見捨てられた三角屋根のコテージが復活!湖を眺めながら暮らす家「 Extension House vB4」

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目の前には小さな湖が広がり、周りを木々で囲まれたのどかな風景に建つ一軒の建物。リノベーションされた今では信じがたいが、以前は長らく放置されるがままの陰気なキャビンだったという。しかし静かな湖畔の景色に魅了された女性に救い出され、懐かしさとモダンが共存する美しい住まいとしてよみがえった。

この家はベルギー第二の都市アントワープから車で15分の所にある。当初の床面積は54㎡で、小屋の救世主となった新しいオーナーのRini van Beekには狭く感じられた。彼女からリノベーションの相談を受けた建築事務所のdmvAは、オリジナルの三角形のフォルムがこの環境には一番適していると判断。そのため全てを取り壊すのではなく、既存の建物に増築で必要な広さを確保することになった。

地域の建築基準により、増やすことのできる面積の制限は26㎡まで。dmvAの建築家たちは施主が惚れ込む美しいロケーションに敬意を払いつつ、母屋と並んだ時に違和感を感じさせない増築の形を模索した。最終的に辿り着いた答えは、直角台形をひっくり返し、屋根の傾斜にぴったりと寄せたシンプルなプランだった。

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増築部分には玄関と収納、バスルーム、ダイニングルームが設置され、ダイニングテーブルは時に彼女のオフイスも兼ねる。高さが床から天井まである本棚は、間柱を利用して造作されたもの。オリジナルの三角屋根のアイデンティティーを感じさせるため、あえて残した勾配部分の骨組みと、増築部分の間柱が同じ位置に並ぶことで、空間に心地よいリズムを生み出した。

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増築部分のガラス戸は継ぎ目のない一枚物を使用し、家の中から窓枠が見えない工夫がなされている。室内にいながら、まるで戸外にいるような錯覚を覚えるのはそのためだ。白で統一された内装は実際の面積以上に広がりを感じさせてくれる。Riniいわく、陰気だったという元の建物の印象は、今やすっかり一掃された。

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湖の見える家の裏手には大きなデッキが敷かれ、天気の良い日はできるだけ外で料理をするというRini。日替わりでランチを取るテーブルを移動し、湖の眺めを様々な角度から楽しんでいる。時にはボートで湖上に漕ぎ出し、冬にはここで家族と一緒にスケートを楽しむ。外遊びで冷えた体をあたためる暖炉が近くにある幸せ。得難いロケーションのため、放置された空き家を手に入れるというRiniの賭けは、想像以上の素敵な結果を彼女にもたらしてくれたようだ。

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