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【書評】12種類の”〇〇がない暮らし”を疑似体験「ない世界」|YADOKARIの本棚

ない世界
「無人島に1つだけモノを持って行けるとしたらなにを持っていく?」
この質問に、誰もが一度は悩んだことがあるだろう。「ない世界」の著者 江口宏志氏は、雑誌の企画で二泊三日の無人島自給自足生活に臨む前に、無人島になにを持って行かないかが、無人島で何をするかに直結すると気付いた。例えば、テントを持参すれば便利で快適に夜を過ごせるが、自分で木を切って雨風をしのぐ場所をつくる楽しみはなくなってしまう。何かをなくせばなにかを得ることができるという考えが「筆者がない世界」を執筆するきっかけとなった。

この本は、筆者自身が12個の「〇〇がない生活」を実験的に送る様子が書かれている。「ケータイのない世界」からはじまった自分にとって当たり前になっている、モノ・行動・考えを取り外した1ヶ月間の生活。その後、怒りを怒り以外の感情や行動で解消させる「怒らない世界」、行ったことのない店にだけ立ち寄る「行きつけのない世界」、「飽きない世界」では当時本屋さんを営んでいた江口氏が、読まれるだけの存在である本の単調さに飽きていたことから、みんなで外で大声で読書を楽しむイベント「読書のフェス」が誕生した。
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12ヶ月間、月替りの「ない世界」を読み進めると、自分にとって当たり前になっているモノ・行動・考えを意図的をなくした生活では、自然とないものについて深く深く考えていることに気が付く。未来住まい方会議では、場所・時間・お金の縛りがない世界から、新たな豊かさを定義し発信している。つまり、場所・時間・お金について深く深く考えているのだ。未来住まい方会議の読者もきっと同じように考えている方が多いだろう。
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さまざまなものの集合体である自分を変えるためには、「新しくなにかを始める」か「これまで続けていたなにかをやめる」、もしくは「これまでの習慣を継続する」ことが有効だ。2016年がはじまり、SNS上ではこれらについての宣言をよく見かける。
携帯電話を持たなくなった知人、会社で働くことを辞めた友人、そういえば、未来住まい方会議の副編集長は喫煙を辞めたそうだ。彼らは自身が設けた「ない世界」でなにを考えどう感じて生きているのか、今度聞いてみようと思う。

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