これからの賃貸住宅リテラシー

さあ、改装可能賃貸に住もう

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サラリーマン、筆を執る


YADOKARIをご覧の皆様、はじめまして。安松洋介と申します。この度、YADOKARIにてライターをさせていただく事になりました。よろしくお願いします。

さっそくではありますが、満場一致で「誰だよお前」という状態かと思いますので、まずは簡単に自己紹介を。1984年生まれ、神奈川県横浜市在住の29歳です。文系の私立大学を卒業後、広告代理店に就職しインターネットマーケティングの仕事をしています。

そう、私は建築家でもなければ、不動産取引のプロでもない普通のサラリーマン。そんな私がこの場をお借りして、全力で伝えたいのは、「住む」って実は、めちゃくちゃ「自由」で「クリエイティブ」だと言う事。ちょっと考え方を変えれば、20帖の広いワンルームに安い家賃で住む事も可能なんです。

私の生活はある賃貸物件に出会って一変しました。その事を伝えたくて、あわよくばこの記事を目にした方にも同じ体験をして頂きたくて、筆を執った次第です。

社会人6年目。金なし、ツテ無しの、いちサラリーマンの日常に何が起こったのか。少しの間おつきあい頂ければ幸いです。

 

気分はシティーボーイ


私は社会人になってから、初めて一人暮らしをしました。家賃も生活費も自分で稼いだお金でやりくりしていく「大人になった感じ」にたまらなくワクワクしていました。そんな感覚、皆さんも一度は経験があるのではないでしょうか?

どうせ住むんだったら、カッコいい物件に住みたいと、会社から電車で20分くらいの所にある、新築の賃貸マンションを初めての城に選びました。家賃は81,200円。かなり無理をしていましたが、気分はシティーボーイ。「ちょっと背伸びした方が、仕事がんばれるんだぜ?」と、大満足でした。

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(写真:当時住んでいた新築賃貸マンション、無駄に廊下は大理石風)

 

寝に帰るだけの毎日と、ワークライフバランスの崩壊


実際に社会人生活がスタートしてみると、とにかく嵐のように日々は過ぎ去ってゆきました。 毎日遅くまで提案資料を作成し、家に帰った時にはほとんど力は残っておらず、ベッドへ直行。朝シャワーを浴びてそのまま会社へ。めまぐるしく過ぎて行く毎日に疲れ果て、次第に違和感を抱くようになりました。

 

「オレ、何のためにこんなに仕事してるんだ?」

 

当時の生活を分解してみると、仕事8、プライベート2くらいの割合。その「2」も、仕事の疲労を回復させるための時間や、友達と遊ぶ時間に消えて行きました。

 

「自分の時間が無い」

 

忙しい日々にただ流されるばかりで、自分の将来と向き合う事が出来ず、目的地の無いまま爆走する、無人列車みたいになっていました。自己管理能力が無いだけだろ、と言われてしまえばそれまでですが、当時の私にはそんな心の余裕が無かったのです。

 

怒れるサラリーマンその矛先は、なぜか家へ


そんな日々を送る中、住んでいた賃貸マンションが更新の時期を迎えました。更新料を払って、賃貸契約を継続するか、引っ越すか選択しなければなりません。忙しい毎日、苛立はピークに。その矛先は、なぜか当時の住まいに向かいました「更新料…だと?」

(以下、心の叫びです)

「なんで、こんなに働いて、高い家賃を払って、しかも寝に帰るだけの何の愛着も無い家に住んでやってるのに(笑)更新料なんて払わないと行けないんだ!更新料払ったらなんかしてくれんのか?この家が、オレに何をしてくれた?」

 

シティーボーイ気取りで、喜んで住んだはずが、我ながらどえらい変わりようです。引っ越しを決意したのはいうまでもありません。

蓄積したやり場の無いストレスが、「生活が上手く行かないのは、何も提供してくれない家のせい」という責任転嫁を経て、「引っ越し」という逃げ場を見つけたのだと思います。一見理不尽な怒りのようにも思えますが、よく考えて見るとその物件は自分のライフスタイルに合致していなかったのだと思いました。私に本当に必要だったのは、「見た目の良いアーバンな寝床」ではなく、どんなに疲れていても、前向きでいられる心の余裕をもたらし、想像力をかき立ててくれるような空間だったのです。

 

出来なかった事を全部やる


そんなこんなで引っ越しを決意した私は、これまで住まいをないがしろにしてきた分、その反動もあり燃えていました。本当に出来るかは半信半疑でしたが、「なにもあきらめない」を新しい部屋探しのテーマにしました。

 

【あきらめないリスト】

・ とにかく広いワンルームに住みたい

・ 床は無垢のフローリングがいい

・ 天井は高くしたい

・ 前の家より家賃は安く

・ 駅から近くがいい

・ 近くに大型のスーパーもしくは商店街

・ 大通りに面しておらず

・ 洗濯物が名いっぱい干せる南向きの広いベランダ

 

不動産屋に行ったら、頭を抱えられる事必至だったので、ネットを駆使してめぼしい物件を片っ端から調べて行きました。当然ながら物件探しは難航。そんな都合の良い超レア物件、簡単に見つかるわけがありません。条件を満たしている物件はあっても、デザイナーズだったりして、どうしても家賃が10万を越えてしまいます。

 

「くそっ、日本にオレの希望を叶える部屋は無いのか」

 

そんな中、あるサイトとの出会いが、海を割るモーゼのごとく、一筋の道を示してくれたのです。

DIYP:http://www.diyp.jp

改装可能な物件だけを扱ったサイト「DIYP」当時の私にとって、衝撃的であり、「これだ!」と一気に活路が開けた想いがしました。

 

「賃貸でも自分で作るという選択肢があるんだ」

 

常識にとらわれ過ぎていたこれまでの部屋探し。その後は、改装可能な賃貸に照準を合わせ、物件を探して行きました。思った以上に、改装可能な物件を扱うサイトは多く、私にとってそれは宝の山のように思えました。なんでもっと早く気づかなかったのだろう。その中で、まさに私が求める条件にぴったりの部屋に出会います。

 

【見つけた物件】

・ 改装可能

・ 駅徒歩5分

・ 商店街沿い

・ 近くに大型スーパーあり

・ 48平米2LDK

・ バストイレ別

・ 家賃58,000円

・ 7階建ての6階

・ 広いベランダ、日当り良好

 

この物件を見つけた瞬間、不動産会社に電話をして、速攻内覧を申し込みました。「こんないい物件、誰かに取られたら一生後悔する」

しかし、内覧して分かったのは、「これは誰も住みたがらないわ」と言う事。とにかくぼろぼろで、マンションの一室とはいえ、まるで廃墟のようでした。家賃が安い理由もうなずけます。内覧した当時、さすがにひるみました。壁も天井も、年季の入った料理屋の床みたいにぬるぬる。「これ本当に住めんのか?」前のマンションが、新築ピカピカだったので、その落差で余計に不安になりました。

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(写真:タバコのヤニでくすんだ天井)

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(写真:畳はぼろぼろで、至る所の床がへこむ)

「ここで決断出来なければ何も変わらない」という想いと、半ばやけくその勢いですぐに契約してしまいました。「ここを理想の空間にしていこう」

 

賃貸でもあきらめなくていい


もったいつけるようで申し訳無いですが、この部屋が変わるまでの紆余曲折はまたの機会に。先に結果だけご報告します。

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とてもいい感じに仕上がったと思います。この写真に映るものの、ほぼ全てに手を加えました。天井、壁、床、テーブル、押入にいたるまで。夢にまで見た広々ワンルームを賃貸で実現してしまったのです。しかも家賃は58,000円。

これまでのように、不動産屋に出向いたり、ポータルサイトで条件をポチポチ入力していては、出会えなかった空間だと思います。この部屋に出会えたおかげで、毎日の生活にメリハリが出て、視野が一気に広がりました。あきらめない住まいは、賃貸でも実現できるという発見でした。

 

これからの時代の賃貸住宅の選び方


住まいを選ぶときに、戸建て、分譲マンション、賃貸と様々な選択肢があると思います。社会に出たばかりの若い人の大半が、「賃貸」という選択肢を選び、遠からず僕のような不満を持っているのではないでしょうか。

大それた事を言いますが、日本の賃貸物件探しは、ほとんどが「引き算」だと思います。家賃をベースに、立地をあきらめ、部屋の広さをあきらめ、バストイレ別をあきらめ、この値段だったらこれくらいで十分かと自分に言い聞かせる。

多くの時間を過ごす、「住まい」がなぜ、こんなにも消極的な選ばれ方をしているのか。特に若い世代は、こんなあきらめ空間に押し込められているのだと思います。私が出会った、改装可能賃貸は、全く違う価値をもたらしてくれました。全てが「足し算」、広いワンルームも、高い天井も、自分で手を加えることで、あきらめずに済みました。

日本には、ちょっと古いけれど計り知れないポテンシャルを持った空間が山ほどあると思います。皆がその事に気づき、ちょっとの手間をかけて、自分にぴったりの空間を手に入れる時代がくれば、日本中がもっと元気になるのでは?最近はそんな事を考えています。

「引き算」ではなく「足し算」

さあ、皆さんも改装可能賃貸に住んでみませんか?

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月極本3 特集「好きなお金、嫌いなお金。」

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