世界の小さな住まい方

窓からの景色は一枚の絵になる、”照らされた部屋”「Camera Lucida」

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「カメラ・ルシダ」をご存知だろうか。カメラ・ルシダは絵を描くための補助器具で、上に取り付けられた半透明の鏡を覗き込むと、描く対象(モデル)が下に置いた紙にうっすらと写るようにできている。その残像をなぞって描くことで、普通よりも正確に絵を描くことができるのだ。ちなみにカメラ・ルシダとは、ラテン語で「照らされた部屋」を意味する。

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そのカメラ・ルシダにちなんで建てられたのが、アートスタジオ「Camera Lucida」だ。この建物を手がけたのは建築家Christian Tonkoで、2014年にオーストリアに建てられた。

なだらかな丘の斜面に沿うように建てられたCamera Lucidaは、縦長の建物で、「く」の字型になっている。普通であれば、「く」の字型の建物は横に曲がっているのがほとんどだが、このCamera Lucidaは丘の斜面から持ち上がるように曲がっているのだ。この角度は、縦長の建物に自然光が入りやすくなるよう計算されてのもので、名前の通り「照らされた部屋」と呼ぶに相応しい。

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建物の両端全面に取り付けられた、大きな窓から覗く風景は、補助器具のカメラ・ルシダのようにうっすらと町の風景を写し出してくれる。こうやって、丘からの絶景を眺めながら絵画や彫刻の作業に没頭できるのは、なんと贅沢な建物なのだろう。

内部は、オーク材、スチール、コンクリート、コルテン鋼の4種類で出来ている。外部もスチールとコルテン鋼の組み合わせで、内外共に一切ペイントなどの加工は施されていない。その為、素材の感触を活かしたシンプルさが持ち味だ。特に、洗いざらしのような素材のコルテン鋼は、アートのオブジェのように景色に馴染んでいるように見える。

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こんなアートスタジオなら、アーティストでなくとも中に入って美しい景色を堪能してみたくなるだろう。照らされた部屋から見える風景は、どのようにあなたの心に写るのだろうか。

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Via:
christiantonko.com
archdaily.com
designboom.com

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Writer アプティグラフト佳菜

アメリカ在住。現在、アメリカの大学にてジャーナリズムを専攻し、学位取得を目指す。普段大学では、社会問題や法律に関係した記事を中心に執筆。

アメリカに移住してからというもの、アンティーク&ヴィンテージのグラスウェアや小物の収集に明け暮れ、他にも、時間が出来ると布小物を製作したり、写真撮影をしたりと、あちこちに手を広げては時間が足りないのが悩み。

将来は、とにかく日本語と英語でどんな記事でも書けるマルチなジャーナリストになれるよう、日々修行中。

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