プロサーファー&フィルムメーカーの自由人、サイラス・サットンの2台目モバイルハウス

via: instagram.com/cyrus_sutton

涼しげな眼差しが魅力的なサイラス・サットン。中学時代を日本の福岡で過ごしたプロサーファーであり、ドキュメンタリーのフィルムメーカーだ。REEFのブランド・アンバサダーや、アウトドアの創造性とDIYを通した持続可能性にフォーカスしたサイト「Korduroy TV」も主催する、多才なモバイルハウスのトラベラーでもある。サイラスが2016年に完成させた2代(台)目キャンパーと新作映画についてご紹介しよう。

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「何といっても一番の自慢は、このハンモックデスクだね。気分転換しながら仕事に集中できるんだ。ハンモックは素晴らしいよ。収納はかさばらないし、椅子代わりにもなるし。ドアの前とか、いろんな配置で吊るせるように、たくさんフックが打ってあるんだよ」

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1982年にカリフォルニアのサンディエゴに生まれたサイラス・サットンは、プロサーファーとして、サーフドキュメンタリーのフィルムメーカーとして、全米各地のツアーを追ってトラベルを続けていた。2005年公開の16mmドキュメンタリー『Under the Sun』の制作費用の負担によるやむにやまれぬ経済的な事情から、2006年に住居を引き払ってバンでの生活をはじめることになった。

初代のキャンパーは、フォード・エコノラインのバンを改造したもの。2006年〜2015年の9年間をそこで寝泊まりすることになる。2013年には、REEFから依頼されたサーフ・ロードムービー『Compassing』のプロジェクトのためと称して、ちゃっかりルーフトップにロフトを増設したりしている。

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サイラスは2015年に、ペットのグルーミングショップとして利用されていたダッジ・スプリンターと偶然に出会い購入を決める。全長4.4m・天井183cmの広々としたスペース、そして何といっても30kmという燃費の良さとディーゼルのガス代の安さが魅力だった。

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サイラスは改造の前に、自分がロードライフに本当に必要とするもののリストをつくった。
暖を取るための薪ストーブに断熱材と木造の壁、機能的なキッチン、冷蔵庫と換気扇のためのソーラーシステム、プロジェクトのためのデスクスペースが必須アイテムとして残った。

「プロパンガスはウェットな熱が床にたまりやすくて、匂いも苦手なんだ。その点薪ストーブなら、薪の確保も容易で、ドライな熱がウェットスーツをすばやく乾燥させてくれるんだ」
キッチン用のプロパンは後部ハッチに取り付け、ガス漏れや爆発のリスクを回避している。

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照明には、クリスマス用のワイヤーランプを使っているのが可愛い。カウンタートップとキッチンの下部は収納スペースになっている。

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サイラスは、インターネットを片っ端から調べ、キャンパーの空間を有効活用している事例を調べていった。
「小さい頃に過ごした日本文化の影響が役に立ったんだ。一つの設備を多面的に機能させるというカルチャーのね」

はね上げ式ベッドの底面はホワイトボードとコルクボードになっていて、映画の絵コンテやプランやメモが取れるように工夫されている。ベッドの土台は十分なスペースの収納コンパートメントになっている。

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内装には、発泡ポリスチレンフォームの断熱材の上に、杉とレッドウッドのさねつぎ材を敷き詰め、床には竹の無垢フローリングを採用。

「コーティングによって大好きな木の香りを消したくなかったから、オリーブオイルとレモンジュースを2:1の割合でミックスして、エッセンシャルオイルを数滴たらすっていう、天然コーティングのオリジナルレシピを考案したんだ。市販のコーティング塗料を使ったのは、キッチンのチーク材のカウンタートップだけだね。」

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「改造費用は、ソーラーや木材などのすべての素材と備品、友達の人件費を含めて合計8000ドルくらい。基礎工事は2人で9日間で完了させて、仕上げや備品の配置は一人でマイペースで行って2週間半かかったかな。」

「犬とキャンパーで過ごすのは衛生的にどうなの?っていう人がいるけど、ソーラーで天井の換気扇を動かせるし、彼女(愛犬マイリー)は普段はおとなしいけど、知らない人がバンに近寄ってくるとちゃんと知らせてくれるから、セキュリティの面でもいいんだよ」

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延長煙突をルーフトップに付けて停車している図は、何ともユニーク。フィールドの中で伸び伸びと遊ぶマイリーも嬉しそう。

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サイラスは、Kickstarterのクラウドファンディングなどを通じて、2016年に3年の歳月をかけたドキュメンタリーフィルム『Island Earth』を完成させた。ハワイでのGMOをめぐる農業と健康問題に焦点を当てた硬派な作品だ。

サーフィンと自然を愛するサイラス・サットンは、自由でピュアな眼差しで未来を見つめている。
自然体で社会やコミュニティにコミットする彼の姿勢は、とても清々しい。

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en.wikipedia.org/wiki/Cyrus_Sutton
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