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【対談】これからどうなる?タイニーハウス YADOKARIプロデューサーと天城カントリー工房代表が話す、少し未来の住まい方


アメリカでタイニーハウスムーブメントが生まれたのは2000年初頭。YADOKARIが活動を始めて6年間。タイニーハウスは新しい暮らしの選択肢として、日本で少しずつ認知度を高めてきました。

とはいえ、タイニーハウスに住む人はまだ珍しく、住み心地や必要な設備などの情報が得づらいので、興味はあっても実際に住むことは難しいのでは……と考えている人も多いでしょう。

新しい住まいとして注目されているタイニーハウスは、本当に日本に根付いていくのでしょうか?また、どのように活用されていくのでしょうか?

この記事では、「第84回東京インターナショナルギフトショーLIFE×DESIGN2017秋」で開催されたセミナー「タイニーハウスで実現する豊かな暮らし」、で行われた、YADOKARIプロデューサー/TINY HOUSE ORCHESTRA事業部部長の相馬由季とタイニーハウスを販売する「天城カントリー工房」代表の土屋雅史さんの対談の様子をお伝えします。

タイニーハウスってこれからどうなるの?識者ふたりが話し合った

セミナーでは相馬由季と土屋雅史さんによるタイニーハウスについてのプレゼンテーションが行われ、日本の住宅事情やタイニーハウスがどう役立つのか?また、タイニーハウスが日本の暮らしを変える可能性について解説が行われました。後半では、相馬と土屋さんによる、「これからのタイニーハウス」をテーマにした対談が行われます。
今回の対談で議題となったテーマは以下の3つ。

・タイニーハウスは日本に根付く?
・この時代に合ったタイニーハウスの活用方法
・2020年になったら、タイニーハウスはどう使われている?

それぞれ、小さな暮らしに関心がある人には興味のあるテーマではないでしょうか。それでは、対談の様子をお伝えしましょう。

◎タイニーハウスは日本に根付く?

左:相馬由季 右:土屋雅史さん

YADOKARI 相馬由季(以下、相馬):まずはタイニーハウスが日本に根付くかどうかを話したいと思います。知られるようになって間もないタイニーハウスですが、このムーブメントは日本に根付いていくと思いますか?

天城カントリー工房 土屋雅史さん(以下、土屋):タイニーハウスはマスコミで取り上げられることも多くなりましたよね。僕の会社はタイニーハウスの販売をしているので、テレビや雑誌でタイニーハウスのことを知って、最近は問い合わせがくることも多いです。

でも、タイニーハウスって小さくても家なんですよね。建てる土地が必要ですが、問い合わせをいただくと「土地を持ってないんです、どこか良い場所はないですか?」「駐車場でも住めますか?」という、ふわっとしたイメージで話が来ることが多い。

ここで何を言いたいかというと、環境を整備してあげないといけないんです。タイニーハウスを建てられる小さな土地を分譲したり、上下水道や電気・ガスを利用できるようにインフラを整えたり。

相馬:タイニーハウスって小さくても家なんですよね。当然、法律や税金も関わってきます。ただ、法律が追いついていないところもありますし、土屋さんがおっしゃる通りで、環境が整備されていないところもあるんです。

最近は、10平米の小屋を販売している大手住宅メーカーも増えてきましたが、単価が安く広告宣伝費がかけられなかったり、土地や法律、税金などのハードルがあるので、工夫しなければ、一時的に目を引く商品にはなっても継続したビジネスにするのは難しいかもしれません。

土屋:タイニーハウスって、10平米以下なら増築の範囲であれば建築申請もいらない自治体が多いし、税金も安い。経済的負担が少ないから、ということで注目されていると思うんですけど、もともと日本の住宅の中になかったものだから、土地や法律の整備が追いついていないんですよね。

だからYADOKARIが展開しようとしているタイニーハウスビレッジのようなものが必要かもしれません。ある程度広い土地を用意してあげて、土地を分譲して各々タイニーハウスを所有したり、レンタルしたりして暮らしていける場所ですね。

もちろん、上下水道や、電気・ガスなどのライフラインは整備してあげる。そうしてあげれば敷居が下がって、タイニーハウスに住む人も増えてくるのではないでしょうか。

相馬:個人的には経済的なメリットだけではなくて、タイニーハウス自体が持つ魅力を感じて欲しいと思っています。

タイニーハウスは秘密基地みたいで、そこにいるとわくわくするんです。そして、小さいからこそ細部のデザインや材などにこだわり、自分が本当に落ち着く空間を作ることができます。また、大切なものや人と向き合い、豊かな時間を過ごすこともできる。

タイニーハウスは価格の安さ以上に様々な価値があるので、日本に根付かせていきたいですし、そのためにもインフラが整った安心して暮らせるビレッジは作っていきたいですね。

◎この時代に合ったタイニーハウスの活用方法

相馬:次のテーマは、「この時代に合ったタイニーハウスの活用方法」ですが、土屋さんはどう思われます?

土屋:やりやすいのは、期間限定のイベントショップや宿泊施設として活用していくことでしょうか。地方だとホテルの増設とか、海辺や山みたいなロケーションの良い場所にタイニーハウスを数軒置いて宿泊施設をやれば需要はあると思います。

宿泊施設だけじゃなくて、地方の移住体験に活用したり、サテライトオフィスとして利用したりしても面白いかもれませんね。

相馬:キッチン・トイレ・シャワーの水周りが揃っていれば滞在できるので、「今は○○町、次は〇〇町」というふうにあちこちに住みながら働けたら面白そうですよね。地方を転々としながら、「移住体験」もできるかもしれません。そうすることで、地域活性化や移住促進にも繋がります。

土屋:そうですね。その環境整備をどこがやるのかが課題です。環境さえあれば、商業施設も宿泊施設もできると思いますが、行政がやるのかディベロッパーがやるのか、まとめ役は必要だと思います。

たとえば、ディベロッパーが都内のマンションを販売するときに、地方のタイニーハウスを共同所有できる権利をセットで販売したら、「平日は都内、休日は地方で過ごす」なんて暮らし方もできるかもしれない。

相馬:何人かでシェアできたらタイニーハウスも所有しやすいですよね。

土屋:シェアハウスもいいかもしれません。色んな地方にコミュニティがあって、個人スペースもあって、地方を転々とするような暮らし方ですね。

それがシェアハウスなのか、会員制の家なのか、拠点の形はいろいろ考えられます。タイニーハウスは動産なので移動しやすいですし、処分もしやすい。必要がなくなれば移動して売ることもできますから、実験的なこともしやすいんじゃないでしょうか。

◎2020年になったら、タイニーハウスはどう使われている?

相馬:3年後(2020年)、タイニーハウスは日本でどのように活用されていると思いますか?

土屋:ある程度タイニーハウスに住む人は増えていると思います。それと、オリンピックが開催するので、地方会場の施設として何かしら導入が進んでいると思いますね。ほかには、キャンプ場のコテージや、宿泊施設としての利用も考えられます。

相馬:オリンピックと聞くと、インバウンドの一時的な宿泊需要に対応するための宿泊施設も考えられますね。

ほかには、遊休地の有効活用というケースもありますよね。企業がある地域を開発する際、開発まで数年の期間が空きますが、その間事前に購入した土地を暫定活用しつつ、その地域を活性化させたいという需要があります。

タイニーハウスは建築物に比べて初期コストも低いですし、動産なので暫定活用期間が終わったらすぐに撤去することができます。YADOKARIが運営している「BETTARA STAND 日本橋」のような商業施設や、宿泊施設としてのタイニーハウス活用の相談は現在YADOKARIに対して多く寄せられていますし、今後も増えてくるのではないでしょうか。

商業施設や宿泊施設としての広がりと、住まいとしての広がりは別軸だと思うのですが、土屋さんは住まいとしてはどのように広がっていくと思われますか?

BETTARA STAND 日本橋の様子

土屋:住まいとしてどう広げるかなんですけど、今は実際住んでる人が少ないですよね。日本でタイニーハウスに住んでる人が増えて、実際に暮らすイメージができないと住まいとして広まらないと思います。

相馬:事例は重要ですよね。どんな場所で、どんな家に住むか?それはどのような設備が必要で、どのようなデザインをしているか?というイメージがないと、実現しづらいです。実際にそれらがハードルとなって、タイニーハウスに興味はあっても実行に移せていない人が多いと感じます。

土屋:タイニーハウスを販売している身からすると、実際に購入される方はダイレクトにこう作りたいという具体的なイメージを持っている方が多いですね。たとえば「お店にしたい」とか「週末にセカンドハウスとして使いたい」とか。

これは私個人の意見ですけど、消費も落ち込んできて家を持ちづらい時代ですし、少子化も進んでいるので、家は小さくてもいいかなと思います。

うちも子どもが進学して東京に出てきて、子どもと過ごす期間も10年くらいかなと思うと、母屋だけコンパクトな家があって、子どもが生まれたらタイニーハウスを作るとか、そうやって増築していく形もいいんじゃないでしょうか。

相馬:増築減築がしやすいのはタイニーハウスのメリットですよね。
私もいつか結婚して子どもが生まれたら、子ども部屋は自分で作らせようかなと思ってます。それで結婚したら持って行ってもらう(笑)

土屋:嫁入り道具みたいですね(笑)

相馬:いまは夢物語に聞こえるかもしれませんし、決してメジャーにはならないかもしれませんが、タイニーハウスが住まいの一つの選択肢として当たり前になればいいな、と思っています。

土屋:そうですね。YADOKARIが海外事例を発信したことで、住み方の選択肢は広がったと思います。私の会社でも、女性の方の問い合わせも多くて、ハードルは下がったので、これからは実際に暮らす人を増やしていくフェーズですね。

相馬:これからは国内事例やより実践的な情報を増やしていきたいと思います。文化として根付かせるのは難しいことですが、なんとかやっていきたいですね。個人や一社だけだと難しいですし、力を合わせて。

土屋:引き続きYADOKARIが情報を発信して、不動産業者や施工業者が建物を作り、場づくりできる人も集めないといけない。

相馬:色々な人の協力は必要ですけど、ブームでは終わらせたくないです。YADOKARIでもタイニーハウスでの暮らし実践をサポートするためのWebサイト「TINY HOUSE ORCHESTRA」を新しく立ち上げましたし、タイニーハウスビレッジの展開なども予定しています。引き続き、挑戦を続けていきたいと思います。
(対談終わり)

少しずつ知名度を上げてきたタイニーハウスですが、実際に住む人はまだまだ多くはありません。タイニーハウスが日本で普及するためには、対談で話されたタイニーハウスビレッジの設置や、行政や企業など様々な協力者が必要になるでしょう。

新しいものや価値観が世の中に根付くには、少しだけ時間が必要です。けれど、その新しい何かが根付いたら、人は少し豊かな生活を手に入れられるはず。タイニーハウスは人々の暮らしを豊かにするポテンシャルを持った「新しい何か」です。それが世の中に広まるのかどうか、2020年にはその答えが少しずつ見えてくるでしょう。

◎相馬由季と土屋雅史さんのその他の対談記事
【特別対談】2年をかけてたどりついた“ちょうどいい広さ”、日本製の新築トレーラーハウス「KIBAKO TRAILER」に住む

ライター:スズキガク


アメリカでタイニーハウスムーブメントが生まれたのは2000年初頭。YADOKARIが活動を始めて6年間。タイニーハウスは新しい暮らしの選択肢として、日本で少しずつ認知度を高めてきました。

とはいえ、タイニーハウスに住む人はまだ珍しく、住み心地や必要な設備などの情報が得づらいので、興味はあっても実際に住むことは難しいのでは……と考えている人も多いでしょう。

新しい住まいとして注目されているタイニーハウスは、本当に日本に根付いていくのでしょうか?また、どのように活用されていくのでしょうか?

この記事では、「第84回東京インターナショナルギフトショーLIFE×DESIGN2017秋」で開催されたセミナー「タイニーハウスで実現する豊かな暮らし」、で行われた、YADOKARIプロデューサー/TINY HOUSE ORCHESTRA事業部部長の相馬由季とタイニーハウスを販売する「天城カントリー工房」代表の土屋雅史さんの対談の様子をお伝えします。

タイニーハウスってこれからどうなるの?識者ふたりが話し合った

セミナーでは相馬由季と土屋雅史さんによるタイニーハウスについてのプレゼンテーションが行われ、日本の住宅事情やタイニーハウスがどう役立つのか?また、タイニーハウスが日本の暮らしを変える可能性について解説が行われました。後半では、相馬と土屋さんによる、「これからのタイニーハウス」をテーマにした対談が行われます。
今回の対談で議題となったテーマは以下の3つ。

・タイニーハウスは日本に根付く?
・この時代に合ったタイニーハウスの活用方法
・2020年になったら、タイニーハウスはどう使われている?

それぞれ、小さな暮らしに関心がある人には興味のあるテーマではないでしょうか。それでは、対談の様子をお伝えしましょう。

◎タイニーハウスは日本に根付く?

左:相馬由季 右:土屋雅史さん

YADOKARI 相馬由季(以下、相馬):まずはタイニーハウスが日本に根付くかどうかを話したいと思います。知られるようになって間もないタイニーハウスですが、このムーブメントは日本に根付いていくと思いますか?

天城カントリー工房 土屋雅史さん(以下、土屋):タイニーハウスはマスコミで取り上げられることも多くなりましたよね。僕の会社はタイニーハウスの販売をしているので、テレビや雑誌でタイニーハウスのことを知って、最近は問い合わせがくることも多いです。

でも、タイニーハウスって小さくても家なんですよね。建てる土地が必要ですが、問い合わせをいただくと「土地を持ってないんです、どこか良い場所はないですか?」「駐車場でも住めますか?」という、ふわっとしたイメージで話が来ることが多い。

ここで何を言いたいかというと、環境を整備してあげないといけないんです。タイニーハウスを建てられる小さな土地を分譲したり、上下水道や電気・ガスを利用できるようにインフラを整えたり。

相馬:タイニーハウスって小さくても家なんですよね。当然、法律や税金も関わってきます。ただ、法律が追いついていないところもありますし、土屋さんがおっしゃる通りで、環境が整備されていないところもあるんです。

最近は、10平米の小屋を販売している大手住宅メーカーも増えてきましたが、単価が安く広告宣伝費がかけられなかったり、土地や法律、税金などのハードルがあるので、工夫しなければ、一時的に目を引く商品にはなっても継続したビジネスにするのは難しいかもしれません。

土屋:タイニーハウスって、10平米以下なら増築の範囲であれば建築申請もいらない自治体が多いし、税金も安い。経済的負担が少ないから、ということで注目されていると思うんですけど、もともと日本の住宅の中になかったものだから、土地や法律の整備が追いついていないんですよね。

だからYADOKARIが展開しようとしているタイニーハウスビレッジのようなものが必要かもしれません。ある程度広い土地を用意してあげて、土地を分譲して各々タイニーハウスを所有したり、レンタルしたりして暮らしていける場所ですね。

もちろん、上下水道や、電気・ガスなどのライフラインは整備してあげる。そうしてあげれば敷居が下がって、タイニーハウスに住む人も増えてくるのではないでしょうか。

相馬:個人的には経済的なメリットだけではなくて、タイニーハウス自体が持つ魅力を感じて欲しいと思っています。

タイニーハウスは秘密基地みたいで、そこにいるとわくわくするんです。そして、小さいからこそ細部のデザインや材などにこだわり、自分が本当に落ち着く空間を作ることができます。また、大切なものや人と向き合い、豊かな時間を過ごすこともできる。

タイニーハウスは価格の安さ以上に様々な価値があるので、日本に根付かせていきたいですし、そのためにもインフラが整った安心して暮らせるビレッジは作っていきたいですね。

◎この時代に合ったタイニーハウスの活用方法

相馬:次のテーマは、「この時代に合ったタイニーハウスの活用方法」ですが、土屋さんはどう思われます?

土屋:やりやすいのは、期間限定のイベントショップや宿泊施設として活用していくことでしょうか。地方だとホテルの増設とか、海辺や山みたいなロケーションの良い場所にタイニーハウスを数軒置いて宿泊施設をやれば需要はあると思います。

宿泊施設だけじゃなくて、地方の移住体験に活用したり、サテライトオフィスとして利用したりしても面白いかもれませんね。

相馬:キッチン・トイレ・シャワーの水周りが揃っていれば滞在できるので、「今は○○町、次は〇〇町」というふうにあちこちに住みながら働けたら面白そうですよね。地方を転々としながら、「移住体験」もできるかもしれません。そうすることで、地域活性化や移住促進にも繋がります。

土屋:そうですね。その環境整備をどこがやるのかが課題です。環境さえあれば、商業施設も宿泊施設もできると思いますが、行政がやるのかディベロッパーがやるのか、まとめ役は必要だと思います。

たとえば、ディベロッパーが都内のマンションを販売するときに、地方のタイニーハウスを共同所有できる権利をセットで販売したら、「平日は都内、休日は地方で過ごす」なんて暮らし方もできるかもしれない。

相馬:何人かでシェアできたらタイニーハウスも所有しやすいですよね。

土屋:シェアハウスもいいかもしれません。色んな地方にコミュニティがあって、個人スペースもあって、地方を転々とするような暮らし方ですね。

それがシェアハウスなのか、会員制の家なのか、拠点の形はいろいろ考えられます。タイニーハウスは動産なので移動しやすいですし、処分もしやすい。必要がなくなれば移動して売ることもできますから、実験的なこともしやすいんじゃないでしょうか。

◎2020年になったら、タイニーハウスはどう使われている?

相馬:3年後(2020年)、タイニーハウスは日本でどのように活用されていると思いますか?

土屋:ある程度タイニーハウスに住む人は増えていると思います。それと、オリンピックが開催するので、地方会場の施設として何かしら導入が進んでいると思いますね。ほかには、キャンプ場のコテージや、宿泊施設としての利用も考えられます。

相馬:オリンピックと聞くと、インバウンドの一時的な宿泊需要に対応するための宿泊施設も考えられますね。

ほかには、遊休地の有効活用というケースもありますよね。企業がある地域を開発する際、開発まで数年の期間が空きますが、その間事前に購入した土地を暫定活用しつつ、その地域を活性化させたいという需要があります。

タイニーハウスは建築物に比べて初期コストも低いですし、動産なので暫定活用期間が終わったらすぐに撤去することができます。YADOKARIが運営している「BETTARA STAND 日本橋」のような商業施設や、宿泊施設としてのタイニーハウス活用の相談は現在YADOKARIに対して多く寄せられていますし、今後も増えてくるのではないでしょうか。

商業施設や宿泊施設としての広がりと、住まいとしての広がりは別軸だと思うのですが、土屋さんは住まいとしてはどのように広がっていくと思われますか?

BETTARA STAND 日本橋の様子

土屋:住まいとしてどう広げるかなんですけど、今は実際住んでる人が少ないですよね。日本でタイニーハウスに住んでる人が増えて、実際に暮らすイメージができないと住まいとして広まらないと思います。

相馬:事例は重要ですよね。どんな場所で、どんな家に住むか?それはどのような設備が必要で、どのようなデザインをしているか?というイメージがないと、実現しづらいです。実際にそれらがハードルとなって、タイニーハウスに興味はあっても実行に移せていない人が多いと感じます。

土屋:タイニーハウスを販売している身からすると、実際に購入される方はダイレクトにこう作りたいという具体的なイメージを持っている方が多いですね。たとえば「お店にしたい」とか「週末にセカンドハウスとして使いたい」とか。

これは私個人の意見ですけど、消費も落ち込んできて家を持ちづらい時代ですし、少子化も進んでいるので、家は小さくてもいいかなと思います。

うちも子どもが進学して東京に出てきて、子どもと過ごす期間も10年くらいかなと思うと、母屋だけコンパクトな家があって、子どもが生まれたらタイニーハウスを作るとか、そうやって増築していく形もいいんじゃないでしょうか。

相馬:増築減築がしやすいのはタイニーハウスのメリットですよね。
私もいつか結婚して子どもが生まれたら、子ども部屋は自分で作らせようかなと思ってます。それで結婚したら持って行ってもらう(笑)

土屋:嫁入り道具みたいですね(笑)

相馬:いまは夢物語に聞こえるかもしれませんし、決してメジャーにはならないかもしれませんが、タイニーハウスが住まいの一つの選択肢として当たり前になればいいな、と思っています。

土屋:そうですね。YADOKARIが海外事例を発信したことで、住み方の選択肢は広がったと思います。私の会社でも、女性の方の問い合わせも多くて、ハードルは下がったので、これからは実際に暮らす人を増やしていくフェーズですね。

相馬:これからは国内事例やより実践的な情報を増やしていきたいと思います。文化として根付かせるのは難しいことですが、なんとかやっていきたいですね。個人や一社だけだと難しいですし、力を合わせて。

土屋:引き続きYADOKARIが情報を発信して、不動産業者や施工業者が建物を作り、場づくりできる人も集めないといけない。

相馬:色々な人の協力は必要ですけど、ブームでは終わらせたくないです。YADOKARIでもタイニーハウスでの暮らし実践をサポートするためのWebサイト「TINY HOUSE ORCHESTRA」を新しく立ち上げましたし、タイニーハウスビレッジの展開なども予定しています。引き続き、挑戦を続けていきたいと思います。
(対談終わり)

少しずつ知名度を上げてきたタイニーハウスですが、実際に住む人はまだまだ多くはありません。タイニーハウスが日本で普及するためには、対談で話されたタイニーハウスビレッジの設置や、行政や企業など様々な協力者が必要になるでしょう。

新しいものや価値観が世の中に根付くには、少しだけ時間が必要です。けれど、その新しい何かが根付いたら、人は少し豊かな生活を手に入れられるはず。タイニーハウスは人々の暮らしを豊かにするポテンシャルを持った「新しい何か」です。それが世の中に広まるのかどうか、2020年にはその答えが少しずつ見えてくるでしょう。

◎相馬由季と土屋雅史さんのその他の対談記事
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ライター:スズキガク

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