組み立ても解体も簡単、シッピングコンテナを構造体にしたオフィス「Made to be Moved」

Via:designboom.com
Via:designboom.com

コペンハーゲンの海に面した岸壁に、いくつものコンテナが組み合わさったような形の大きなオフィスがあります。「Made to be Moved」と名付けられたこのオフィスは、その名の通り、動かされることを前提に考えられた、組み立ても解体も簡単な、シッピングコンテナでつくられた建物です。

Via:gizmag.com
Via:gizmag.com

3階建て、延床面積660㎡のこのオフィスは、Arcgencyという建築会社が自分達のためにデザインしたものです。彼らは、既存の概念を払拭し、常にモノのライフサイクルや、再生可能なモノを中心に考え、サステナブルなデザインや建築を理念に掲げている建築家達です。今回のこのシッピングコンテナを使った自社オフィスは、まさにその理念を反映したものといえるでしょう。

Via:gizmag.com
Via:gizmag.com

1つ1つがコンテナとして使われていたものを構造体に用いているため、ユニット自体の強度はかなり強く、部屋として十分な構造体です。それだけではなく、パネル1枚1枚が、断熱材や窓、床スラブ等を直接ネジで固定するために必要な強度を持っているので、このように1つの大きな建物として成り立たせることができます。

Via:designboom.com
Via:designboom.com

内装も、このコンテナのモジュールを生かしてつくられています。フレキシブルなスペースはミーティングルームやストレージにぴったり。一見、無機質にも感じられますが、実際は窓が大きく開放感があり、夏は空調をつけずに窓を開け放つだけで快適にすごすことができるそうです。

Via:gizmag.com
Via:gizmag.com

実際の工事では、コンテナを組み上げるのに丸2日、断熱材や窓の取り付けなど、細かい工事に4ヶ月かかりました。コストは1㎡あたり約$890(11万円)。通常、同じ規模のオフィスを作る場合に比べて、約3分の1のコストだそうです。また、もし解体したとしても、ここに使われてる素材のうち90%はリサイクル可能なモノなので、廃棄物の量をかなり減らすことができます。

Via:designboom.com
Via:designboom.com

環境にも配慮され、なおかつ低コストのこのオフィス。自らデザインしたからこそ、理念がしっかりと伝わってきます。個人規模の家だけではなく、集団で使う大きい建物こそ、このような理念の下でデザインされることが、これからの未来に必要になってくるのではないでしょうか。

Via:
gizmag.com
designboom.com
arcgency.com