まるでジブリの世界。イギリス郊外で見つけた未来的な建物の正体は?

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ロンドンの北西に位置する閑静な居住区に、近未来の住宅が現れた。その佇まいはジブリ映画の『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』をも想起させる。

「Sainsbury’s(セインズベリーズ)」という大手チェーンのスーパーマーケットが、カムデンタウンに新規店舗を出店する際、その隣りに集合住宅が欲しいと考えた。白羽の矢が立ったのが、Grimshaw Architectsというイギリスの建築事務所。議論を重ねた結果、工業デザインを住宅に持ち込むというアイデアを採用した集合住宅が完成した。

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見た目は非常に未来的だ。遠目に集合住宅だということはわかるが、ここからは非常に洗練されたモダンな暮らしがイメージでき、「未来の暮らしを実現させる集合住宅である」というコンセプトを理解させてくれる。

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この集合住宅は全部で10つ。それぞれの住宅には3つの寝室があり、キッチン、お風呂、洗面所も完備。家族が快適に暮らせる。

縦長の構造上、スペースを広く使うことができ、このガラス張りのリビング部分は2階分の高さがある吹き抜けとなっている。

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この吹き抜けリビングスペースの全面がガラス張りとなっているおかげで、日光を最大限いっぱいに取り入れることができ、室内が非常に明るくなる。

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このガラス張りの部分は、上に向かってスライドできる。上にスライドすることでバルコニーにアクセスできるというユニークな仕掛けになっているのだ。

そしてその立地にも注目したい。川沿いのギリギリの位置に建てられており、川沿いの歩道を覆い被さるようにしてこの集合住宅は立っている。つまり、雨の多いロンドンで濡れずに歩けるという利点がもたらされるのだ。

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もっぱらロンドンでは雨が降っていようと傘をささないほど雨を気にする人はそれほどいないのだが、この川沿いのスペースでなら雨の中でお茶を楽しむことだってできるのだ。つまり、この建物が覆いかぶさっていることで、このスペースをまるまるコミュニティースペースとして利用できるようになるというわけだ。

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外見からみると丸みがかった部分が一つのユニットだと思われるかもしれないが、実はその右隣にあるガラス張りの部分はリビングスペースになっている。そして上記の「丸みかかった」宇宙船のような部分は、ガラス張りのスペースとは打って変わってプライバシーを確保するのに最適。ベッドルームとして使われている。

中の壁は白を基調としていて、窓などにはさまざまな幾何学模様が施されている。本当に宇宙船の中に住んでいるかのような錯覚に陥る。

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未来の集合住宅のように見えるが、実は1988年に建築されたというから驚きだ。しかし、丸みがかった「コックピット」部分には飛行機にも使われているアルミニウムのパネルを使っているので、サビが目につかず、古びた感じを見せていない。古いのに新しい。そしてこれからも革新的な建物でありつづけるに違いない。

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