【8/20イベントレポート】空き家へのワクワクが膨らむ!オンラインイベント「“100均空き家”ではじめる念願の信州田舎暮らし」
長野県中野市空き家バンク×空き家ゲートウェイで始動する「信州なかの“ちょうどいい田舎暮らし”作戦」のリリースを記念して、オンラインイベント「“100均空き家”ではじめる念願の信州田舎暮らし」が行われました。
「信州なかの“ちょうどいい田舎暮らし”作戦」は中野市の空き家バンクにも空き家を100円or100万円の2つの価格で掲載し、「手放したい人」と「使いたい人」をマッチングさせる新プロジェクトです。
イベントでは「信州なかの“ちょうどいい田舎暮らし”作戦」を改めて紹介したほか、中野市の空き家対策、移住施策、空き家で実現した田舎暮らしの先進事例について紹介が行われました。また、イベントの後半には参加者による「100均物件活用アイディアワークショップ」も。
空き家を使って何かをしたい人、空き家の活用方法を考えたい人、移住を検討している人など、さまざまな目的を持つ約50名の「空き家に興味を持つ人」が集まったイベントの模様をレポートします。
■「信州なかの“ちょうどいい田舎暮らし”作戦」ってどういうプロジェクト?
まずはモデレーターである空き家ゲートウェイの川口直人さんから「信州なかの“ちょうどいい田舎暮らし”作戦」について紹介されました。
空き家ゲートウェイとは株式会社YADOKARIとカリアゲJAPANが共同運営する日本中の100均物件を網羅するマッチングサイトです。
サイト上には100円か100万円か、2つの金額のみの物件が多く並びます。空き家を買いたいという人のアイディアはさまざま。子どもたちとアウトドアを楽しみたいからそのためのセカンドハウスに。高校や大学の合宿所に。
そんな中で2021年4月からスタートしたのが長野県中野市との空き家活用の取り組みです。
“ちょうどいい”田舎暮らしができる中野市。サイトでは現在第一弾として掲載されているのが登山口から5分のところにある8DKの物件です。庭も物件自体も広々。今回は100円で掲載されています。大きな倉庫も事業をやる人にとっては使い勝手がよさそう! これからもさまざまな「100均空き家」が登場する予定です。
どのように空き家を掲載するのか、マッチングはどうやって行われるのかはサイトをチェックしてみてくださいね。
▶︎空き家ゲートウェイHP
https://akiya-gateway.com/
■中野市の魅力と、移住者に嬉しい補助金制度って?
じゃあ、中野市って一体どんな街なんだろう? そこで、中野市地域おこし協力隊の村井照太さんから中野市の魅力を「空き家」の観点からご紹介いただきました。
中野市は北信と言われる長野県の北に位置しています。都心からのアクセスもよく、北陸地方にも行きやすいのもポイント。伝統野菜ぼたんこしょうなど農業が盛んです。便利なお店も多く、ホームセンターの数が多いのも特徴? 自身でリノベーションをやりたいという人には嬉しいかもしれません。
そのほかにも、ファーマーズマーケット「オランチェ」や、移住してきたオーナーが経営するcafé Teco、Backerei URANOには市外、県外からも多くの人が訪れる人気店などがあります。
また休日には野沢温泉村、志賀高原、小布施など車があれば1時間程度で行くことができるという好立地です。
そんな中野市の空き家事情はどうなっているのでしょうか。
「中野市には現在、1000件以上の空き家が登録されています。比較的状態いいものから、倒壊寸前、もはや家とは言えない代物もあってコンディションはさまざまです。
100円物件には建物自体の老朽化、立地が悪い、などさまざまな問題を抱えている物件がありますが、チャレンジ精神がある方にはオススメ。利活用のアイディアが明確にあれば、かなりお得な物件だと言えます」と村井さん。
現在問い合わせ件数も上昇中。その理由のひとつが補助金制度の充実です。他の自治体に比べて多いのが特徴なのだとか。
民間事業者、移住者、そして空き家販売者向けにも補助金があります。清掃や解体などの補助金もあるのでサイトで確認してみてくださいね。
▶︎中野市空き家活用等事業補助金について
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2016021000064/
「街中至るところから山の風景が見られるので、お散歩するだけでも癒されます。また、移住者の方からすると、地域の方と仲良くできるか不安かもしれませんがリスペクトする気持ちがあれば優しく接してくれますし、自然を身近に感じられるいい場所です」(村井さん)
移住に興味がある方は、オンライン型オーダーメイド見学ツアーや、中野市移住PR動画もチェック!
▶︎中野市移住定住応援サイト
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2015033100243/
■先輩に聞いた!空き家から宿泊施設ができるまで
続いて登壇してくださったのは東京から長野県に移住し、ある約100年超の古民家をフルリノベーションして一棟貸しの宿「nagare」を開業させた石川景規さん。
東京生まれ東京育ちで金融機関に就職後、夫婦で世界一周旅行へ。2017年から長野に移住、飯島町地域おこし協力隊に着任。2020年に「nagare」を開業して現在に至ります。
「なぜ宿をやりたかったのか、と改めて考えたんですが、自分が納得できるビジネスがしたかったんだな、と。両親にも胸を張って紹介できる職業に就きたいと思ったのが開業のきっかけ。そこで世界旅行での経験を活かした宿泊施設を、ということで始めました」と石川さん。
とは言え、「nagare」オープンの道のりは平坦なものではありませんでした。
飯島町にやってきたのは友人を訪ねてきたのが最初。
そこで出会った物件は15年から20年程度放置されており、ボロボロの手のつけようがないものでした。地元の人にも「壊したほうがいい」「もっといい物件がある」と諭されたのだそう。最初は清掃片づけだけでも疲弊してしまったこともありました。
片づけが終わってからがようやく本当のスタート。建物の改築など、プロにお願いした部分も多くありましたが、石川さん夫婦ご自身でペンキを塗ったり、植栽も行いました。
そんな開業までの間に時間をかけて取り組んできたことは、ビジネスモデルづくり、コンセプトづくり、関係性づくり、資金づくりの4つです。
最初は宿も一棟貸しというつもりではなかったのだそう。施設と、地域、観光地ではない、という環境を踏まえて導き出したのが「非日常空間で街で日常を感じて過ごせる古民家」、というビジネスモデルでした。そこに自分たちの経験を重ねて、一棟貸しという結論にたどりついたのです。
コンセプト作りにおいても、一度にできるものではなく、時間をかけてディティールを詰めていきました。また地域を感じてもらうために、地元のクリエイターや職人の作品を使用したり……。どのようなビジネスをするにしても、コンセプトを決めるのは重要なことになってきそうです。
また移住して重要になってくるのが関係性づくりです。近隣の住民や近隣事業者、役場職員、ビジネスパートナーなど、「都市部でビジネスをするときよりも、地方で仕事をするときのほうが関係性の重要度は高い」と石川さん。
「地域でお仕事をするということは地域にお世話になるということ。関係性をしっかりと築いてからビジネスに移行するのがスムーズかな、と思います」と、しっかり関係性を作ることの重要性について強く語られていました。
そのほか、古い物件を選ぶ際に気にしておきたいこと、などこれから空き家を活用したいという人には耳寄りな情報を提供してくださいました!
▶︎一棟貸し古民家宿「nagare」
https://nagare.cc/
■自分たちならどんなふうに空き家を活用する?
村井さんから中野市について、石川さんから空き家活用の実例を教えていただいたところで、100均物件活用アイディアワークショップへ!
参加してくださった方を6つにグループ分け。
ワークショップのテーマは2つ。ひとつが100円物件の課題、魅力について、もうひとつは100円物件を使った活用アイディアについてです。
それぞれのグループの特色が出たワークショップになったようで……?
- Aグループ
活用アイディアを知りたい人、空き家を使って何かをしたい人が集まったAグループ。「壁かっこいい」「落書きの壁」を魅力のひとつととらえていたAグループでは活用アイディアが個性的。
「音楽フェス会場」、「写真家アトリエ」、「映像作品ロケ地」などアート寄りのアイディアから、立地を生かした「クロスバイク拠点」、「登山前の休憩所」なども。
- Bグループ
活用の方法を考えたい人が集まったBグループでは建物自体の整備に課題を置きつつも、広さや周辺の環境に着目。
「果実酒貯蔵室」「漬物貯蔵室」「美味しい地のものを食べられるゲストハウス」など、食にまつわるアイディアが出ているのが特徴的です。
広い庭を利用したアクティビティのアイディアを出していたのはBグループの特徴のひとつかもしれません。
- Cグループ
実際に移住を考えている人もいるCグループからは「ここでしかできないこと」に注目。得意分野を活かせる場づくりであったり、小説家など「ターゲットを絞ったゲストハウス」というユニークなアイディアも。
多くのグループでも上がっていましたが、「庭が広い」「果実がある」というのは大きなポイントのようです。
- Dグループ
空き家の見つけ方や購入や賃貸したいという人が多く集まるDグループからは魅力として「レトロでかわいい」という声が。
活用アイディアとしては「縁側でスイカ」、「ハーブ園」、「正座で食べるパフェ」など自身がどのようなことを空き家でやってみたいのか、というところに焦点があてられるように感じるラインナップとなりました。
- Eグループ
空き家の契約や活用の費用感などを知りたいという人が多いグループでは課題がずらり。建物の老朽化、シロアリなど、リノベーションの大きな障害になりそうな点に着目。たしかにこのあたりで予算感は大きく変わってきそうです。
お風呂に関するアイディアが出ているのも気になるところ……!
- Fグループ
最後のFグループは偶然にも中野市など地元の方が多く集まる結果に!
空き家活用のアイディアについても「雪が多いエリア」「プチ登山場所」「若い人たちが多い」などその場所の特色を踏まえたものが挙げられていました。
「観光向けではない」「観光<地元」という意見もあったので地元の人と連携したビジネスが向いているのかも?
■空き家の未来にワクワク!?
ワークショップにも参加した方からは
「空き家についてあまり知識がなく参加しましたが、興味が広がる時間でした。実際に空き家をご自身の手でリノベーションされた方のシェアはとても勉強になりました」
「実際に利活用されている方からのお話も伺うことができ、今まで漠然としていたイメージがより鮮明になりました。現在は空き家どころか家を購入すること自体を検討していない状況ですが、今後家を購入する際は選択肢にいれたいと思います」
などと言ったように、空き家自体だけではなく、その先の活用法にも興味が湧いたという感想が聞かれました。
少しでも中野市の「ちょうどいい田舎暮らし」が気になった方は公式サイトへGo!
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