バス?いいえ家です、南アメリカの自然の中を颯爽と走るモーターホーム「La Chanchita」

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バス?いや違う、これは家だ。
「La Chanchita」は60年代のメルセデス・ベンツ社のヴィンテージバスを改造したモーターホームである。60年代にはアルゼンチン・ブエノスアイレス市内を走るバスとして働き、その後トラックとして使用されていた。オーナーはこのバスを買い取った時に、モーターホームとして利用することを決めたのだ。

オーナーはフリースキーヤー。雪山をこよなく愛し、自然を楽しむ。南アメリカは自然豊かでスキーやスノーボードなどのウインタースポーツ、自然散策などの場所には困らない。しかし大きな問題があった。
雪深い山の中、スキーを楽しみたくても、彼がアクセスしたい場所は交通機関があまり発達していないので不自由するのだ。苦労してたどり着いても今度は泊まるところを探すのにも一苦労。今回の家は、そのような状況を解決する手段なのである。

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木でしつらわれた内装は、旅の最中でも、キャビンに宿泊しているかのようなアットホームな安心感とリラックス感を与えてくれる。彼のように、冬に旅に出ることが多いことを考慮すると、重要なのは寒さ対策である。スポーツ後の体温管理は必要不可欠だ。断熱材は効果の高いものが選ばれ、コストパフォーマンスが高いウッドストーブによって、快適な体感温度は約束され、雪による湿気とは無縁である。

電気は省エネルギーの12vのLEDライトと、電圧変換機を搭載。電圧は220vまで対応し、携帯電話のチャージやラップトップの充電もできるようになっている。
キッチン、冷蔵庫、シャワー、トイレ等、必要なものはすべて揃う。水を貯えておくタンクは2つ。350Lが外部に、150Lが内部に設置され、通常は大きなタンクから水を使うようになっている。しかし気温が下がり、水が凍る恐れのある時には、内部に設置された小さなタンクからの取水に切り替えられるように工夫されている。ベッドとソファーは兼用で、床下に収納できる折り畳み式のテーブルがついている。最高5人まで宿泊が可能だ。エンジンは冬山にも行けるように付け替えられた。

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9ヶ月の改装期間を経て、生まれ変わったヴィンテージバス「La Chanchita」は、現在、人々を案内するツアーバスとしても利用されている。世界中から訪れる人々を乗せ、今日もアンデスの山の中を走っているのだろう。

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文=加藤聖子

Via:
tinyhousedesign.com