ノルウェーの岩場に建つ、シンプルな機能美キャビン「Cabin Knapphullet」
ノルウェー南東部にあるフィヨルド(氷河による浸食作用によって形成された複雑な地形の湾・入り江)の中に、岩に張り付くように建てられた家がある。その家は、大自然の中にありながらモダンな美しさを兼ね備えるキャビンだった。
岩場と藪に隠されたようにも見える「Cabin Knapphullet」(ボタンの穴という意味)の屋根は、スロープに階段がついている。屋根に上れば周囲を見渡すことができるし、海も見える。
しかし、リビングスペースではイメージが一新される。モダンな家具に、温かみのを感じさせる薪ストーブ。そして天井と壁のスロープ部分は、細く割かれたオーク材で覆われていて、巨大なバスケットに包まれているような安心感を覚える。部屋の端のコンクリートベンチは、椅子をよせればカウンターテーブルにもなりそうだ。
床面積30㎡というスモールハウスなので、室内には必要最低限のものしか設置されていない。休暇を過ごすセカンドハウスに使われることを想定して建てられたので、キッチンスペースもない。しかしポーチに出れば、バーベキューコンロがあり、調理には困らないだろう。
ベッドは、これまたオーク材でできたロフトの上にある。なんとこのロフト、天井からワイヤーで吊り下げられているので、下のスペースも有効活用できる優れものなのだ。ロフトの高さからも全面窓が見え、圧迫感を軽減してくれる。
ポーチの反対側にも出入り口があるので、通り抜けができる。風通しも良さそうだ。
北欧ノルウェーの夏は短いが、このキャビンで過ごせば余すところなく休暇を楽しめるのではないだろうか。「暖かくなれば、またあのキャビンに行ける」と思えば、長く暗い冬を乗り越える励みにもなることだろう。