世界の小さな住まい方

脱ひきこもり効果も!?学生が建てた、太陽光発電の省エネ住宅「Halo Home」

石井敦子プロフィールアイコン | 2015.5.28
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Halo01_House2013年中国の北京から内陸に350キロほど入った山西省の大同で開催された「SOLAR DECATHLON CHINA 2013」。同地域では、石炭が採掘され、中国のエネルギーを支えている。このイベントで銅賞に輝いた家が今回ご紹介する「Halo Home」だ。

「Halo Home」は、スウェーデンのチャルマース工科大学に在籍する25名の学生たちの手による作品だ。チャルマース工科大学は材料工学と建築工学に関して世界屈指の研究を誇っている。一体どんな住宅なのだろうか。

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広さ約60㎡の「Halo Home」。ハローという名前の由来は、太陽や月に薄い雲がかかった際に、その周囲に光の輪が現れる大気光学現象のことである。虹のようにも見えることから白虹(はっこう、しろにじ)ともいうそうだ。

虹のような形の「Halo Home」は、環境に優しい太陽光発電もさることながら、引きこもり問題を解決しようという試みもある一石二鳥のユニークな建築だ。4人の学生が住めるように建てられたこの家は、小さなプライベートルームと大きな娯楽エリアで設計され、つい自室で引きこもりがちになりやすい現代人たちを社会と関わるように仕向ける意図が見られる。内装及び外装には、北欧の伝統を重んじ、地元の木材が使われている。また変形する家具を採用することで家具が簡単に移動できるので、大きなスペースを確保可能だ。

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なだらかなカーブを描く「Halo Home」の屋根はアクリルと高強度ポリマーで被覆された単結晶シリコン太陽電池で造られた太陽電池だ。この太陽電池が、薄い防水ポリカーボネート膜上に搭載され、円形の家とアウトドアスペースを覆う天蓋として成形された。この屋根によって家の周りの半アウトドアスペースは雨風を防ぐことができるため、天候の悪い日でも有効活用ができる。

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円形の家は外周を最小限に、かつ熱喪失を抑えつつ、内側のスペースを最大に活用することができる効率の良い形状だ。家全体の窓は少ないが、南向きの窓からは明るい太陽光が部屋にそそぐように工夫されている。家の1階部分の中央にはキッチン、バスルームとテクニカルルームがある。その外周にリビングと自然光とエネルギー効率の高いLED照明を組み合わせるように設計されたダイニングルームが共有スペースとなっている。

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リビングのテレビ収納と本棚の上は熱処理された木材が使われたロフトとなっており、その上に4つのベッドが置かれている。それぞれのベッドの脇にはプライベート収納が設置され、適度なプライバシーが保たれている。また、娯楽エリアから奥まった静かな場所には勉強スペースが置かれている。

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家の外はしっかりした断熱壁、屋根、床、最小限の開口部で覆われ、パッシブハウス設計原理を用いて設計されている。冷暖房及び温水は少ないエアハンドリング・ヒートポンプユニットで供給され、中央のコアモジュールで最大95%熱回収する。

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太陽電池はしばしば厳格なモジュール策が故に、限界があると認識されている。しかし今回の「Halo Home」によって太陽電池の技術が現実に家の建築デザインに見事に融合する可能性を示した。
学生たちはこの「Halo Home」に今も交代で住みつづけているそうだ。それにより、持続可能な家への理解を深め、新たな建築の発想に役に立つ。次期「Halo Home」がさらにパワーアップするのは間違いないだろう。若者が考えた持続可能な家に未来への期待が膨らむ。

Halo17_room
Halo18_hammock
Via:
tinyhousetalk.com
halosweden.com
inhabitat.com
archdaily.com
wikipedia.org
wikipedia.org

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石井敦子プロフィールアイコン

Writer 石井敦子

世界の小さな住まい方ライター担当。

1970年東京生まれ、鎌倉育ち。幼少から未知の世界を求めて三輪車で近所を徘徊。米国への留学をきっかけに徘徊の規模が世界へと広がる。好奇心旺盛で、異文化への興味は特に強い。お呼びがかかれば、インドの結婚式にも馳せ参じるフットワークの軽さと、虫以外はなんでも食べる食欲がウリ。異国の住民目線の生活を好むため、旅の手段も現地人の家に転がり込む居候型。世界中で家族を増やす計画を実行中。鎌倉在住。好きな言葉「Nothing is useless(人生に無駄な経験なし)」

TW:@azkoishii
HP:Nomad Azko的世界放浪

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