古さとモダンさを兼ね備えたリノベが冴える。多目的機能を持つレンガの元農家小屋

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ここはオランダ・リンバーグという農業地帯にある小さな村。

建築家ジャンヌ・ダッカーとアントン・ ズートムルダー、そしてデザイナーのエリス・ズートムルダーが協力し、ブリキ作りだった農家の家をリノベーションし、非常に雰囲気の良いギャラリー、休日を過ごす別荘へと変身させた。

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全体の外観は古めかしいレンガ造りの家に、空間を開けながら横に長い板を貼り付けたモダンな建築物が合体しているという印象だ。
右側の建物の外側は概してレンガ造りの古い家という印象を受ける。この部分はギャラリーのリビングスペースやオフィスとなるのだが、中に入れば木造の居心地のいい空間という印象に変わる。

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効果的に使っているのがこの広く大きなガラス窓や扉だ。この正面玄関の大きな窓がモダンさを感じさせる。レンガのみの農家小屋という外観では、古めかしいくシックな良さはあるが、光が取り入れにくい分、非常に閉鎖的で暗い印象を受けるが、大きな窓のおかげで光を十分に取り込むことができ、明るく開放的な印象にすることを可能にしている。

ガラス窓にすると防犯上の不安が出てくるが、スライド式でこのガラス窓に「鉄の蓋」、すなわち横スライド式シャッターができるようになっている。イベントの際に高価なものを搬入したとしても安心できるように、という配慮だろう。

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室内を見ても新旧の調和が見事になされている。先ほど述べた大きな窓枠を室内側からみると、それが美しい木のフレームで囲われていることがわかる。しかし天井を見上げれば、年季の入った木のフレームをみることができ、歴史的な建築物であることを思い出させてくれる。
この二つの特徴が相反することなく見事に調和し、新しい魅力を引き出すことに成功していると言えるだろう。

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2階部分に目を向けてみると、伝統があり趣を感じさせるレンガ造りの家の真ん中に割って入るように、現代的な造りの大きな窓がすっぽりとはまり、屋根から飛び抜けている。2階の内装を見てみると、そこから光がまばゆいほど取り入れられ、白一色の壁にそれが反射しより明るさを増している。

ここは主にギャラリーとして使われることを想定しているのだが、ギャラリーが白であることは重要だ。そのニュートラルな色の中から、その無の状態から芸術家が作品を配置することによって何かを生み出せる可能性を秘めているからだ。しかしこのスタジオの場合は、古い木のフレームをあえてむき出しにすることによって、このギャラリーの個性を出している。

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この木製の美しい縦板で作られた螺旋階段は、その美しさ以上の役割を持つ。

休暇を過ごすホリデーハウスとしての役割もあるため、1階は主にリビングスペースとして機能することができ、トイレ、洗面所やキッチンなどもあり、食事ができるテーブルもある。2階は主にギャラリーとなることを想定しているため、もしこの2つの空間に関連性ができてしまうと、人が楽しくおしゃべりしながら食事をしている様子を下目に作品鑑賞をすることになってしまい、純粋な作品鑑賞ができなくなってしまうのだ。

しかし、この螺旋階段のおかげで、この2つの空間をきっちりと分けることができる。この建築物が「スタジオ」という役割を果たす場合において、機能的にも重要な役割をなすのだ。

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他にも、庭の黒く規則正しいタイルで作られた花壇に植えられている花は現地の種を使うなど、この土地ならではの個性を出している。目的に合わせた機能性を考え、独自の特色を出している点は非常に素晴らしい点と言えるだろう。

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