【書評】”当たり前”を見直してみよう「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」|YADOKARIの本棚

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「ダウンシフト」という言葉をご存知だろうか?これは、今回ご紹介する「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」の中でキーワードとなっている言葉だ。

ダウンシフトとは、「経済成長至上主義から降りることで、人間が本来有している幸せと安心の価値に戻る方法。足るを知る営みになり、分かち合う充足を得る、懐かしいようで斬新な具体的手段」と説明されている。
ダウンシフトの実践者「ダウンシフター」である著者の髙坂氏が歩んできた道はどのようなものだったのだろうか?そして、ダウンシフターズになるためにはどうしたらいいのだろうか?

減速して自由に生きる ダウンシフターズ」が出版された2014年初頭に髙坂氏は、どのようなことに取り組んでいたのだろうか。

髙坂氏が一人で切り盛りするオーガニックバーは週休3日で営業している。その他の時間、高坂氏は千葉県で都市生活対象者を対象に、田んぼや畑を斡旋し移住者を受け入れる活動などに関わっている。

都会での生活・他人の評価・お金、一般的に大切とされている価値観から降りる決断をして、ダウンシフトを実践していった髙坂氏。髙坂氏のサラリーマン経験や、旅とフリーター生活をしてきた半生を知ることで、高坂氏が経済的にも精神的にも自由になっていく流れが明確にイメージできるようになるだろう。

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本書には、ダウンシフターズになるための17の方法と考え方が紹介されている。ここではそのいくつかを挙げる。

・ライフスタイル基準金額
自分が望む生活に必要な金額を計算し、その金額を稼ぐ方法を考える。大切なのは、この基準金額を越えないこと。

・ミニマム主義
大量生産大量消費を前提とした「スケールメリット」を追わずに、経済成熟・経済縮小に沿った「スモールメリット」を元にした考え方。お金とは向き合うものの、終わりのない欲望には付き合わないことを前提としている。

・マルチプルインカム
いくつもの小さな生業を持ち生計を立てること。以前紹介した「月3万円ビジネス」に詳しく書かれている。

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年の瀬に1年を振り返り、「来年はどう過ごしたいのか」を考えるのに最適な時期がやってきた。必要なのは、自分と向き合うと共に、他の人の生き方を垣間見ること。「こんな生き方もいいかも」という妄想の手助けに、本書はぴったりだろう。