バックパックワーカーの拠点、ゲストハウス

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 みなさん明けましておめでとうございます、と言ってもすでに1月の終わりですから少し遅いですね、本年もゆるゆると記事を書いていきます。つたない文章ですが、よろしくお願いします。
 今回のテーマは「宿」、旅先での仕事拠点となるゲストハウスについて書いていきます。

 

突然ですが、「ゲストハウス」って、ご存知ですか?


 みなさんゲストハウスという言葉はご存知でしょうか?ゲストハウスとは、平たく言えば旅人向けの安宿です。世界各国にゲストハウスは点在していて、料金は格安、ヨーロッパなどの先進国でも一泊2000円前後で泊まれてしまう大変リーズナブルな宿です。
 個室もあるのですが、一番安い部屋代だと「ドミトリー」と言って、ひとつの部屋に2段ベッドが4つほど置かれた部屋のベッドがひとつ貸し与えられます。トイレ、シャワーは共用ですが、たいてい清潔に保たれていて、たいていお客同士が交流できる共用スペースがあります。
 また、海外で仕事をする上で欠かせないネット環境を完備した宿も多く、日中はお客も観光で出払っているため、集中して仕事が出来る環境が確保されています。

 さて、ゲストハウスの説明はこれぐらいにして、なぜ旅をしながら仕事をするにはゲストハウスが良いのか、その魅力を説明していきますね。
※この記事は「長期旅行をしながら仕事をする。」という事を前提としているので、資金に余裕のある方や、短期旅行の場合には異なる宿の選び方があると思います。

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なぜホテルではなくゲストハウスなのか?


 旅をしながら仕事をする、という視点で宿を選ぶ時、なぜゲストハウスを選ぶのか?ホテルではいけないのか?それには3つの理由があります。

①宿泊費が安い
②旅の情報が効率よく集められる
③人との出会い

では、順番に紹介していきます。

 
①:宿泊費が安い
 とにもかくにも宿泊費が安い事が理由のひとつ。
 中国やネパール、インドなどのアジアでは一泊だいたい500円前後、先進国などのヨーロッパでは2000円前後と、ホテルに比べると格安で泊まれるのが大きなメリットです。
 例を挙げると、東京のビジネスホテルの相場が3500円前後なのに対して、ゲストハウスのドミトリーは2000円前後と3分の2ぐらいの値段で泊まれます。
 宿から宿に泊まり歩く旅行中は、一日1500円で月に4万5000円の違いが出てきます。もちろん、国によって物価は違うのですが、収入の限られる旅行中はこの違いは大きいと思います。

 
②:旅の情報が効率よく集められる
 旅を続ける上で重要なのは、各国のリアルタイムな情報。
 「治安」や「物価」「ここは行っとけ!というおすすめの観光地」「各国のビザの取得方法」などなど、ガイドブックに載っていない最新の情報はゲストハウスに集まる旅人が教えてくれます。
 特に治安の情報は、自分の身や仕事で使う荷物を守る為にも重要な要素。「あの国であんな手口で窃盗が起こった。」「あの地域ではこんな手口でぼられるから、気をつけた方がいい。」「あの地域で暴動が起こったから、今は行かない方が良い。」など、危険を避ける情報は新聞やネットよりも旅人から得た方が正確です。

 情報が正確な理由は、彼らもまた危険を避けたいが為に情報には敏感になっているため。そのため、ゲストハウスに泊まるとたわいもないお喋りと共に、夜な夜な情報交換会が開かれていたりします。
 ネットやガイドブックに載っている情報は、どうしても過去の物になってしまい、タイムラグが生じてしまいます。その点、旅人ネットワークの情報は最新で信用度も高い場合が多いのです。また、老舗ゲストハウスになると旅人ノートなるものが設置してあり、そこにも情報がびっしり書かれています。

 言葉は日本語しか使えなくても大丈夫です。世界には意外と日本人旅人がたくさんいて、ゲストハウスではそうした日本人の姿をよく見かけます。
 もちろん、第二言語が使えたらより多くの情報が手に入るかもしれませんね。バックパッカーにはヨーロッパやアメリカ、オーストラリアの人が多いので、片言の英語が出来ればコミュニケーションが出来ます。

 
③:人との出会い
 3番目は人との交流。これはすぐ役立つという訳ではないのですが、自分の世界を広げてくれます。
 旅人さんが集まるゲストハウスでは、人種や年齢や立場の違う様々な人達と出会えます。肩書きなども関係なく、わりとフラットに交友関係を結べるのも大きなメリットです。

 日本人で言えば、大手企業を辞め、3ヶ月間の短い期間でビジネスクラスで世界一周をする人や、日本を飛び出し、世界各地で武者修行をするブレイクダンサー。1年間休学をして世界一周をする学生さん達もたくさん知り合いましたし、世界をご夫婦で周られている方も何組か知り合いました。日本にいる旦那さんや奥さんに了承をとって世界を回っているなんて人達も。

 海外の人とのおしゃべりの中では、母国についての本音や文化について聞けたりするのでこれもまた面白いものです。
 北欧の旅人に聞いた「私たちの国では多くの人が大学を卒業したら世界を旅するの。」という話や、児童支援のNPOに勤め、アフリカに滞在するシンガポール出身の女性とのお喋り、10歳ぐらいから親元を離れ丁稚奉公をするインドの男の子達とゲームをしたのも良い思い出です。
 中国人の学生さんから聞いた「実を言うと、僕たちは自分の国の食べ物を信用してない、正直あまり食べたくない。」という本音には思わず唸りました。(余談ですが中国の若者達はとても友好的で良い人が多かったですよ。)

 僕の英語力がいまいちなのもあり、正確に聞き取れていない恐れもあるのですが、そうした「違い」を知る事は、これからの生き方や仕事の選び方に大きく影響を与えてくれています。
 未知なる者との出会いが旅というなら、人との出会いもその一つに数えられるでしょう。

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ゲストハウスで仕事をするデメリット


 一方ゲストハウスで仕事をする事にはデメリットもあります。
 ざっと挙げると・・・。

・共有スペースで仕事中に話しかけてくるお客さんやスタッフもいるため、仕事に集中しづらい時がある(この場合は近くのカフェなどに避難!)
・工事中、利用者多数などの理由でネット速度が安定しない場合がある(あらかじめホテルを調べて「wifi有り」とされている場合でも、回線が遅く頼りにならない場合がある。)
・宿のクオリティに当たり外れがある(ハズレ宿に当たってしまった場合、スタッフの対応が悪い、ベッドにダニがいる、シャワーが水しか出ない、など快適には過ごせなくなる。) などなどいくつかデメリットも有ります。

 しかし、これらの問題は経験と勘で避けられるようになっていきます。「経験と勘」については、記事がひとつ書けてしまうぐらいノウハウが有るので、ここでは割愛しますね。

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次回はメシ!「食事」がテーマです


 という事で、デメリットもあるゲストハウスですが、それがちっぽけに思えてしまうぐらい仕事をするには楽しい場所です。仕事抜きにしても楽しい場所なので、いつもはホテルに宿泊、という方も一度体験してみてください。
 次回は仕事の合間の楽しみ「食事」について書いていきます。それでは、また!!