世界の小さな住まい方

木のシルエットが浮かび上がる、プレハブハウス「Prefabricated Nature」

前橋史子プロフィールアイコン | 2015.3.5
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イベリア半島の北東部に、海に面した丘があります。その丘の途中、畑や農場がたくさん点在する穏やかな土地に、1軒の家が建っています。海と森に囲まれ、周りの森を投影したかのような、壁に浮かび上がる木の模様がとても印象的な住宅です。

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この土地のまわりは、昔から農業や酪農を営んでいる家が多く、私たちが「家」と聞いて想像する、あの三角屋根をもった家がとても多いそうです。そして、どこまでも広がる海とユーカリの木の森。それが、この家の建つ土地の環境を表す要素です。その要素と家を調和させるように考え、建てられたのが、この「Prefabricated Nature」です。

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この住居は、6つのモジュールから成り立っています。そのモジュールをマドリードの工場で3ヶ月かけて作り、トラックでこの土地まで運び、その後3日間で組み立て完成されました。移送のためのトラックの大きさの関係もあり、この家はコンパクトな大きさになっています。この住居をデザインしたMYCCは、この取り組みが、「モジュールプレハブハウス」という新しい取り組みのきっかけになっていくのでは、と語っています。

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この家に使われている素材は主に2つ。コンクリートと木繊維を混ぜ合わせたものと、鉄の板です。短辺の壁と屋根には、コンクリートと木繊維を混ぜ合わせたものが使われています。コンクリートだけよりも自然な風合いができ、色に深みがでます。このグレーの色は、周りのユーカリの森の色味と調和させるように調整されました。また、繊維を混ぜることで、強度があがりメンテナンス性もあがるそうです。

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そして、印象的な建物正面に使われているのが鉄の板。ここにはユーカリの木の形が投影されています。近づいてみると、小さい穴が無数にあいて、木の形を描いているのがわかります。昼間、室内にいるとこの穴から光が差し込み、床に木の形の影を投影します。また、夜は室内からの光がもれ、とても幻想的な雰囲気を創り出します。

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この鉄の素材は、実は漁業用のボートの構造につかわれているものと同じです。この村は、もともと漁業が盛んで、昔から多くのボートがつかわれてきました。ここにも、周りの環境を取り込むというコンセプトが反映されています。

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新築でありながら、昔からその土地にある要素を取り込み、うまく調和させているこの住宅は、どんどん新しいものが生み出されている私たちの生活にも、良いヒントを与えてくれているのではないでしょうか。

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Via:
dezeen.com
designboom.com
mycc.es

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前橋史子プロフィールアイコン

Writer 前橋史子

青森生まれ、神奈川在住。津軽弁と英語とちょっとだけ標準語が得意。デザインの仕事をする中で自分の生活がなんだかよくわからなくなったため、”豊かにくらす”ことの答えを見つけるべく、日々模索中。主婦業をしながら、地元の野菜を販売したり、珈琲を提供したり、写真を撮ったり、ものを書いたりする生活を送る。NYに住んでいた頃にはまったビールと珈琲が大好きで、夢はいろんな人に美味しい珈琲とビールを届けられる場所を創ること。

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