
「生きかたを、遊ぶまち」をコンセプトに掲げる、相鉄本線・星川駅〜天王町駅間の高架下施設「星天qlay(ホシテンクレイ)」では、2025年7月19日(土)、夏の夕涼みを楽しむ音楽イベント「宵祭(よいまつり)」を開催しました。
今回の「宵祭」は、心地よい音楽とともに夏のひとときを味わう特別な1日。個性豊かなアーティストたちのライブやパフォーマンスが繰り広げられ、訪れた方々が、音楽に耳を傾けながら涼やかな風を感じたり、おしゃべりに花を咲かせたりと、それぞれの“宵”を楽しんだ、当日の様子をレポートしていきます。
大盛況の星天ライブ&マルシェ

芝生広場では、「星天ライブ&マルシェ」を開催!

トップバッターは、世界的スポーツイベントや各地のフェスでも活躍するカルナバケーションさんです。 開演前からたくさんのお客さんが集まり、サックスの爽やかな音色とともにライブがスタート。空気がふっと切り替わって、高架下はまるで夏フェスのようなにぎわいに包まれました。自然と手拍子が広がり、体が動き出す。会場全体がわくわくした一体感に包まれます。
なかでも、カルナバケーションさんのリードで観客の皆さんが手拍子を合わせるセッションは、大人も子どもも巻き込みながらの大盛り上がり。音楽でつながる、気持ちのいいひとときでした。
カルナバケーションさんのコメント:
「すごく楽しい1日でした!フェスだと音が外に出てしまいがちですが、高架下では響きが返ってきて、ホールで演奏しているような心地よさがありました。お客さんにも、それを感じてもらえたんじゃないかなと思います!」

続いて登場したのは、CERTE(セルテ)さん。
トロンボーン、フルアコースティックギター、そして女性ボーカルという、ユニークな編成のユニットです。
さっきまでのにぎわいから一転、ぐっと穏やかな、大人の空気感に。高架下にジャズのゆったりとした音がふわりと響き、風が音楽に乗って流れていくよう。聴いているうちに、自然と体がリズムにのって動き出すような心地の良い時間でした。

その後登場したのは、Yumedori(ユメドリ)さん。
ガットギターとパーカッションを奏でる、おふたりによるユニットです。
演奏のスタートと共におふたりのやわらかく優しい音が、自然の音や風、子どもたちの声など周囲の音とひとつになっていくような不思議な感覚に。日が少しずつ落ちていく時間とともに、心がすっと落ち着いていくのを感じます。
日が沈むなか、子どもたちの声や風を感じながら、ゆったりと豊かな夕暮れを楽しむことができました。
高架下で異文化体験も!マルシェやワークショップも開催
同じく芝生広場では、マルシェやワークショップの開催も。

まずは、AFRICA COLAのチャーリーさん。自身のルーツであるアフリカ原産のスパイスだけを使ったこだわりのクラフトコーラを提供してくださいました。京都から東京まで、コーラを売り歩く旅の途中で星天qlayに出会い、今回の出展をとても楽しみにしていたとか。
スパイスが効いたあっさりとした味わいで、後味は少しピリッとスパイシー。暑い夏でも飲むと元気が湧いてくる、とても爽やかでおいしいクラフトコーラでした。

また、E2C(Project Exchange to Change)さんは、モロッコで買い付けたたくさんの雑貨を販売。普段は、モロッコのツアーやイベント開催、ワークショップ、現地式のお買い物体験などを通じて、日常と世界をつなぐ新しい文化交流をつくっているのだそう。
今回は、モロッコ独特の「書き値」(欲しい商品の金額を紙に書いて提示し、店主と交渉して購入する方法)という買い物文化も体験できる特別な機会のご用意も。日本ではなかなか出会えないユニークなスタイルに、多くの方が新鮮な驚きを感じていました。高架下で異文化に触れられる、貴重な体験でした。

たくさんの子どもたちでにぎわっていたのは、「たまごマラカスづくり」のワークショップ。このワークショップは、同日開催のイベント「Loop」(天王町・星川エリアの飲食・物販・サービス店をチケット制でお得に楽しめる地域回遊型のイベント)の参加店舗として出店。
小さな卵型の容器にビーズやひまわりの種を入れて、オリジナルのマラカスを作るブースです。シールを貼ったり色を塗り、自分だけのデザインをつくることができます。


マラカスを作った子どもたちによる即興のセッションも大盛り上がり。その後のライブでもマラカスを握って音楽を楽しむ子どもたちの姿がありました。

また、クリエイター向け協働制作スタジオ「PILE」さんによるワークショップも、Loopの参加店舗として開催。
ボタニカルアートでうちわをデコレーションするコーナーと、夏にぴったりのフェイス・ボディペイントが体験できるコーナーがありました。

地域で集めた植物やドライフラワーを使って、自分だけのうちわが作れます。

フェイス・ボディペイントは、すいかやひまわりなど夏のお祭りにぴったりのデザインから好きなものを選び、身体に描いてもらえます。特別な日にふさわしい体験で、気分を盛り上げてくれました。

そして、今回のイベントでは、「星天ヒト×コト ホッピング」と題したスタンプラリーも開催。星天qlay内のお店に掲示されたスタッフさんたちの「夏の夜、星天qlayで聴きたい曲」を集めて、Cゾーンの芝生広場へ行くと、素敵なプレゼントがもらえます。会場内を駆け回る子どもたちの元気な姿が、とても印象的でした。
まちの人のステージ、オープンマイクを開催!

Bゾーンでは、今回の星天qlayで初めての試みとなるオープンマイクを開催!開始から多くのパフォーマーが、それぞれの方が想いのこもった演奏をお届け!子ども連れのご家族やご年配の方など、たくさんの方が足を止めて、ふとした夕涼みのひとときを楽しみました。
気軽に音楽に触れられる!音育ワークショップとオープンピアノ

DゾーンのYADORESIでは、親子で楽しめる音育ワークショップが行われました。

段ボールでギターを作るワークショップや、屋外にはオープンピアノも設置され、通りすがりの方々が気軽に立ち寄っては自由に音を奏でていました。
お酒を片手に生演奏を楽しめる、夜のジャズライブ
段々と日が沈み、空がピンク色に染まり始めるころ。
Eゾーンを舞台に、「星天ライブ」がスタートしました。
夕暮れにぴったりのジャズライブが繰り広げられ、お酒を楽しめる飲食店が多いEゾーンは、しっとりとした大人の雰囲気に。

最初に登場したのは、はっぴーばーすでーズさん。シェアハウス「YADORESI」の住民とそのご近所さんで結成されたアコースティックバンドです。
今回の宵祭ではジャズアレンジに初挑戦。YADORESI住民や顔なじみの方々が応援に駆けつけ、演奏を盛り上げる場面や、友人の誕生日を歌でお祝いする場面もありました。星天エリアとつながりの深い彼らならではの、あたたかく心に残る30分間の演奏でした。
はっぴーばーすでーズさんのコメント:「今回はジャズに初挑戦!いつもとは違う状況ではありましたが、仲間たちが盛り上げてくださり、私たちらしい演奏と雰囲気をつくることができたように思います。とても楽しかったです!」
その後は、芝生広場でも演奏したCERTEさんとYumedoriさんが再び登場。

CERTEの歌声やサウンドと夕暮れの雰囲気がぴったり合い、素敵な演奏で胸がいっぱいに。ピンク色の空とも重なり、とても素敵な空気感に包まれました。
CERTEさんのコメント:
「夕方のこんなに心地よい時間に歌うのは初めて。ライブハウスやフェスなどで演奏することは多いですが、こんな開放的で涼しい場所での演奏は珍しく、とても気持ちよく歌わせてもらいました。ぜひまたここで演奏したいです。」

Yumedoriさんが登場する頃には、あたりはもう真っ暗に。静かな夜のまちに響く打楽器の音はまるで木々がそよぐ音のよう。お酒を楽しみながら夜の時間を過ごす方々のそばで、夜の雰囲気を華やかに彩ってくださいました。
Yumedoriさんのコメント:
「今回は、ブラジルの音楽を中心にボサノバを演奏させていただきました。野外ライブを思い出し、懐かしい気持ちにもなりました。」
まとめ
暑い夏の夕暮れ、みなさんと涼を楽しむひとときとして開催された宵祭。生演奏に包まれながら、美味しいお酒やごはん、大切な人との特別な時間を楽しめる贅沢な時間となりました。
子どもからご年配の方、この日を楽しみに星天qlayに足を運んでくださった方々、そしてお仕事帰りにふらりと立ち寄ってくださった方や、お散歩の途中に寄ってくださった方も、それぞれのペースで宵の時間を楽しんでいる様子で、多くの方と心地よいひとときをご共有できたことをとても嬉しく思います。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!
取材・文:鈴木 佐榮