虹色の光が射す、元・教会のコミュニティースペース「The Chapel」

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ベトナムのホーチミン市には地域の若者が集まるコミュニティースペースが不足していた。そのため、教会を地域のコミュニティースペースとして作り変えることとなった。このプロジェクトに関わったのは、地元ホーチミン市を拠点に活躍する設計事務所a21studioだった。彼らは竹を用いたプロダクトデザインや、緑の草原に佇むフレームだけの教会など、実験的な建築物まで様々な仕事を手がける設計事務所だ。

限られた予算の中、彼らは知恵を絞る必要があった。最低限の材料と、教会がもともと持っていた廃材をうまく利用し、出来上がったのが、a21studioの建築した「The Chapel」だ。

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なんとも気持ちの良さそうなこの空間。天窓から入る陽光が天井からつるされた虹色の布を通して優しく部屋にそそぐ。明るい虹色は若者が集まる空間にピッタリだ。

室内は真っ白に塗装され、建物の両脇は壁がなく、来るものを拒まない教会スピリッツを感じさせる。建物の両側の入り口上部の窓にも虹色の布が張られ、室内の雰囲気をとても明るくしている。

部屋の中央の壁よりには、ツリーのような形の白く塗られたステンレスの支柱が立っている。このツリーの幹や枝が、高い天井を支えると同時にシンボリックなオブジェの役割を果たしている。ツリーの真上には丸く配置された照明が設置された。同様の照明が他に大小三つあり、夜間は室内を明るく照らしている。

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室内は板敷で家具は古いアンティークの戸棚がひとつと、大きなテレビが設備として置かれている。ここでは、イベントが開かれたり、趣味の会などが開催されている。また、普段はカフェとして近隣の人々に解放されている。ここで使用される家具はすべて温かみのある木製で、室内の虹色の装飾とともに、この場の雰囲気を柔らかいものにしている。

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ここに集まる若者たちの賑やかな談笑が、明るい室内から聞こえてくるようだ。
シンガポールで開催された世界建築フェスティバルで、この「The Chapel」は2014年のワールド・ビルディング・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

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