やしている。ノルウェイの西海岸にある大自然の中にWoodyのキャビン村が作られる計画もあるようだ。
Woodyはより多くの人に別荘を建てる機会を与えるきっかけとなるだろう。

Via:
dwell.com
thedesignhome.com
ideasgn.com
treehugger.com
swedenstyle.com
blog.livedoor.jp

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石井敦子プロフィールアイコン

Writer 石井敦子

世界の小さな住まい方ライター担当。

1970年東京生まれ、鎌倉育ち。幼少から未知の世界を求めて三輪車で近所を徘徊。米国への留学をきっかけに徘徊の規模が世界へと広がる。好奇心旺盛で、異文化への興味は特に強い。お呼びがかかれば、インドの結婚式にも馳せ参じるフットワークの軽さと、虫以外はなんでも食べる食欲がウリ。異国の住民目線の生活を好むため、旅の手段も現地人の家に転がり込む居候型。世界中で家族を増やす計画を実行中。鎌倉在住。好きな言葉「Nothing is useless(人生に無駄な経験なし)」

TW:@azkoishii
HP:Nomad Azko的世界放浪

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