電力自由化で変わる私たちの暮らし 「オフグリットハウス」という選択

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2016年4月から、いよいよ電力自由化がスタートする。今まで、電力は決まった会社から供給を受けるものだったが、この4月からは、私たちが携帯会社やインターネットプロバイダを選ぶ感覚で、電気会社を選択することが可能になる。

電力自由化、多くの人が何度も耳にしたことがあるとは思うが、それによって私たちの生活がどのように変わるのだろうか。

今回は、電力自由化で私たちの生活に起こること、そして、電力自由化と共に注目される、オフグリットハウス(自給自足の家)という新しい生活スタイルについて、海外の取り組みを交えて紹介したい。これまでは選ぶことができなかった「電気」というライフラインを選ぶ、という問題に対して、私たちはどんな考えを持てば良いのか一緒に考えてみたい。

電力自由化って結局のところなに?

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電力自由化とは、冒頭にも書いた通り私たちが自由に電力を選べるようになることを言う。これまでは、大手の電力販売会社の独占状態で、どこから電気を買うかは選ぶことができなかった。しかし、2016年4月以降は電気をどこから買うか、私たち消費者が自由に選ぶことができるようになるのだ。

これをビジネスチャンスと、多くの事業者が「電気を販売する」という新しいビジネスをスタートさせている。例えば、auやソフトバンクなどの通信会社、石油販売大手のエネオスといった大手企業以外にも、中小企業が続々と名乗りを上げており、一覧が経済産業省のWebサイトでも閲覧できるようになっている。

電気を売るって、そんなに気軽に始められるビジネスなのだろうか、という疑問も浮かぶが、エネルギーを自社で作ることができない会社でも、電気を仕入れ、何らかの付加価値をつけて販売するということは十分に可能だ。

多くの事業者が出てきたとことで、私たちにとっては自分にあった料金プランを選ぶことができるようになるなどのメリットも多い。

欧州諸国では、1999年に全面小売自由化が行われたイギリスをはじめとして、ドイツやフランスなどもいわゆる電力自由化を導入している。それによって、必ずしも電気料金が安くならないといった問題も生じていることは事実のようだ。

今後、私たちが生活する上で、電気の購入先を選ぶことができるようになる、ということは、新しい生活スタイルを考えるきっかけにもなるのではないだろうか。

オフグリットハウスという選択

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電力自由化などの動きにも押され、未来住まい方会議でも紹介してきたオフグリットハウス、つまり、自給自足の家という暮らし方も多くの人に知られるようになってきた。オフグリットハウスとは、水や電力などをはじめとするエネルギーを、太陽光発電や雨水を濾過するシステムなどを使ってまかなうことができる設備を備えた家のことをいう。[protected]

電力は決まったところから購入する、ということが当たり前だった時代から、電力の購入先を選ぶ時代へさしかかった今、今後は、電力は購入するものではなくなる時代も当たり前になるかもしれない。

海外では、オフグリットハウスの事例も豊富だ。
以前、未来住まい方会議で紹介したこちらのオフグリットハウスでは、そのユニークな形を利用して太陽光発電の力を最大限に利用することができるよう、設計されていた。地熱発電も備え、家族が一年に使うエネルギーに加え、電気自動車を充電するのにも十分なエネルギーを生み出すことができるという。

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家だけでなく、集合住宅や大学などの教育機関までもオフグリットな建築にしてしまおうという動きも出てきている。

ノルウェーのある大学では、新しいキャンパスを完全なオフグリッドキャンパスとする取り組みを始めている。太陽光発電や、独自のバイオエネルギーを利用した焼却施設などを併設するだけでなく、建物には、温室効果ガスの排出量を最小限に抑える無垢材をふんだんに使用しているという。

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家だけでなく、集合住宅全体をオフグリッドにしてしまおう、という事例もある。Zero Village Bergenという、ノルウェーのベルゲンという都市で進むプロジェクトだ。500~800世帯の家族が住むことができるこのエリア全体で、オフグリッドの暮らしを進めようという新しい取り組みだ。

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エリア内には商業施設や幼稚園などの設備もある。電動自転車や電気自動車用は居住者同士で共有できるように整備されており、屋外のプレイエリアには子どもたちが安心して遊べるような遊具を備える。現在は工事が進められ、実際に「オフグリッドの村」が誕生するのは、2019年頃になるという。

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海外で進む、オフグリッド生活。私たちの生活の中で、オフグリットの家で暮らす、という選択肢は身近なものになってきていることは事実だ。電力自由化というきっかけを通して、私たちの生活に必要なエネルギーをどのように賄うのか、改めて考える機会にしてみたい。[/protected]

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