誰もが利用できる暮らしの拠点「YADOKARI VILLAGE」誕生。ブランドフィロソファーが語る拠点に込めた想いとは?

YADOKARIは複数台のトレーラーハウスを活用した新しい暮らしの拠点「YADOKARI VILLAGE」を立ち上げる。誰もが利用可能な新しい暮らしの拠点として、今後、日本各地に展開していくYADOKARIが今力を入れて手掛けているサービスのひとつだ。

そんなYADOKARI VILLAGEとは一体どんなものなのか。ブランドに込められた思いや、完成までの開発チームの軌跡を前後編でお届けする。

前編となる今回は、このサービスのブランディングを手掛けた伊藤幹太の想いをお伝えしよう。新宿に居を構えながらも、心を寄せる第2の拠点として、青森県十和田市へ時折訪れているという伊藤。馴染みのあるお気に入りの拠点を持つことの大切さを身をもって体感しているからこそ、人一倍想いをこめてこのブランドと向き合っているメンバーのひとりだ。

多拠点生活から移住まで。次の暮らしを築くための足掛かりに

ーーYADOKARI VILLAGEとは、どんな場所なのでしょうか?

YADOKARI VILLAGEとは、「あはひを暮らす」をテーマにした、誰もが利用可能な新しい暮らしの拠点です。

私たちYADOKARIは、創業以来、メディアでの発信やタイニーハウス事業を通してお金、場所、時間にとらわれない自由で豊かな暮らしの営みを模索し、提案し続けてきました。このYADOKARI VILLAGEは、そんなこれまでに追求してきた豊かな暮らしの在り方を表現し、皆さんと一緒に分かち合うために作った、YADOKARIにとってもずっと創り上げたいと考えてきた念願の場所です。

使い方のイメージとして、例えば、YADOKARI VILLAGEの周辺地域への移住を検討している方が、その地域に試しに滞在する手段として宿泊いただくというように、次の暮らしを築くための足掛かりとして使っていただいたり、もしくは、宿泊される方々が、YADOKARI VILLAGEを利用しながら初めての多拠点居住に挑戦したり、週末や長期のお休みの際に度々遊びに来てくださる別荘のような使い方をしてくださったり。この場所に来ることで心が安らぎ、何度も足を運んでもらえるような、ご自身の暮らしの一部のようにご利用いただけるといいなと思っています。

それぞれのタイニーハウスには、所有してくださる一般のオーナーさんがいて、その方にとってももう一つの家のような存在です。YADOKARI VILLAGEが今後広げてゆく拠点と、各地に設置されたタイニーハウスが、オーターさんや宿泊してくださる多くの人にとっての憩いの場となり、そこで過ごす人々の暮らしによい影響を与え続けられるよう、今後も力を入れて取り組んでいきたいと思っています。

自分の中にある多様性やこころの動きを見つめ、探求する場所に

「あはひ」は日本に古くから存在する言葉なのですが、様々なものの間に存在する空間や時間を意味します。

日常と非日常、都市と自然、刺激と休息など、対となる環境や価値観、体験がの狭間を行き来しながら暮らすことで、人生はより豊かになるという考えが、このテーマに込められています。

私たちは、すでに心地よさを感じている場所や親しみのある環境に身を置くことが多いと思いますが、そうすることで、心の中に生まれた新しい好奇心や、価値観、自分の新たな側面を心に閉じ込め、解き放つことができなくなってしまうことがあると思うんです。

私は、今現在新宿に居を構え、その場ならではのエネルギーの奔流や東京都内の様々な場所・文化に影響を受ける日々を過ごしています。新宿は、自分を変化させてくれる良い環境だなと思う一方で、無意識のうちに内省的な時間や大切にしたい感性を失ってしまう事もあるんです。

そんな折に触れて、自分にとっての大切な聖域として足を運ぶ場所が青森県十和田市にある十和田湖。そこにある風景、文化、人々に癒されるゆったりとした時間を過ごすことで自分を確かめるという習慣があるのですが、この行き来が自分の暮らしを豊かにしてくれている実感があります。

青森県十和田市にある十和田湖

「自分はこんな場所が合っている」、「こういうのが自分らしい」というように自分のアイデンティティとなる場所やコミュニティを一つにきめる必要はないと思っていますし、刺激的な日常を過ごしたいときもあれば、静寂な時間に心地よさを感じるときもある。そういった自分の心の中にある多様な側面や、心の動きを大切にすることが、自分らしい人生を歩んでいくために必要なのではないかと思っています。

YADOKARI VILLAGEでも、様々な地域での場づくりを通じて、自分の中に取り入れたい時間や価値観に触れ、自分らしくいられる時間をつくるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

YADOKARI VILLAGEが提供する3つの体験

–具体的にどんな体験が得られる場なのでしょうか?

「じゃあ、どうしたら自分らしく生きることが出来るか」ということを考えたときに、必要な体験が3つあると思っていて。それを「開放」「関係」「遭遇」の3つの体験とし、YADOKARI VILLAGEでは、これらの体験ができるような空間や仕掛けづくりを行いました。

まず1つ目は「開放」、精神的にも肉体的にも自分を開放することが大切なのではないかと思っています。

社会に与えられた役割や肩書きのようなものや、知らず知らずのうちに自分自身が自分に課してしまった「こうあるべき」という束縛や、囚われている常識から自分を解き放ち、自分にとっての心地の良い、ニュートラルな心身の感覚や状態を取り戻す空間になるよう意識しました。

北軽井沢拠点は標高1,100〜1,200mの高度に位置し、浅間山の山裾に広がる自然に囲まれた場所です。すぐ近くを流れる川のせせらぎやカラ松の葉が揺れる音など、季節折々の音が愉しめます。

そんな自然豊かな静寂な場所で、焚き火や、専用のヤードで満天の星空を眺めていただきながら、自分を開放するような時間を過ごしてほしいと願っています。

2つ目に大切なことは「関係」。他者との関わりを通じて、自分にとって大切な生き方や暮らしに気づき、それを一緒に守り合い、応援し合える仲間と出会える場にしていきたいと考えています。

大切な人の存在をいつでも近くに感じ、相手を気遣うことができたり、思い合うことができるのは、トレーラーハウスだからこそ。そんなかけがえのない時間を、木のぬくもりが包み込む小さな空間の中で過ごしていただき、そこで出会う気づきや大切にしたい価値観を、育み育てていくような時間を過ごしていただけたら嬉しいです。

3つ目は「遭遇」。好奇心を揺さぶり、新たな歩みを始めるきっかけや発見となるものとの出会いです。

心身が解放されて、大切な人とのあたたかい関係があり、安心感やほどよい自信を持つことのできる心地いい状況の中だからこそ、「自分ってこういう時間が好きだったな」、「こういうことがやりたいと思っていたんだよなあ」と忘れていた大切なものに気づけるし、安心感があるからこそ、何か新しい決断ができることもきっとあるはずです。

今回の拠点にはYADOKARIメンバーで探索し、地域の人を介してセレクトしたワイン、ビール、調味料、ミールキット等をご用意しました。各トレーラーハウスには、ミニマムなキッチンと冷蔵庫、調理器具もありますので、季節の移ろいを料理をすることで感じたり、地域の美味しい食材を愉しむことで、大切な人とのあたたかな「遭遇」があればと思っています。

上質な自然の中での時間を大切な人と。 北軽井沢拠点の魅力

–最初の拠点、北軽井沢はどんな場所なのでしょうか?

YADOKARI VILLAGEの最初の拠点は、北軽井沢の美しく、静かな自然に囲まれた場所に構えることになりました。広大な山の中で、川のせせらぎが聴こえ、心と体を開放することのできる本当に心地の良い場所で、まさしくYADOKARIが創業当時に思い描いていた豊かさを体感できる場所です。

この場所の心地よさを是非、多くの方に体感していただきたいと思っていますし、大切な人と豊かな時間を過ごすためにも、お一人で大切な自分と向き合う時間をお過ごしいただくのにも最適な場所だと思っています。ぜひ、多くの方に遊びに来ていただけたら嬉しく思います。
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前半では、YADOKARI VILLAGEに込められた想いや、大切な軸となるテーマについて伺った。後半は、YADOKARI VILLAGEに設置するYADOKARIの新しいトレーラーハウス「MIGRA」第1号のもとへ訪れた開発チーム4人の様子をお届けしよう。ブランドの発表を目前に控えた4人は、MIGRAの中でどんな時間を過ごしたのだろうかーー。

後編へ続く≫


 

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