10万円のスモールハウス?!IKEAが開発したスマートシェルター『Better Shelter』
日本でもお馴染みのIKEA。その慈善部門であるIKEA Foundationが世界を救う可能性を秘めた製品を発表していたことをご存知だろろうか?
それは一般向けのスモールハウスではなく、現在世界中でテント生活を送っている推定350万人にも及ぶ避難民へ向けて、シェルターやテントを“リデザイン”した製品。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)との協働で難民の仮設シェルターとして開発された、4時間で組み立てられるシェルターだ。
このスマートシェルターには、断熱壁、太陽光発電、人が直立できるだけの高さなどの基本的な機能が含まれていて、標準的なテントの6倍である3年間の耐久性を持つそう。
大型のインテリアと同様に、段ボール箱に梱包された状態(フラットパック方式)で現地に届き、組み立てに追加の工具や設備を必要とせず、組み立て時間は約4時間。夜間の明かりを提供するためのソーラーパネル と太陽光発電の照明があらかじめ備わっている。
構造はとてもシンプルで、金属線とパイプフレームの上にプラスチック製パネルを取り付けて組み立てられた長方形のユニットのみ。床面積は17.5㎡とのこと。
この「Better Shelter」は、2016年にはタイム誌の「2016年最高の発明品」の1つとしても選ばれた。
2024年8月時点で、これまでに87カ国、難民のための仮設住宅や学校、病院などの用途として9万個以上が展開され、昨年には過酷な生活を余儀なくされるウクライナの難民の住まいの場としても活用されたという。
現在の価格はおよそ7,500ドルですが、設計者らは大量生産により費用を1,000ドルまで落とすことが可能と考えているそう。
今後のブラッシュアップに期待ができそうだ。
輸送量・重量・価格・安全性・健康面・快適性に特に配慮してデザインされたBetter Shelter。自分の手で組み立てられ、安価で、エネルギーも持久できるこの家は、もしかすると未来に一番近いタイニーハウスなのかもしれない。
Via:
inhabitat.com
weburbanist.com
https://www.unhcr.org/jp/wp-content/uploads/sites/34/press/BETTER_SHELTER_PRESS_RELEASE_final.pdf
https://bettershelter.org/ikea-foundation-week/
bettershelter.org
wired.jp