大自然の真ん中に置いてみない?カプセルハウス「Mr. Plocq’s Caballon」

via: https://www.archdaily.com/

フランスには、パリを流れるセーヌ川を始め、リヨンのローヌ川、トゥールーズのガロンヌ川など有名な川が多数あり、古くから運河を中心に発展してきて、その運河網は約9,000Kmに及ぶとも。中でもフランスの中央部を流れるロワール川は、長さ1,012km、流域面積117,054 ㎢で、フランス国土の5分の1を占めるといわれている。そんなロワール川の河口域、フランス西部にある Vendée (ベンデ) 地域の大都市ナントが、今回のスモールハウスの舞台。

via: https://www.archdaily.com/

「Mr. Plocq’s Caballon ・ミスター・プロックス・カバロン」と呼ばれるカプセルハウスを建築したのは、Aurélie Poirrier (オレリー・ポワリエー)、 Igor-Vassili Pouchkarevtch-Dragoche (イゴール・バッシリ・プッシュカレッチ-ドラゴッチェ)、Vincent O’Connor (ヴィンセント・オーコナー) の3人。

via: https://www.archdaily.com/

6.5m x 3.8m x 3.3mで総面積15平方メートルで、ベットが入る程度で非常に小さい。単純に寝るためだけのポッドのようなもので、日本でいえばカプセルホテルの一つと言っても過言ではないかもしれない。

卵のような形状をしたカプセルホテルが、川沿いの大自然の中にポツンと置いてある。暗闇の自然の中、カプセルから漏れる明かりがとても幻想的で美しい。

via: https://www.archdaily.com/

カプセルホテルは木製で、非常にアンティークな雰囲気の佇まい。外形は船の形状を模したもので、下半分は木の艦板、上半分の屋根に当たる部分は白いキャンバスと透明のプラスチックが張られている。

via: https://www.archdaily.com/

入口はカプセルの一部が上下に開いて、飛行機のハッチとタラップのようになっている。

via: https://www.archdaily.com/

室内は船のデッキにいるようだが、流線型の形や、むき出しのフレームを眺めると飛行船の様でもある。
つまり、両方のイメージをインスパイアして作られているのだ。

via: https://www.archdaily.com/

ゲストは、寝転んで降り注ぐ星を見ながら、誰にも邪魔されない贅沢な眠りにつくことが出来る。

via: https://www.archdaily.com/

太陽が昇る頃になると、プラスチックが貼られた天井から朝日が差し込み、その明るさで目覚めることだろう。都会で感じることのない、自然のバイオリズムを感じながら。

via: https://www.archdaily.com/

ベットの後ろにある樽の様な扉は360度回転する仕組みになっていて、付けられた名前は「shower airlock (シャワー・エアロック) 」。漫画などで読んだ海賊船の扉を彷彿とさせる。
その扉の先には、ドライトイレ&洗面室、まさにシャワー・エアロックがかくれている。

via: https://www.archdaily.com/

トイレもカプセルの雰囲気を壊すことなく、美しい木目を生かし、温かみを感じる内装になっている。収納スペースもさりげなく確保されている。
カプセルホテルの中は、海賊船や飛行船のなかにいるようで、少年時代の秘密基地で遊んだ、ワクワク感や冒険心が呼び起こされる。

via: https://www.archdaily.com/

日本と同じく四季があるフランスの冬は非常に寒い。しかし、このカプセルハウスには暖房設備もないため、ロワール川に出現するのは5-10月までの間。また、キッチンなどもないため、長期滞在には向かないのも残念なところだ。

都会で働いている人は睡眠時間が短くなって、健康障害にも影響を及ぼすといわれ、最近では「質のよい睡眠」の重要性が叫ばれている。

「ただここに寝るために泊まりに来る」というのは、とても贅沢なようにおもわれるが、現代人には必要とされる体験かもしれない。時には、都会の喧噪から逃れ、大自然の静寂の中で「星空を眺めながら眠りにつき、日の出とともに起きる」。そんな自然のリズムをとりもどし、心身ともにリフレッシュする為に、冒険心をくすぐるこんなカプセルホテルに、泊まりに行ってみませんか?

via:

https://www.archdaily.com/