ノルウェー最大の湖のひとつでもあるフェムンド湖。世界遺産としても知られる炭坑の街、レーロース南部から30分ほど車で行ったところにある。この湖を含む一帯は南スカンジナビアで最大の自然保護地域として知られるフェムンドマルカ国立公園として有名だ。毎年、多くの人々が、釣り、カヌーやトレッキングなどに訪れる。

その湖畔に15㎡ほどの大きさの古いキャビンが2つあった。施主はその古いキャビンのリフォームをノルウェー人建築家アシュラック・ホーンススに依頼した。ひとつのキャビンは築100年を超えるもので、もう一方はその古いキャビンのデザインに併せて作られた。そこで施主は、今の二つのキャビンのデザインを生かしながら、新しいキャビンと一体化させてほしいと要望した。

no ワークライフバランスが徹底しており、一般的に休暇が取りやすい北欧諸国では、別荘を持つ人が多い。前の世代により建てられた小さく質素な造りの別荘とは対照的に近年に建築された別荘はその多くが広く豊かな造りとなっている。

「より大きいものが良い」が主流だが、本当にそうだろうか?オスロを拠点に活躍する建築家マリアンヌ・ボルゲ。2004年にあるクライアントから第二の家ではなく小ぶりなキャビンが欲しいと問い合わせがあった際、彼女は小さな別荘に新しい可能性を感じた。

「Jektvik Ferry Quay Area (イエクトベッキ・フェリー岸壁エリア)」と名付けられたこの建物、一体なんだと思われるであろうか?

実はこの建物は、イエクトベッキ・フェリー乗り場のサービス棟として、新たにノルウェイ人の建築家Carl-Viggo Hølmebakk(カール・ヴィゴ=ヘルメバック)によって設計されたものだ。フェリー乗り場で必要なのは待合室とトイレだろう。それらの機能を備えたのがこの建物だ。