ツリーハウス / 世界の小さな住まい方

育樹と建築の専門家が考えた!エコロジカルなツリーハウス「Dom’Up」

石井敦子プロフィールアイコン | 2015.3.10
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数々のツリーハウスを観ていてたまに思うことがある。これって木を傷つけたりしないの?自然を楽しむために作られたツリーハウスが、実は木にとって悪影響を及ぼしていたら本末転倒では?そんな心配を解消してくれるツリーハウスを今回ご紹介しよう。

オランダの育樹専門家のブルーノ・ド・グルネと建築家のニコラス・ディオーセルが創立したTrees and People(ツリーズ・アンド・ピープル)は、創設者それぞれの専門分野である、建築や樹木栽培や造園で培った経験を、人びとと木々の橋渡しとして生かすために作られた。

彼らは樹木を人々が回帰する場所としてとらえている。原始の時代の人間がそうしていたように、樹木を我々の巣として考えている。さらに木の上に住むのに、周辺環境や樹木自身に何も痕跡を残してはならないというのが彼らのモットーだ。

2015年、ツリーズ・アンド・ピープルは新しく木に吊るすキャビン「Dom’Up」を発明した。この革新的なツリーハウスの構想はツリーキャンピングや伝統的なツリーハウスの構造からインスピレーションを受けて描かれた。その結果生まれたのが、取付けが簡単で、周辺の環境や樹木に何の影響も与えないツリーハウスだった。

「Dom’Up」は軽量な16㎡の八角形のプラットフォームで作られており、2本の木々に吊るして使う。もちろんこれらの木々には吊るした跡が残らないような、ツリーズ・アンド・ピープルの特別な固定技術が生かされている。

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「幹や障害物でいっぱいの樹木にツリーハウスを設置するよりも、木々の間のスペースを生かすようなアイデアを採用しました。」とは育樹専門家のド・グルネの言。「私たちの開発した吊るすシステムによって、重量を分散しつつ、樹木に対し、より低い負担で構造を支えることができるようになりました。実際、樹木は風など、一定の力に適応できる耐性をもっていますが、樹木にとっても、我々の方式で複数の木々に吊るしたほうが負担が少なくて済むんです。」

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「Dom’Up」は耐紫外線加工された二重キャンバス地のテントが採用されている。また、保護屋根は耐久性のある熱溶接防水シートで作られており、広いテラスや開放的な内部空間はベッドルームやリビングスペースとして使用することができる。テラス側にベッドを移動することで、星空を眺めながら休むこともできるし、またベッドは室内のままでテントの扉をジップアップすることでくつろぎの夜を堪能することもできる。

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「Dom’Up」の構造は亜鉛メッキ鋼。自然なフローリングで構成され、シェルター外部もフラットな手すりで囲まれているためにセキュリティー面でも安心。フローリング部分は冬の間や雨の時期は取り外すこともできる。取り外しが簡単にできるのも利点だ。ツリーハウスに上るには手すり付の木製のハシゴか、階段、または吊り橋などの中から、設置する場所の地形によって選ぶことができる。

グルネによると、このツリーハウスを設置するのには2日程度あれば十分だそうだ。そして、一度設置すれば何年間も使用し続けることが可能。「エンジニアリングコンサルティング会社として知られるGreischによって装備本体が研究されており、軽量で耐久性があり、クレーンを使わずに建築または解体が簡単に行えます。」とグルネは言う。「全体の耐久性は天候にもよりますが、構造だけでいえば数十年、テント部分は十年持ちます。」

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しかしながら、欧州の安全基準であるCEスタンダードに基づき、「Dom’Up」のロープやストラップは5年おきに取り換える必要がある。ツリーズ・アンド・ピープルは現在、断熱バージョンの「Dom’Up」の開発に乗り出している。断熱バージョンには薪ストーブの暖房システムが搭載され、寒冷な北部や冬期の使用にも対応する予定だ。

「Dom’Up」は自宅の庭でも使用することもできる。子供のための秘密基地として設置したら子供たちは大喜びすることだろう。 また、木の上のぜいたくなキャンプや、木の上のオフィス、また木の上のリゾートレストランなど幅広い用途に使用可能だ。

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「Dom’Up」は世界中で購入が可能だ。設置はツリーズ・アンド・ピープルのネットワークメンバーまたはアーボリスト(樹木の栽培や手入れ方法に詳しい専門家)によって行われる。設置代を除いた「Dom’Up」の本体費用は25,000ユーロ(約330万円)だそうだ。

ご興味を持たれた方、こちらのサイトで問い合わせてみてはどうだろうか。treesandpeople.com

Via:
theshelterblog.com
gizmag.com
treesandpeople.com
greisch.com

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石井敦子プロフィールアイコン

Writer 石井敦子

世界の小さな住まい方ライター担当。

1970年東京生まれ、鎌倉育ち。幼少から未知の世界を求めて三輪車で近所を徘徊。米国への留学をきっかけに徘徊の規模が世界へと広がる。好奇心旺盛で、異文化への興味は特に強い。お呼びがかかれば、インドの結婚式にも馳せ参じるフットワークの軽さと、虫以外はなんでも食べる食欲がウリ。異国の住民目線の生活を好むため、旅の手段も現地人の家に転がり込む居候型。世界中で家族を増やす計画を実行中。鎌倉在住。好きな言葉「Nothing is useless(人生に無駄な経験なし)」

TW:@azkoishii
HP:Nomad Azko的世界放浪

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