イギリスの本当においしい料理は、繁華街よりも住宅街にあるんです| 世界中で広がる‘市民料理’を通じた出会い by KitchHike

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ロンドンと言えば、美味しくない食文化?

世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人(COOK)と食べる人(HIKER)をマッチングするWebサービス、KitchHikeです! 旅先で現地の人を訪ねて、世界中の食卓を実際に取材してきた模様を臨場感たっぷりにお届けいたします。

今回は、イングランドはロンドンから! ロンドンといえば、洗練されたあらゆる文化の発信地。そんな大英帝国にも苦手な分野がありました。それは食文化。


「イギリス料理はおいしくない!」と世界中から烙印を押されてしまっているのです。イギリス人自身も、自国の料理の不味さを自虐的にネタにするほど。

野菜は本来の食感がなくなるほど茹でる、油で食材が黒くなるまで揚げる、麺を必要以上に茹でて歯ごたえをなくすといった、食材本来の味や食感を残さない調理方法が典型的なイギリス流。調理の段階では味付けらしい味付けをせず、食べる人自身がテーブルで、塩や酢などを使って自分好みに味付けると言われています。

ギョッとするような食習慣。でも、これって本当なんですかね?

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今回、イギリスの家庭料理を振る舞ってくれたスーザンさんは「そんなことはない!イギリス料理もちゃんとおいしいものはあるよ!」と言います。

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では、なぜこんな悪評が根付いてしまったのか。 調べてみたところ、

  • 産業革命後の労働者階級の家庭では、新鮮な食材を手に入れることが難しく、食物を過剰に加熱殺菌せざるを得なかった
  • 政府による衛生学の啓蒙が上手くいき、必要以上に食材を加熱する調理法が普及した
  • 「目の前に、二つの皿が並んでいたら、自己否定の原則に従って、自分の好きでないほうを食べなければならない」と考えるピューリタン的な禁欲主義が、食文化の発展を阻んだ

……などなど、諸説あるようです。う~む、一体何が本当なんでしょうか。
ただ、そんな悪評も今や都市伝説だと思いたい。おいしいゴハンはどこの国にも必ずある。

そして出会ったおいしいイギリス料理

たとえ、街の中にあるレストランがおいしくなくても、家庭料理は別もの。イギリスの本当においしい料理は、繁華街よりも住宅街にありました!まずは、スーザンさんの愛情たっぷりマッシュポテトから。じゃがいもを茹でて、マッシャーでしっかりマッシュします。

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実際に食べてみた感想

マッシュポテトが本当においしい!びっくりするほど口当たりが軽く柔らか。日本で食べるポテトサラダやマッシュポテトは、少々重めのテイストですが、本場のマッシュポテトは意外にも軽やかな仕上がりでした。

脂がほどよく落ちてこんがり焼かれたソーセージも絶品!思わず喉を鳴らして、クラフトビールが欲しくなってしまいました。

そして、予想に反して一番おいしかったのが「ハギス」!スコットランドの郷土料理の「ハギス」は、茹でた羊の内臓 (心臓、肝臓、肺) のミンチ、麦、たまねぎ、ハーブなどを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて蒸したプディング。正直不味いとの前評判でしたが、これがまたおいしい!食わず嫌いは良くないなと、改めて思ったのでした。

「イギリスの家庭料理はおいしい!!!」

世界各国の食卓を通じて、人をつなぐKitchHike。実際に食べずして、世の噂を真に受ける訳にはいきません。情報過多の時代だからこそ、しっかりと自分の体感で物事を判断していきたいですね。

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