"いらないもの"を"欲しいもの"へ、世界に広がるアップサイクル

【特集コラム】第4回:アップサイクルしてみよう!社会を変える一歩を踏み出すために

田村千夏プロフィールアイコン | 2015.3.31
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upcycle top2
廃棄物を再利用してより良いものに生まれ変わらせ、新しい価値と循環を生む考え方として注目されている「アップサイクル」。このムーブメントには、私たちの暮らしを支えているモノや道具の誕生から終わりを見つめ直し、新しい発想で暮らしを豊かにするヒントがありそうです。
連載最終回となる今回は、「自分もアップサイクルに関わりたい!」と思った方のために、誰でも気軽に取り組める、アップサイクルにまつわる活動について探っていきたいと思います。

既存のアップサイクル活動に関わってみる

アップサイクルなモノを手に入れる

まず最も気軽に始められる関わり方として、廃材を再利用してつくられたモノについて知ったり購入したりして、その活動を応援することです。第2回で紹介したNEWSED PROJECTKATAMAKU蝉 semiなどのプロダクトは、ONLINEショップや都内のセレクトショップで手に入れることができます。
その他にも、消防服やフローリングの端材、ネクタイシルクなどを再利用したバッグを扱うブランドMODECO(モデコ)や、高速道路の横断幕や看板などを再利用してバッグやサンダルへとアップサイクルした「サーキュレーション首都高」という取り組みもあります。さまざまなアップサイクルプロダクトから、あなたのお気に入りが見つかるかもしれません。

      Via:

 

MODECO

サーキュレーション首都高

 

コンペや展覧会に応募する

アップサイクルをテーマにしたコンペに参加したり、展覧会を見に行ったりすると、アップサイクルのプロセスへの理解がぐっと深まります。製品にすることを考えると難易度が高くなりますが、まずは子どもの頃のような自由な発想で、「これがあったら便利かも!」と考えてみると面白いのではないでしょうか。

連載第3回でご紹介した「産廃サミット」は、すでに今年の募集が始まっていますし、「NEWSED UPCYCLE DESIGN AWARD 2015」は開催概要についてのホームページが5月頃に公開予定とのことなので、ご興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

同様のイベントとして、「ゴミから、アートへ。」がキャッチフレーズの「恵比寿ビレンナーレ」という展覧会もあります。こちらもさまざまな職種の人が集まってクリエイティブな作品を展示しています。産業廃棄物のように特殊なゴミではなく、ダンボールの端材やプラスチックのキャップ、空き缶など、身近なゴミを素材にしたアート作品が多く、作者独自の視点が光ります。

      Via:

恵比寿ビエンナーレ

また、2015年1月から3月にかけて、公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団が主催する「クリエイティブリユースでアート!─市内の端材や廃材をアートな目線で見直そう─」という展覧会が、調布市文化会館にて開催されました。
これは2013年度から始まった一般公募の参加型イベントで、総合プロデューサーは連載第1回でご紹介した大月ヒロ子さん。2013年度は参加者が実際に調布市内のお店を回って廃材を譲ってもらうワークショプを行い、集めた廃材や作成した廃材カードを展示する展覧会が開催されました。2014年度の今回は、実際にそれらの廃材を利用して作品をつくる制作者が公募され、完成したアート作品が展示されました。

      Via:

クリエイティブリユースでアート!─市内の端材や廃材をアートな目線で見直そう─

 

地域のアップサイクルイベントに参加する

レジャーがてら少し足を伸ばして、街歩きとクリエイティビティを楽しむイベント「クリーニングデイ」に参加するのも面白そうです。クリーニングデイとは、フィンランドで2012年から年2回行われているリサイクル・カルチャー・イベントで、2014年5月からは日本でも開催されています。

鎌倉で開催された第1回目のイベントの様子は、以前「未来の住まい方会議」でもレポートしています。アップサイクルを体験できるワークショップやトークイベントが街のあちこちで行われ、大人も子どもも楽しみながらアップサイクルについて考えることができる貴重な機会となりました。

クリーニングデイ第2回は、2014年8月に鎌倉と岡山県倉敷市の玉島で同時開催されました。玉島の会場となったのは、大月ヒロ子さんが主催する「IDEA R LAB」です。地域の廃材を展示するマテリアルライブラリーがあり、廃材を使ってアートをつくるワークショップも定期的に開催されています。

また2015年1月には、クリーニングデイ・ジャパン事務局がある代々木上原のCASE galleryで「クリーニングデイ大会議」が開催されました。これまで日本では全国約30カ所でクリーニングデイが行われていて、それぞれのイベント主催者やクリーニングデイに興味のある人たちが集まって、イベントの内容や様子について紹介したり、今後の展開について話し合う場となりました。

フリーマーケットやモノとモノの交換会など、地域の特色を出しながらご近所サイズで気軽に開催できるのがクリーニングデイの魅力。今後もさまざまな場所で行われる予定なので、是非チェックして足を運んでみてください。

      Via:

 

鎌倉でアップサイクルを体験!世界に広がる「クリーニングデイ」とは?(前編)| 未来へつなぐアップサイクル

クリーニングデイ・ジャパン

IDEA R LAB

 

身近なモノをアップサイクルしてみる

自分の身近にあるいらなくなったモノやゴミに別の用途を与えてみることで、モノの可能性が広がることもあります。探してみると、こんなものやあんなものを変身させるさまざまなアイデアが!

長靴や靴をプランターにしたり、空き缶のプルタブを照明にしたり。壊れたパソコンの外側を利用するアイデアには、家具から猫の寝床までさまざまなものが。思わぬ使い方の発見にびっくりします。

もしかしたら、あなたの家に眠っている粗大ゴミが生まれ変わるヒントが見つかるかもしれません。

何でも新しく買うのではなく、まず既にあるものの中から「これ使えそうかも?」と発想する習慣がつくと、少ないモノで豊かに暮らすことができるのではないでしょうか。

      Via:

 

PROJEKTGALERIE.DE

The Huffington post

VIRALNOVA

 

この連載では、全4回を通して、アップサイクルの解釈からプロダクトや取り組みの紹介、身近な関わり方について考えてきました。
アップサイクルは特別なことではありません。これまでに積み上げられてきたリサイクルやリユースと同様、モノの一生を見つめ直すきっかけのひとつにすぎないのです。暮らしに関わるさまざまな道具。その道具がなくては、私たちは生活していくことができません。モノの一生を見つめ直すことは、暮らしそのものを見つめ直すことにも繋がるのではないでしょうか?

アップサイクルがブームでなく当たり前の価値観として定着する社会を目指して、ひとりひとりが身近な一歩から無理なく続けていくことが大切です。あなたも今、できることから始めてみませんか?

【特集コラム】第1回:アップサイクルとは? モノ・コトの循環を生み出すムーブメントの広がり
【特集コラム】第2回:プロダクトからお店まで、アップサイクルから生まれるモノと空間
【特集コラム】第3回:アップサイクル最前線!廃棄物処理会社ナカダイの取り組み

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YADOKARI「未来働き方会議」オープン!

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Writer 田村千夏

たむらちなつ。東京在住、出版社勤務を経てフリー。

大学で建築設計を学び、建築をつくることだけでなく、建築や街ができるプロセスや、そこに関わる人々の手痕を伝える編集的な仕事に惹かれる。
もっと建築の可能性を探っていきたいという思いから「未来の住まい方会議」に参加。

近年中に地方へ移住を計画中。地方に軸足を置いた活動の広がりや、地方から発信していくことにも興味がある。

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