世界の小さな住まい方

ミニマルな12㎡のお部屋に、パリの遊び心をギュっと凝縮!「12㎡ micro-apartment in Paris 」

伊藤 愛プロフィールアイコン | 2015.4.8
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Paris-12㎡-micro-apartment-tub01都市部の住まいの典型的なお悩みといえば、賃料の異常な高さと昼間でも薄暗い部屋の採光。フランス人建築家Julie Nabucetさんが彼女のクライアントから依頼されたのも、パリの中心部に位置する12㎡の小さなワンルームを通常の生活が送れる空間にリノベーションすることでした。

間仕切りの工夫で部屋の隅々に光を届ける

このお部屋の入口を入ってすぐのリビングから奥に位置するキッチンを見ると、そこには色や形、大小異なる大きさのボックスが積み木のように組み合わされたユニークな間仕切りが目に入ります。このような狭いワンルームでは通常の壁やカウンターで部屋を仕切ると余計に窮屈な感じを与えてしまうもの。この間仕切りは手前のリビングエリアと奥のキッチンエリアを視覚的にゾーン分けし、それぞれのエリアの収納の役割も果たしながら、一部開口を設けるなどキッチンに光を取り込むことを意識しているようです。

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キッチン右手に位置する2㎡のバスルームにはスペースの関係上洗面台を置くことができなかったので、その代わりとしてバスルームの外に小さな洗面スペースを設けました。この洗面台も壁で仕切ることはぜず、木立のような趣のパーテーションによって隣り合うキッチンとゆるくゾーニング。使う時だけ手前に持って来る壁のミラーも光を拡散する役割を果たしているようです。

狭い空間を広く使う収納アイディア&視覚のマジック

また狭い部屋を広く使う知恵として、本棚として利用されているリビング側のボックス下段にはソファー代わりのカウチが収納されています。これは半分引き出せばカウチに、すべて引き出せば二人分のベッドにもなる優れもの。部屋の中で大きなスペースを取ってしまうソファーとベッドを兼用し、必要のない時は仕舞うことで限られたスペースを有効活用しています。カウチ兼ベッドの右手にある何の変哲もないキッチンへの階段も、枕やクッションの貴重な収納スペースとして活躍しています。

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空間をできるだけすっきり見せるために、生活感の漂うものは隠してしまうのもこのような小さな部屋ではお決まりのセオリー。リビングの壁一面を覆う天井までのキャビネットには小型のボイラーが、キッチンシンク下の通常なら鍋などの収納になりそうな場所には小さな冷蔵庫がぴったりと収められています。

収納の工夫以外には狭さをうまくカモフラージュするために、このお部屋ではインテリアに白が多用されています。前述のリビングのキャビネットも全体を白にすることで壁と同化し、威圧感を感じさせません。

そのこだわりはキッチンと洗面のカウンター、二つのシンクはもちろん、水栓の色にまで徹底されています。白にこだわることで雑多な線を消し、広く見せる効果で狭い部屋の圧迫感を軽減させることに成功しています。

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狭い部屋こそ遊び心のスパイスを!

限られたスペースのお部屋では置く物も厳選することは大前提として、あまりにすっきりし過ぎるのもなんだか落ち着きません。その点、このお部屋では壁のキャビネットに取り付けられたセルジュ・ムーユ(風?)の黒のシェードやキッチンのツェツェ(これも風??)のステンレスシェルフ、洗面横の丸いタオル掛けなど、個性的なインテリアアイテムが程よいスパイスとして小さな部屋に動きを与え、楽しげな雰囲気作りに一役買っているようです。

一目見ただけでは住まいの候補にならないような物件であっても、そのデメリットを解消する工夫が楽しい効果を生み出した典型のようなこのお部屋。目利き次第ではリノベーションやDIYで手を加えることで、誰も気にも留めなかった古くて狭い物件が、自分にとってのお宝物件に変わるかもしれません。このお部屋の例を見ていると、インテリアに存分にこだわりたい人には中古物件のリノベーションも、住まいの有力な選択肢の一つとして検討の余地が十分にありそうです。

Via:
julienabucet.com
faircompanies.com

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伊藤 愛プロフィールアイコン

Writer 伊藤 愛

1975年、北海道羊蹄山麓の雪深い町に生まれる。
半ミニマリスト的生活を送る中で小さな家に興味を抱く。
元々美しい家やインテリアが三度の飯よりも好き。

学生時代訪れたイギリスで古い建築が市井の人々の生活の場として機能していることに感銘を受ける。
そのノリで札幌市郊外の中古住宅に住み、真夜中に突如思いつきで家のペイントを始める「ゲリラ的DIY」を敢行するも、
往々にしてあまりに微妙過ぎて家族にも気付かれていない。

そんな生活から一変、降って湧いた引っ越しで持ち家や車を手放すと、人生一度きりという言葉がリアルに迫ってきた。
今では美しい風景を求めて旅に出たいとウズウズする毎日。

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