タスマニアの自然を楽しむためのスモールハウス「the denison rivulet project」

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今回の舞台は、オーストラリア最南端に位置する小さな島・タスマニアの東海岸にあるビチェーノ。人口なんと950人ほどの小さな街で、ビーチリゾートのエリアでもあり、主に釣り人が訪れる場所だ。そんな街に、オーストラリアの建設会社であるスタジオ・タイラー&ハインズが、小さな黒いキャビン群を建設した。

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正方形より若干縦長の黒いボックス状の家は、デザイン的にはシンプルだが少し独特な印象を与える。
黒いキャビンは全部で3つあり、「ザ・デニゾン・リブレット・プロジェクト」と名付けられ、それぞれが日当たりや景色を邪魔しないように建設されている。

このエリアで将来的により大きな施設を建てるための前段階のプロジェクトとして建てられ、タスマニアの伝統であり、独特の個性がある1950年頃に起こったタスマニアの小屋文化に影響を受けている。

また、タスマニアといえば、持続可能な社会「サステイナビリティ」という概念が起こった場所としても有名で、昔からミニマリズム的な考え方の伝統があり、それが染み付いている。

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内装・外装ともに木材を基調としている。

温かみのある木材の壁の中に、灰色の石を使った暖炉を埋め込み、デザイン的にも室内のアクセントとなっている。
タスマニアは緯度145.97と南極に近い島でもあるため、冬の寒さは厳しく、古くからの伝統といえる薪暖炉は、暖かく過ごす為には必要不可欠といえる。

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洗面所、風呂場は特に特徴的だ。
床も壁も全面真鍮を張って、ピカピカに輝いており、ラグジュアリーな雰囲気を演出している。

キッチンの調理台の前面の壁も、バスルームと同様、真鍮を使用して、水回りの統一性をもたせている。
サイドの棚、流し下のキャビネットは大きな引き出し収納、木目が美しい木材を使用。真鍮の壁とのコントラストでシックでゴージャスな雰囲気を醸し出し、外観とのギャップが面白い。

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加熱器具はIHヒーター、オーブン装備で、コンパクトながら本格的な料理も可能なキッチンになっている。

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床から天井まである大きな窓ガラスを取り付けることで、外の景色と繋がり、狭い室内に広がりを演出。さらに、日中は陽の光を存分に室内に取り込むこともできるので、自然光の優しい光に包まれながら生活可能だ。

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ベットルームにも大窓が取り付けられているので、朝日がダイレクトに寝室に差し込む。自然のバイオリズムに従いながら起床するので、都会の生活で疲れた人は、生活リズムを取り戻すのにも最適と言える。

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世界の人々を魅了してやまないタスマニアの大自然の中に、このような伝統を大切にしつつも、現代的な要素も積極的に取り入れているスモールハウスがあると、そこで、生活してみよう、暮らしてみようと思うかもしれない。効率化された情報社会で、部屋に閉じこもる生活に慣れてしまった人々に、外に目を向けるきっかけになるかもしれない。

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