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未来団地会議 まちやまプロジェクト

【アフターレポート】まちやま まるごと スコーレvol.3@町田山崎団地

2025.08.08

梅雨の晴れ間に恵まれた6月の土曜日。みどり溢れる「町田山崎団地」の一角にはクチナシの花が咲き誇り、その甘く濃厚な香りが初夏の空気に溶け込んでいました。

UR都市機構×YADOKARIが連携し2024年夏より始動した「まちやま プロジェクト」は、多様なつながりの中で、これからの団地のありたい姿を描くことをコンセプトとした取り組みです。これまでに、地域の町内会、商店会、学校などと協力し、季節ごとのイベントやワークショップなどを開催してきました。

「おとなとこどもが入りまじり、心地よい日常を共に生み出していくこと」を目指して始まった本プロジェクト。その一環として過去2回の実証実験を行い、今回はイベント第3弾として、6月28日(土)に「まちやま まるごと スコーレ vol.3」を開催しました。

第3弾のテーマは「親子で楽しむ!ナイトシネマ」です。日中の暑さが和らいだ夕暮れ時に、団地のセンター広場にある白い壁に投影し映画を上映しました。

さらにナイトシネマ開演前には、ワークショップやお買い物を楽しむことができる「チャレンジテント」も出店し、楽しい1日となりました。本記事ではそんなイベントの様子をレポートしていきます!

「まちやま まるごと スコーレ」とは

「スクール(学校)」の語源となった、ギリシャ語の「スコーレ」には “余暇”という意味があると言います。

土地に根付いた知恵や、誰かの生きた物語。答えのない問い、余白の時間と対話。人々の暮らしが交差する団地には、学校や仕事場での学びだけではない、人生の大切な気づきがすぐそばにあるのではないかと感じます。

忙しない日々の中で少し立ち止まり、人生の「学び」や「余暇」をテーマに、大人も子どもも入りまじりながら、団地でのこれからの過ごし方を実験するイベントがこの「まちやま まるごと スコーレ」です。

チャレンジテント企画「やってみたい」を今ここで!

イベントをお昼から楽しんでいただけるよう、ぽんぽこ広場には様々な体験をすることができる「チャレンジテント」が用意されました。

こちらは「IZUMO.naturalstone」によるワークショップです。レインボーバスソルト作りや、天然素材の虫除けスプレー作り、天然石・シェルを使ったオリジナルチャーム作りを体験することができます。

自分で好きなアイテムを選んで作ることができるチャーム作りが特に人気で、子どもたちは目をキラキラさせながら作品づくりに夢中になっていました。

当日の様子について、店主の秋山さんは「たくさんの子どもたちが来てくれて嬉しかったです。団地の雰囲気が温かくにぎやかで、何より子どもたちが楽しく遊べる広い公園や駄菓子屋さんがあるのが素敵ですね」とお話してくれました。

また、桜美林大学の「ぼくらのサークル」が準備したフェイス・フィンガーペイントの体験コーナーはお客さんが絶えない人気ぶりでした。

今回のイベントに協力してくれた「ぼくらのサークル」は2024年に設立したばかりで、サークルメンバーの「やってみたい!」という気持ちを原動力に、学内外で様々なイベントを企画・実行しているそうです。

お客さんのリクエストに応えて、好きなデザインを描いてくれるサークルの皆さん。シンプルなお花やハートのデザインから、「エイ」や「カモ」など一捻りあるリクエストにもばっちり応じます。

子どもたちは手や指を使って、自分の好きなものを思い思いに描いていました。

サークルの皆さんからは、「団地の子どもたちが色や形に囚われず自由に表現しているのを見て、僕たちも刺激をもらいました。今後も機会があれば是非参加したいです!」と笑顔で感想を教えてもらいました。

陽が傾き風が心地よく感じられるようになった夕方、広場の一角でヨガ体験が行われました。緑が広がる開放的な団地でのヨガは、日々の忙しさを忘れる素敵なひとときに。時の流れに身を任せ、自分の内面と向き合う貴重な時間となりました。

さらに人気を集めていたのは、団地住民の中学生プログラマーによる特別企画「バーチャル水族館」です。

広場の壁に水族館の映像を投影し、その中で自分で描いた絵を泳がせることができます。「バーチャル水族館」のアイデアは、「ナイトシネマで壁を使うなら、上映前にも何か面白いことができないか」という発想から生まれました。本当に海の中で泳いでいるように見えるように、魚の動く速度や角度、方向などを工夫してプログラミングしたそうです。

映画を見ながら一口パクリ!大人気のキッチンカー

センター広場には、山形県産「雪若丸」を使用した握りたてのおむすびが好評の「musubi」と、注文を受けてから石窯500℃で一気に焼き上げるもちふわピザが美味しい「Kitchen 293」の2台のキッチンカーが登場しました。

「さっきも買ったけど、美味しくてまた買いに来ちゃいました」とリピーターの姿も。
芝生にレジャーシートを広げ、おにぎりやピザをつまみつつ上映を待つ……まさに初夏のピクニックを楽しむ様子があちらこちらで見られました。

広場の周りに、団地で50年以上にわたって愛されてきた「おもちゃと駄菓子の店 ぐりーんハウス」が子どもたちのためのコーナーを用意してくれました。

「ぐりーんハウス」は2020年にリニューアルオープンし、現在は駄菓子屋・シェアキッチン・設計事務所の3つを軸に営業を行っています。大人にとっても子どもにとっても居心地の良い、団地の憩いの場です。

さらに、団地にお店を構える「キャンドルStudio lepta」からは「金魚すくい」ならぬ「キャンドルすくい」をご提供していただきました。
色とりどりのキャンドルに惹かれた子どもたちがワイワイと集まっていました。

本日のメインイベント「ナイトシネマ」がスタート!

今回上映したのは「FLY!/フライ!」という作品です。

あらすじ—————————————————————————————————————
一度も安全な池の外に出たことがないカモの家族。そんなある日、一家が住む池に移動中の渡り鳥がやってきます。「池にいたら一生安全で幸せに暮らせる」と思っていた父マックでしたが、渡り鳥の話を聞いて外の世界に心をときめかせる妻パム、息子ダックス、娘グウェンに説得されて、ついに家族は遠く離れたジャマイカを目指し大冒険に出ることに___
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午後7時過ぎ、いよいよ映画の上映時間です。レジャーシートやクッションを用意し、リラックスして映画を楽しむ準備は完了!

映画が進むにつれ、徐々に空も暗くなっていきました。ガヤガヤとにぎわっていた広場もいつの間にか静かになり、ドリンクやおつまみを片手に、誰もが映画に見入っている姿が印象的でした。

まとめ

日常に彩りが加わり、お互いの距離が少しずつ近づいていく。いつもの景色が少し特別に見える。また明日も頑張ろうと思える時間を過ごせる__今回の「まちまや まるごと スコーレvol.3」が皆さんの心に残る1日となったら嬉しいです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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