オンデマンドで店舗や家具を出力。コミュニティを盛り上げる「Wikiblock」のオープンソース・ツールキット

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3Dプリンタなどをつかった「デジタル・ファブリケーション」(デジタルによるものづくり)は、個人を「つかうひと」から「つくるひと」へと変える「パーソナル・ファブリケーション」のトレンドを生み出しました。そして、ものづくりのためのデザインや知識をネットワークでシェアする、「ソーシャル・ファブリケーション」というムーブメントが起きています。

アメリカの非営利団体 Better Block(ベターブロック)が立ち上げた、「Wikiblock(ウィキブロック)」が提供するオープンソースのツールキットの持つ意味を考えていきましょう。

コミュニティのための場づくりを考える「プレースメイキング」

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Better Blockが2016年に立ち上げたWikiblockは、ベンチ、イス、プランター、ステージ、バス停、ポップアップ・ショップなど30種類以上のパブリックスペース向けのデザインデータをオープンソースとして公開。だれでもインターネットでダウンロードして組み立てることができます。

データを工作ショップに持ち込み、CNCルータと呼ばれるコンピュータ制御の工作機械で合板を切断し、切り出された各パーツをジグソーパズルのように組み立てます。DIYや建築のスキルも不要。接着剤や釘を使うことなく、現場ですばやく組み立て・分解が可能なキットです。

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Better Blockのジェイソン・ロバーツは、Wikiblockをはじめた理由をこう語ります。
「コミュニティの場のためのいろんなツールの製作の敷居を低くしたかった。CNCルータがあるメーカースペースさえあれば、建築家や大工、建設業者なしに、住民だけでものづくりができるようにしたかったんだ」

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アメリカ・セントポールのポップアップ野外シアターでは、住民たちによるWikiblockの検証実験が行われました。

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自分たちの街のデッドスペースを地域の住民の手で活性化させること。ここには、「プレースメイキング」というコミュニティのためのサステナブルな“場づくり”の考え方が生かされています。そして、デジタルによるものづくりをオープンにすることで共有し、世界中のコミュニティが有効活用できる試みにもなりました。

DIY(Do It Yourself)からDIWO(Do It With Others)へ

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MITメディアラボのニール・ガーシェンフェルドの『ものづくり革命』や、クリス・アンダーソンの著作『MAKERS』が紹介したメイカームーブメントが世界中で進行しています。「つかうひと」と「つくるひと」の垣根がなくなり、FabLab(ファブラボ)のような工作機械を備える実験工房で、だれもが自由にものづくりが行える時代が到来しつつあります。

ソーシャル・ファブリケーションとは、パーソナル・ファブリケーションにソーシャルメディアとオープンソースを取り入れた「みんなでシェアするものづくり」。FabLabの提唱するDIWO(Do It With Others)のスタイルです。

製作体験を共有してコミュニティを活性化

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アイデアやリソースをシェアするだけでなく、場づくりのための製作体験を住民が共有すること。ジェイソン・ロバーツがWikiblockに込めたねらいです。コミュニティの住民たちがツールキットを通して地域の活性化プランを練り、データをカスタマイズしたり、ダウンロードしてテストする。そして、その場でみんなでいっしょに組み立てる。役割が終わったら分解して撤収する。こうした一連の共同作業を通して、コミュニティを活性化しようという意図です。

Wikiblockの住民参加のものづくりを通したボトムアップなアプローチは、ソーシャル・ファブリケーションの“ソーシャル”という意味に新しい価値をあたえるものかもしれません。

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(提供:ハロー! RENOVATION