あえてビーチサイドを避けるリゾートハウス 「Fish Creek House」

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南半球にあるオーストラリアといえば、通称「エアーズロック」と呼ばれる、世界遺産で有名な「ウルル」をまず思い浮かべる人が多いのでは。「ウルル」は、原住民アボリジニーにとってはとても神聖な場所とされ、2019年10月26日から観光客向けの登山が禁止となることでも話題になった。

広大な土地を誇るオーストラリアの全人口の80%は、海辺に近いところに住んでおり、砂漠の多いアウトバックに住む人の方が少ない。

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建築会社Archiblox Pty Ltd (アーキブロックスPty Ltd) が設計・施工を手がけた、オフグリッドの別荘「Fish Creek House」は、オーストラリアでよく見かけるビーチハウス型の別荘とは少し異なり、あえて海から少し離れて、木立をバックにした場所に建っている。

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オフグリッドな別荘は、二酸化炭素をなるべく排出しないような素材を使って、家の冷暖房や照明などに電気の使用量を最低限に抑える工夫が随所にみられる。

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スライド式の大開口のガラス戸のあるリビング&キッチンは、冬には室内に暖かい太陽光をふんだんに取り込み、日差しの強い夏には、抜群の風通しで快適に。これも、冷暖房などの使用を最低限に抑える為の設計となっている。寝室は北西で、夏の強い日差しを避け、冬の寒い風の影響を受けにくい配置に設計されている。

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年間を通して日差しが強烈なオーストラリアでは、紫外線対策として、子どもでも屋外ではサングラスを着用している。オーストラリア旅行向けガイドブックでも、サングラス着用を推奨しているほどだ。

そんなオーストラリアの家では、強い日差しを避けるために、パーゴラや日よけの天幕が必須となっている。この別荘もひさしを長くすることで、リビングへの強い日差しを軽減している。

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室内の壁は、Dulux のArmy Fatigue (アーミー・ファティーグ)の芝の緑色で、外景の草原や木々の色に溶け込み、暖炉の後ろの錆びたような銅板の壁色は、大木の太い幹のような風合いで、室内から見る景色とつながっているようだ。

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外景を望むオープンキッチンは、マットな黒色のカウンターや銅色の壁が目を引き、ブラックバットというオーストラリア産の材木使用の床とのコントラストがモダンな印象。天井はナチュラル・ホワイトで、明るさを演出している。

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家の後ろには露天風呂が配置されていて、外部からの視線を気にすることなく、リラックスして入浴タイムを楽しめる。

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リビングからフラットになった広いウッドデッキも、オーストラリア産の木材を使用。

外壁には、オーストラリアでは有名なWoodland Grey (ウッドランド・グレー) 社製の波トタンを使用している。トタンは軽量で加工しやすく、丈夫なことから、海が近く、風も強いオーストラリアの土地柄にも非常に適している素材だ。素材としては安価なことから、DIYやセルフビルドが盛んなオーストラリアでは多く使われている。ダークグレーの色がオーストラリアらしいモダンな雰囲気に。

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天井はフラットな鉄製で、北西に配置された寝室には天窓があり、適度な太陽の光が冬の室内の暖房効果を高めている。夜は、満点の星空を眺めながら眠ることも。

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オーストラリアの家は、土地の広さを十分に生かした設計が多い。地震などの自然災害の心配が少ないことから、DIY業者も多くセルフビルドで簡単に家を作る人も多いので、個性的でアーティスティックな家作りが可能だ。

環境にも配慮した持続可能な別荘で、大地と海を身近に感じながら、オーストラリアらしい快適な別荘ライフが満喫できそうだ。

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