【イベントレポート】「小屋のオモシロイ可能性を考える会議。」で考えた、僕たちらしい小屋の未来と「THE SKELETON HUT」のオモシロがり方
2016年春、YADOKARIと鎌倉の不動産・建築事務所「エンジョイワークス」の共同企画により、好きなライフスタイルをインストールできる小屋「THE SKELETON HUT」が新たに誕生します!
その販売に先立ち、昨年12月の某日、「小屋のオモシロイ可能性を考える会議。」が鎌倉の「HOUSE YUIGAHAMA」で行われました。
今回はトークセッションの様子や、その後行われたワークショップの様子など、小屋やミニマルライフ、これからの住居のあり方などについて、ドリンク片手にざっくばらんに語り合ったミーティングの様子をご紹介したいと思います。
「小屋のオモシロイ可能性を考える会議。」の第1部はゲストスピーカーによるトークセッション。メンバーはYADOKARIからさわだいっせい、ウエスギセイタの両名と、YADOKARI小屋部部長・唐品知浩さん、エンジョイワークスからは設計部部長・濱口智明さんと、進行役にエンジョイワークス代表・福田和則さんが加わりました。
「THE SKELETON HUT」誕生の背景
「THE SKELETON HUT」誕生の裏には、2015年の春、エンジョイワークスとYADOKARI小屋部の共同企画で開催された「葉山小屋ビレッジ」のプロジェクトがありました。このプロジェクトでは、地域の方々や有志の仲間を巻き込み、葉山公園近くの空き地にバラエティー豊かな複数の小屋からなる「小屋のヴィレッジ」を誕生させました。
そして今回、暮らしを広げるツール(道具)としての小屋をより多くの方々に体験してもらうべく、再度エンジョイワークスとYADOKARIがタッグを組み、大小2種類のサイズを揃えた小屋「THE SKELETON HUT」を企画・販売することになります。
今、なぜ小屋なのか?
約3週間の会期中大勢の来場者でにぎわった「葉山小屋ビレッジ」、YADOKARI初のスモールハウス「INSPIRATION」を含め、20棟あまりの小屋が一堂に会した長野県の「小屋フェスティバル」、無印良品が初めて小屋を商品化と、2015年はかつてないほど小屋に注目が集まった年でした。
なぜ小屋が注目されているのか?小屋がこれからの日本の住まい方に与える影響とはどんなものなのか?前半のトークセッションはスピーカー各自の小屋や暮らしに対する哲学が感じられる、熱のこもったパートとなりました。
それぞれの発言の一部をここでご紹介しましょう。
これからは不動産が動く時代
新発売になる「THE SKELETON HUT」のSmallは、キットの状態ではもちろん、組み立て後も4tトラックなどで移動が可能です。このように今後の家は「モビリティー(移動性、流動性)」が鍵になるとYADOKARIのウエスギは言います。
YADOKARI ウエスギ 「これからの家は不動産の『不』が外れて『動産』、つまり動くものになるんじゃないかと個人的に思っています。今は移動手段も安くなってきて二拠点居住のように人が動いている。次の段階は家そのものが動くのではという議論が世界のあちこちでされています。今回発表になった『THE SKELETON HUT』のSmallは移動ができますが、家や小屋にモビリティーというキーワードが入ってくると、未来の新しい住まい方とか、新しい産業が生まれてくるんじゃないかなと思っています」
幸せな暮らしを実現するツールとしての小屋
YADOKARIのさわだは低価格だから可能な複数名でのシェアやコミュニティービルドによる建築など、暮らしを充実させるツールとして小屋を使うことを提案しています。
YADOKARI さわだ(以下、さわだ) 「『THE SKELETON HUT』でも、YADOKARIが建てたタイニーハウス『INSPIRATION』でも、ハード(建物)の部分ではなく、重要なのはそのまわりに付随する部分なのだと思っています。たとえば購入の方法。250万円のスモールハウスなら、1人150万ずつ負担してみんなでシェアしたり、小屋部の活動のように集まった仲間でDIYして建てられるかもしれない。僕たちが生きていく上で大切にするものの最上位に『幸せになりたい』という気持ちを置くなら、それを実現するためのツールとして小屋を様々な形で使える気がしています」
小屋が家や不動産の概念を広げてくれる
また別荘ポータルサイト「別荘リゾート.net」を運営する唐品さんと1級建築士でもあるエンジョイワークス設計部部長の濱口さんの発言からは、小屋が家や不動産の新たな選択肢のひとつとなる可能性を感じました。
唐品知浩さん(以下、唐品) 「不動産を買う機会って一生に1度じゃないですか。だけど小屋なら人生で2度目の不動産が持てるという考えも出てくる。小屋という新たな選択肢が出てくることで、不動産や家に対する既存の価値観がもう少しユルく変わってくると思うんです」
濱口智明さん 「僕らがハードを作っていく時に実は色々な選択肢が広がっています。その選択肢として小屋という”ちっちゃい箱”もありえると思いました。小さいからこそ自分でDIYしてみようと思えたり、それを色々な所に建ててみんなでシェアしようという考えも出てくる。これまでの家の概念を広げてくれるツールのひとつとして小屋はとらえられるのかも」
前半のトークセッションでは「小屋はツール」という言葉を幾度となく耳にしました。ちょうどいいサイズの小屋は、たとえるなら手によくなじんだ大工道具。まずは3帖サイズのSmallのような小屋を手に入れて、欲しい暮らしに想いを巡らせてみるのもいいかもしれません。
ズバリ!小屋の魅力とは?
合間に設けられたスピーカーへの質問タイムでは、「庭に小屋を建ててみたいと思っているが、自分でもなぜそんなに小屋に惹かれるのか説明できない。みなさんの考える小屋の魅力を教えて下さい」という質問が寄せられました。
さわだ 「YADOKARIは建築家の黒川紀章さんが設計した銀座の中銀カプセルタワーの一室をオフィスとして使っています。10㎡の空間で仕事をしているとすごく集中できて仕事も進むんですよ。ちょっと狭くて、まわりが覆われていることで感じる居心地の良さですよね。小屋と同じようなサイズ感のオフィスで仕事をする中で、小屋は本や仕事に集中する書斎だったり、自分の隠れ家として何か新たな試みをしてみる用途に最適だと実感しました」
「ちょっと狭くて、まわりが覆われていることで感じる居心地の良さ」。小屋の魅力の一端をよく捉えた言葉もオフィスでの実体験から生まれたもの。リアリティーが違います(笑)。
婚活市場に一石を投じる?小屋お見合いのすすめ??
次にYADOKARI小屋部部長の唐品さんからは、小屋のDIYを通して得た気づきからこんな提案も飛び出しました。
唐品 「僕は結婚する前に2人で小屋を建ててみることをおすすめめします。『小屋お見合い』ですね(一同爆笑)。DIYを一緒にやるのってすごく重要で、木材の切り方も”きっちりやる人”と”ざっくりやる人”みたいに性格が出る。その感覚の違いにイライラしたりするんですよ。だから結婚する前にDIYすることで相手のことをどこまで許せるか確認するほうがいい。初の共同作業という意味でも自分たちのチャペルを作るとか、ご祝儀がわりにみんなから家の材料を贈るとか、そういう文化ができると面白いと思うんですよね」
さわだ 「お父さんに『ちゃんと2人で小屋完成させたのか?』って聞かれたりね(笑)」
この提案は今は冗談のように聞こえるかもしれませんが、変化の激しい世の中です。将来小屋お見合いがブームになる日も近いかもしれません!?
後半は「小屋の楽しいオモシロがり方」を発表
会議の後半はワークショップ。参加者の方々が4つのチームに分かれ、新発売になる「THE SKELETON HUT」のタイプ別にどのような楽しみ方・活用方法があるのかをスピーカー4人も交えて一緒に考えました。
良い提案があれば商品化するかも?というエンジョイワークス代表・福田さんの鶴の一声に、「採用になったらマージンもらえるんですよね?」とすかさず鋭いツッコミが。ここからスピーカーも参加者も俄然やる気モードに(笑)。
あちこちから笑い声が聞こえる和気あいあいとした雰囲気の中、みなさん目を輝かせながら小屋について話し合う姿が印象的でした。
デジタルデトックス用の茶室に移動美容室、小屋のシェアで多拠点居住
話し合いの結果出てきたアイディアはどれも甲乙つけがたく、すぐにでもやってみたいと思えるものばかり。
たとえば3帖サイズの「THE SKELETON HUT Small」の使用方法は、漬物屋さんの「蔵」、ネットを介さずお互いが向き合うデジタルデトックスを兼ねた「茶室」、移動できるメリットを生かしてお年寄りの家や僻地へこちらから出向く出張「美容室」など、ワクワクするようなアイデアが出そろいました。
延べ床面積15帖サイズの「THE SKELETON HUT Large」には、別の土地に建つ小屋のオーナー同士がお互いの家をシェアしあったり、最初は賃貸として貸し出し、ゆくゆくは転売するというリアルな計画が注目を集めました。想像以上の楽しい使い方や将来設計のアイディアに、スピーカー一同も感心しきりのブレインストーミングとなりました。
小屋を使って暮らしを再編集してみよう
YADOKARIが「THE SKELETON HUT」を通して伝えたいことのひとつに、「自分がどういうライフスタイルを送りたいのか?どういうサイズの空間なら居心地がいいのか?今の暮らしを考えなおすきっかけにしてほしい(YADOKARI ウエスギ)」という想いがありました。
大人になると家や不動産といったことに無関心ではいられませんが、正直何が正解なのかわからなくなることもあります。あふれる情報を前に、自分の望む住まいやライフスタイルが見えづらくなっているのかもしれません。
そんな時こそ「THE SKELETON HUT」のようなシンプルな小屋を思い浮かべてみて下さい。そこで一緒に笑っているのは誰でしょう?窓にはどんな風景が見えますか?あなたは何をしていますか?ひとつだけ物を飾るとしたら何を選びますか?
家の最小単位と言われるシンプルな小屋を通して、さっきよりも少しだけあなたの理想の暮らし方が見えてくるはずです。
日々の暮らしを彩るハンディなコミュニケーションツールとして。理想の暮らしに想いを馳せる秘密の隠れ家として。小屋というツールを使って暮らしを再編集してみませんか?
※現在、棟数限定・特別価格でモニターを募集しています。詳細は以下専用サイトより。
▼ 「THE SKELETON HUT」専用サイト
http://skeletonhut.yadokari.net/